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新たな危機1

ノーズは急いでフンボルトの街についたものの、

竜襲撃後のフンボルトの街は、炎に包まれおり、大惨事であった。


人が多く倒れており、助けを呼ぶ声も聞こえてくる……。

ノーズの目の前で建物の下敷きにされた人々が悶え苦しんでいた。


ノーズ

「むごいな……待ってろ!今すぐ助けてやる!!」


ノーズは力いっぱいに崩れた建物を持ち上げて外へ投げ込み、

下敷きになっていた人々を救出した。


数名は足がつぶれていたり、呼吸困難になっていたり、

何人かは意識不明であった。


ノーズ

「回復魔法は得意ではないが……やってみるしかない」


ノーズは魔法を唱え、助けた人々を治療していく……。


「こっちも……こっちも助けてくれ!」


声がするほうへ振り返れば、そこには柱に下敷きにされた男性が助けを求めていた。


ノーズ

「ちょっと待ってろ!!もう少し耐えてくれ!!」


ノーズは回復魔法を懸命に唱えていくが、全く傷が塞がりそうにない……。


ノーズ

(ここであきらめて他の奴を助けるべきか…?)


下敷きにされた男性

「は……早く……」


ノーズ

「くそ!!」


ノーズは回復を諦め、柱に下敷きにされた男性を助けに行く!

柱をどかし、男を救出する!


ノーズ

「おい!大丈夫か!?」


「……」


ノーズ

「くそ……死んでやがる」


ノーズは再び先ほどの重傷者のところへ駆けつけ、

回復魔法を試みる!


ノーズ

「くそっくそったれ……!俺ではだめだ!!」

「フンボルト軍は…フンボルト軍はいないのか!?」


ノーズの目の前には軍服を着た兵士がたくさん倒れていた。

どうやら軍もほとんどやられてしまったらしい……。


ノーズ

「くそお……」


ノーズは回復をあきらめ、まだ比較的軽傷である2名を担ぎ、

中央へ向かうことにした。


ノーズ

「なぜ…竜がフンボルトを……」

「中央に行けば結界師もいるはず……結界が張られていれば何名かは生き残っているはずだ」


炎が街を包む中、ノーズは突き進む……。

中央にたどり着いたノーズ…。

そこには建物も木も川も何一つ残されていない、すべて焼き尽くされた跡が残っているだけだった……。


ノーズ

「……」


ノーズは生存者がいないか、回復魔法を使えるものがいないか、街中を探し回った。


ノーズ

「誰もいないのか…誰も!?」


オオオ……


ノーズは駆け出している最中に思い出す。フンボルトが栄えていた日々を…。

どの国からも一目を置かれるほどの圧倒的な機械技術、そして生活水準の高さ、

人々の幸福な日々、そして……圧倒的な軍事力を保有していたあの日のフンボルトを思い返す。

そして思い返しながら、涙を流していく……。この荒んだ現状に…あの栄光と比較して。


疲れ果てたノーズは歩き出す……そして気づく、背負っていた二人も息を引き取ったことも。


ノーズ

「……くそったれ」


焼けた大地にノーズはただ一人残された。


ノーズは歩く。フンボルトであった街を。

そして噴水であったと思われる瓦礫のそばに一人の男性が倒れているところを発見する。

ノーズは駆け足で男のところへ向かう。


ノーズ

「……生きているか?」

「!?」


倒れている男は息をしていたが、今にでも死にそうだ。

しかし、ノーズはこの男を見て驚愕していた。


ノーズ

「お前……まさか」

「まってろ…今助けてやる」


ノーズは瀕死の男の傷を治そうと魔法を全力でかけていく!


瀕死の男

「ガフッ……!!」


男は意識を取り戻した!


ノーズ

「これぐらいの傷なら…助けられる!!」


瀕死の男

「や……やめろ!!」


ノーズ

「!?」


瀕死の男

「お…俺を…助けるな!!」


ノーズ

「何……!?」


瀕死の男

「俺を生かしては……また」

「またあの魔女が……!?」


ノーズ

「魔女……だと!?」


瀕死の男

「私を生かしてはまた犠牲者が出る!」

「私を…私を殺してくれ!!」


フィイイイイイン……


ノーズ

「!?」


ノーズは唐突に寒気を感じた…。

そして振り返れば、そこには紫色の洋服を身にまとった女性が立っており、

じっとこちらを見ていた……。

その女性の目は怪しく紅く染まっており、すべてを見透かすような悍ましさを感じる。


ノーズ

「この感覚……魔女!?」


ノーズは男を担ぎ上げ、その場から逃げ出した!


瀕死の男

「待て!!俺を…おいていけ!!」


ノーズ

「他の人間が死のうが構わないが、フンボルトの民を見殺しにすることはできん」


瀕死の男

「お前も…あの魔女に殺されるぞ!!」


ノーズ

「黙れ!!ミスリル!!貴様を殺させんぞ!!」


瀕死の男

「!?」

「なぜ俺の名前を……!?」

「まさかお前……」


オオオオ……


後ろからただならぬ気配を感じる!!

悪寒と寒気が止まらない!!


ノーズ

「ッチ!!やはり逃げるのは無駄か!!」


ノーズはミスリルと呼ばれる男を地面に下ろし、

脇から武器を取り出し、構える!!


「フフフ…」


どこからか女性の声が聞こえてくる。


ミスリル

「ひっ……ひいいいい」


ミスリルはあまりの恐怖に頭を抱えてしゃがみ込む…。


「見つけたあ……ダマの金魚の糞」


ザザザザザ……


周りの空間が歪んでいく……!


ノーズ

「ダマ様を知っているとはな…お前ソフィアか!?」


ノーズは周りを見渡す……しかし魔女の姿は見えない。


「なあに?あなたももしかしてダマとかいう人間の手下なの?」


ザザザザザ……


ノーズ

(俺のことを知らない!?ということはソフィアやカローナたちとはまた違う魔女か…)

「俺のことを言ったんじゃないのか…ということは貴様はミスリルを探していたということか!?」


ザザザザザ……


「そうそう思い出した…ミスリルって名前だった」

「そいつが我々のクロノブレイクを無効化するアイテムを作った張本人」


ノーズ

「クロノ…ブレイク?」


ミスリル

「ひっひいい…きひいいいいい!?」

「こ…殺すなら早く殺してくれ!!」


ザザザザザ……


「あはっはははははははははははははははは!!!!」

「もう恐怖で頭がおかしくなってるんだね!かわいそうに……」


ノーズ

「姿を見せやがれ!!」


ザザザザザ……ザザザザ


バチバチバチ…!!


空間の歪みから先ほどの紫色の服を着た女性が現れる!!


「やあ…人間ども」

「私がお前たちに姿を見せるのは何年ぶりだろうか……200年前ぐらいかな?」


「私はアルヴェ」

「せいぜい私を楽しませてね……人間ども」

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