新たな脅威5
ノーズ
「何事だ!?」
ルージー
「何者かがこの施設の中に入ってきたようです」
「認証を通すことなく、侵入したようです!!」
ガデ
「監視カメラの映像を映します!」
ガデは機材をいじり、中央にある巨大なモニターに画面を映す。
その画面にはあの紅い魔女が通路を歩いていた!
ノーズ
「魔女!?」
「どうしてここに!?」
ミスリル
「あああ…」
ミスリルは顔が真っ青になり、頭を抱えながらしゃがんでいく……。
ミスリル
「魔女だ……あの魔女がまた私を殺しに来たんだ」
ノーズ
「ッチ!?お前を殺しに追跡してきたわけか!」
ガデ
「ノーズさん!!わ……私はここで魔女を迎え撃ちます!!」
ノーズ
「何をバカなことを言っている!?以前の戦闘で勝てないことはわかっただろう!?」
ガデ
「それでも……先ほどノーズさんが言っていたようにどこへ逃げても魔女の脅威から逃れられません…」
ルージー
「私も戦います!!」
「ここまでこの国がやられて黙っているわけにもいかないのです!!」
「今こそ仲間と市民の仇をここで撃ちます!!」
ノーズ
「やめろ!!貴様らでは無駄死にするだけだ!!」
フンボルト軍
「!?」
ノーズ
「貴様らにはまだやるべきことがある。ここで生き伸びて、この国を復興させることだ」
「貴様らの任務ははこの腰抜けをクラフト国のラウル研究所に届けること!」
「さっさとこいつを連れてここから脱出しろ!!」
ノーズはミスリルをぶん投げ、フンボルト軍へ引き渡す!
ガデ
「クラフト国でありますか!?」
ノーズ
「そうだ!!」
「今クラフト国のラウル研究所では魔女に対抗する魔道具をつくっている。この腰抜けの脳を使えばさらに研究が進むはずだ!!」
「この施設にエアポートがあった。避難用のヘリを使ってラウル研究所を目指せ!!」
「俺が奴と戦って時間をつくる!!そのうちに早くそいつを連れて逃げろ!!」
ルージー
「一人で戦うだなんて無茶です!!我々も応戦させてください!!」
ノーズ
「何度も言わせるな!!貴様らでは足手まといになるだけだ!!」
ルージー
「し……しかし!?」
ノーズ
「いいか!!貴様らの任務はここで勇敢な死を遂げることではない!!ここから生き延びて未来を切り開くことにある!!」
「お前たちは人類の中で唯一銃器を巧みに使えるエリート軍隊だ!!竜とまともに戦えるのは人類の中でも貴様らしかいない!!」
「いつか人類が竜を討伐するその日が来るまで貴様らは生き延びなければならない!!貴様らはフンボルト国を飛び越え、世界を救うソルジャーになるのだ!!」
「わかったら返事をしろ!!」
ルージー
「……」
「ハッ!」
ドコオオオオオ!!!!
目の前にあった壁が壊され、その奥から一人の女性が姿を現す!!
ノーズ
「来やがったな……」
「さっさと行動に身を移せ!!絶対に死ぬなよ!!」
ルージーたちはノーズに敬礼をし、ミスリルを連れて基地のヘリポートへ向かう!!
ミスリル
「は……離せ!?私をここに置いていけ!」
ガデ
「大人しくしてくれ!!我々は必ずあなたをクラフト国に届けるんだ!!」
ミスリル
「何をバカなことを!?私を連れていけば魔女もクラフト国に来るぞ!?」
ルージー
「ノーズさんの話を聞いていなかったのか!?どこいても魔女も竜も魔氷も襲ってくるんだよ!!」
ルージーたちは部屋から外に出ていく……。
それを見送ったノーズは銃器を両手に持ち、魔女アルヴェの前に姿を現した。
ノーズ
「やれやれ……困ったものだ。人間の社会ではストーカーは犯罪なんだぜ?魔女さんよ……」
アルヴェ
「あら?またお前か……」
「そうね…。私はずっとある人間を追っかけているんだけど中々しぶとくてね」
「そいつを殺すまで私はずっと追いかけ続けるわ……!」
ノーズ
「異様なまでの粘着さだな……気持ち悪い奴の特徴だ」
アルヴェ
「ははははッ!!気持ち悪いだなんて失礼な……」
「以前は見逃してあげたけど…今度こそあなたを殺しちゃおうかしら」
ノーズ
「やってみろ」
ノーズとアルヴェが対峙する……!




