新たな脅威4
ミスリル
「くひっ……くっ」
ミスリルは銃口を当てられ、さらにパニックになっている。
ノーズ
「どうなんだミスリル!?」
ミスリル
「お……おまえ…まさか……」
「ノーズ……なのか?」
ノーズ
「そうだ!!俺だ!!貴様と同じ組織にいたノーズだ!!」
ミスリル
「い……生きていたのか……!?」
ノーズ
「ああそうだ!!俺は地獄の淵から魔女に連れ戻されたのだ!!」
ミスリル
「ま……魔女にいい?」
ノーズ
「ミスリル!!そんな話はどうでもいい!!本題に戻すぞ!!」
「貴様は魔女に一体何をされた!?何を怯えている!?」
ミスリル
「私はあの紅い魔女に何度も殺されかけたんだ……」
「あの魔女は恐ろしい……私を殺すまで人類を痛めつけると言い放ったのだ!」
「奴の狙いは私だ……私を殺さなければ、ここにいる全員がまた犠牲になる!」
ノーズ
「なぜお前は魔女に襲われている?」
ミスリル
「恐らく奴らは気づいたのだ……」
「この私が魔女の魔法を無効化にするモノを作り上げたことを……」
ノーズ
「なんだと!?」
「貴様がそんなものを!?」
ミスリル
「ダマに頼まれたのだ!!それを作れと!!」
ノーズ
「ダマ様に……?」
ミスリル
「そうだ!ダマは魔女との戦いですべてを失ったと言った……」
「そして私のもとにやってきたのだ……それも生首の姿でだ!」
「奴はもう人間ではなかった……」
ノーズ
(……ダマ様が生首ということは、あのフクロウの魔女たちと交戦した後のことか)
(ダマ様は俺が復活する前にミスリルに会っていたということなのか…?)
ノーズはここで思い出す。ダマと共にソフィアと戦った時の記憶を……。
そしてさらに思い出す。ノーズがダマの頭をトランヴェルの魔女たちに放り投げ、ダマの左目の力で魔氷を溶かしたことを……。
ノーズ
(まさか…あのダマ様の左目……あれはミスリルがつくったものだったのか…?)
「ミスリル…魔女の魔法を無効化にするモノとはダマ様の左目についていたモノなのか?」
ミスリル
「……お前知っていたのか」
ノーズ
「やはりか……ダマ様はフクロウの魔女と再び戦うためにお前にそのようなモノをつくらせたと言うわけか」
「ところでどうやってそんな代物をつくったのだ……?」
「いくらお前でも魔女の魔法を無効化にするものを作れるとは思えないのだが」
ミスリル
「失敬な……私はこれでも無数の科学装置を生み出した天才だぞ!!」
ノーズ
「魔物を生み出した大犯罪者の間違いだろ?」
ミスリル
「ふ……ふざけるな!!」
ミスリルはノーズの銃を手ではたいて、ノーズを罵る!!
ミスリル
「あれは貴様とダマがやったことだ!!私には関係ない!!」
ノーズ
「ふん……よく言う。それに同意して実験を進めたのはお前だ」
ミスリル
「ふざけるなあ!!私はただ生物兵器の研究としてビジネスとしてやっていただけだ!!」
「お前らが私の研究生物を野放しにして人類の大敵を作り出したのだ!!」
「私は止めようとした!!魔物なんてものを生み出すことには反対したのだ!!」
「私は悪くない!!」
ミスリルは叫びに叫びまくった……!
ノーズ
「……ふん。先ほどまで死にたがっていた奴には見えないな…情緒不安定な野郎だ」
ミスリル
「ふー……ふー……」
ノーズ
「少しは叫んでスッキリしたか。落ち着いたみたいだな」
ミスリル
「黙れ!!落ち着いてなどいられるか!!」
いきなりミスリルはノーズの持っている拳銃を奪おうとする!!
ノーズ
「何をする!?」
ミスリル
「貸すんだ!!」
ミスリルは何としてでもノーズから拳銃を奪い取ろうと躍起にかかってくる!
ミスリル
「貴様に殺されるぐらいなら自分で死んだほうがましだ!!」
ノーズ
「やめろ!!」
ゴッ!!
ノーズは拳銃でミスリルの後頭部を叩きつける!!
ノーズ
「前言撤回だ!!貴様を殺すことは却下する!!」
ミスリル
「何を…!」
ノーズ
「その魔女の魔法を無効化にする技術は今後人類に必要なものだ」
「貴様を殺すわけにはいかない」
ミスリル
「ふざける…な」
「私が死ななければ皆死ぬことになるぞ!!」
ノーズ
「貴様を殺さなくても魔女は我々を殺しにやってくる!!」
「もはやどこにいても魔女の恐怖からは逃げられない!!」
ミスリル
「んぐ!?」
ノーズ
「いいかミスリル」
「今人類は魔女に滅ぼされるかどうかの瀬戸際なのだ!!」
「もはや魔物やビジネスなんぞ、そんなものに縛られているところではない!」
「我々も魔女に対抗しなければ、人類と共に滅ぶのだ!!」
「現にダマ様も魔女に殺された!!」
ミスリル
「!?」
「なんだと!?ダマは死んだのか!?」
ノーズ
「ああそうだ!!俺を助けるために魔女と戦って死んだのだ!!」
「だから俺は魔女を倒したい!!奴らはダマ様の仇だ!!何としてでも奴らを地獄に落とす!!」
「ミスリル!!貴様が今死ぬことは許されない!!今こそお前の力が必要なんだ!!」
ミスリル
「ぐっ……」
「お前のために働くのはゴメンだ……」
ノーズ
「ならば人類のために立ち上がれミスリル!」
ミスリル
「う……ぐ……」
ジリリリリリリリリ!!!!フオーンフオーン!!!
突然、警報が鳴り響いた!!




