新たな脅威10
トランヴェル
(イヴ)
イヴ
「!?」
(びっくりした………トランヴェルいたのですか)
トランヴェル
(何やら動きがありそうだね………私も途中からしか会話を聞けていなかったんだけど、なんか魔女の魔法を無効化にできそうな感じなのかな?)
イヴ
(この目の前にいるミスリルという男が無効化にするものを作り上げたと言うのです)
トランヴェル
(無効化するものを作った?それはすごいな)
イヴ
(ただ当の本人は全然口を開かないですね………)
(顔色が悪そうだし、何かあったのでしょうか………)
ミスリルはドラフに問われても全く答えようとしない………。
無言であるため、会話が進まないのだ………。
ルージー
「おいミスリル!なんか言ったらどうだ!?」
ミスリル
「……」
アマミ
「どうやら話す気がないらしい」
イヴ
「話すどころか話を聞いてすらいないかもしれない」
ガデ
「おい!ミスリル!!ノーズさんが我々を魔女から逃してくれたのだ!!」
「ノーズさんのためにもここに来たからにはすることがあるだろう!!」
ミスリル
「ダメだ……」
ガデ
「は?」
ミスリル
「みんな……殺される」
ルージー
「ッ……てめえ!!」
ルージーはミスリルの胸元をつかむ!!
リリィ
「やめて!!」
ドラフ
「おい!やめろ!」
ドラフはルージーの腕を握り、ミスリルの胸元を離すように促す……。
ルージーは渋々と胸元を掴んだ手を離した。
ミスリル
「みんな……みんな……殺される」
ドラフ
「誰にだ?」
ミスリル
「魔女………魔女に殺される………」
ドラフ
「我々は魔女に殺されない」
ミスリル
「……!」
ミスリルはドラフの方へ顔を向ける……。
ドラフ
「我々は魔女に殺されない。奴らの好きにはさせない」
ミスリル
「……!?」
ミスリルは驚いた表情でドラフを見つめる。
ドラフ
「我々は魔女を倒す」
ミスリル
「無理だ……」
ドラフ
「無理ではない」
ミスリル
「お前らは知らないのだ!!あの化け物を!!」
「私は何度も何度も恐ろしい目にあわされてきた!!」
「目の前でたくさんの人が殺され、私も何度か重傷を負ったのだ!!」
「あの惨たらしい殺し方をする魔女を知らないからそう言えるのだ!!」
ミスリルは興奮状態となり、徐々に声を荒げていく!!
ドラフ
「いいや違う!!」
ドラフはミスリルよりさらに大声で吠える!!
ドラフ
「我々は何度も魔女と戦ってきた!!」
「仲間を魔女に殺され、我々の住まい、家族、国そのものを奪われてきた!!」
「それでも我々は魔女の恐怖に屈することなく、戦ってきたのだ!!」
「そして奴らを倒す一歩手前まで追い込むことができたのだ!!」
ミスリル
「お前らが魔女を追い込んだ…?」
「嘘をつけ!!」
ドラフ
「嘘ではない!!!」
「奴らを追い込んだからこそ奴らは禁断の魔法を使ったのだ!!それが何よりの証拠だ!!」
ミスリル
「お前らは……本当に魔女と戦ったことがあるというのか?」
ドラフ
「そうだ」
「現にここにいる皆は魔女と戦い、生き延びてきた者たちだ」
「奴らの力に臆することなく、戦ってきたのだ!!」
ミスリル
「……!」
ドラフ
「貴様がどれだけ魔女にいたぶられてきたのかは知らん……知らんが貴様はこのままやられっぱなしで悔しくないのか!?」
「貴様はただ魔女に殺され、あの世に逃げたいとそう思っているのか?」
ミスリル
「……」
ドラフ
「私はそんなのはごめんだ」
「今まで殺されてきた同志たちのためにも、人類の未来のためにも私は死んでも魔女と戦い続ける」
「たとえ奴らにすべてが奪われようと、私は魔女に一矢を報いる!!」
ミスリル
「……!?」
ドラフ
「ノーズの言葉が真実であれば、貴様は人類に変革をもたらす」
ミスリル
「……わ……私が…変革を!?」
ドラフ
「そうだ」
「我々は今、魔氷を溶かす研究を続けているところだ」
「もし魔女の魔法を無効化することができれば、魔氷を溶かすこともできるかもしれん」
「魔女の魔法を抑えれば、我々が勝てる可能性も出てくるというわけだ」
ミスリル
「お前たちは……本当に魔女を倒そうとしているのか?」
ドラフ
「もちろんだ」
ミスリル
「……」
ドラフ
「ミスリル」
「貴様の作り出したものがどの程度のものなのか私は見てみたい」
「魔女の魔法を無効化にするなど、人類がかつてやりたくてもできなかった夢のような代物なのだ」
「ミスリルお願いだ。我々に協力してくれ。わずかでもいい。貴様ができる範囲で構わない」
「我々人類に手をかしてくれ」
ミスリル
「……!」
ミスリルはドラフの言葉に驚かされながらも感銘を受けていた。
魔女が恐ろしいことを知ってて、ここまで魔女と戦う意思があることに目覚ましく感じていた。
自分がこんなに恐怖に陥っているのに、なぜドラフがここまで力強く戦うことを主張しているのか、
ミスリルはドラフが勇敢であると思いながら、自分の情けなさに心を痛めていた……。
結局この日ミスリルは答えじまいであり、彼は研究室に寄ることなく、宿に入ってしまった…。




