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夜話3


ミランダ

「ちょっと待って!!全ッッッッ然ついていけないんですけどお!?」


ミランダがトランヴェルとイヴの会話に割り込んできた。話についていけず、耐え切れなくなったようだ。


トランヴェル

(それはそうだろうな……私の記憶を見せてもわからないものはわからないだろうし)


イヴ

「簡単に言えば、私はこの世界の管理者、トランヴェルは観測体のお試しロボットのようなものです」


ミランダ

「トランヴェルってロボットなの!?」


イヴ

「たとえが悪かったですね…トランヴェルはロボットではないです。試験体のようなものだと認識してくれればいいです」


ミランダ

「試験体……?」


トランヴェル

(まあ私の存在が何なのかはこれ以上話しても答えは出ないだろう)

(とりあえず、ミランダが魔氷を防ぐ術を持っているというのであれば、その力を使って対抗策を考えるまでだ)


イヴ

「一つお聞きしたいのが、ミランダは元々魔法使いか何かだったのですか?」


ミランダ

「ううん……私魔法なんて使えない」


トランヴェル

(まあ、普通の女の子だ)


イヴ

「そうですか……しかしなぜミランダに魔氷を防げる力があるのか私にはわかりません」


トランヴェル

(確かに……不思議だよな。なんでミランダだけその力を使えるんだろう?)

(アイナもイヴもララたちも魔氷を防げる魔力はなかったのに、なぜミランダだけ……)


ミランダ

「それは私が天才だから?」


イヴ

「それは違います」


ミランダ

「ですよねー」


イヴ

「魔氷自体はこの世のあらゆるものを凍らせる魔女の禁断魔法の一種です」

「これを溶かすにはこの世の魔力では難しいです。唯一溶かす方法は禁断魔法を使った魔女を倒すか、

あるいは外部の力で溶かすかどちらかです」

「ミランダの魔法には禁断魔法の力は無く、この世の魔力でもないので、外部の力が働いていると考えられます」


トランヴェル

(外部の力か……つまりユニがいる世界の力ってことか?)


イヴ

「そんなところです」


トランヴェル

(魔氷はこの世の魔法じゃ消せないって相当強い魔力だよな……)


イヴ

「先ほども言いましたが、魔氷は禁断魔法です…。この世界のバランスを総崩れさせるやってはいけない魔法の一種です」

「元々この世界にはそのような魔法は存在していませんでしたが、ここ数年で魔女たちがあらゆる魔法を混ぜて開発した新しい魔法なのです」

「マザーコントロールである私ですら想定していなかった恐ろしい魔法です……現に魔氷によって生態系に大きな影響が出ています」


トランヴェル

(なんでそんな魔法つくりあげたんだ魔女たちは……)


イヴ

「その答えは単純です。好奇心です」


トランヴェル

(好奇心……まさしく科学者だな魔女は)


イヴ

「魔女は科学者という発想はあながち間違っていません」

「魔女は日々魔法を研究し、探求し、そして新たな魔法を生み出し続けています」

「魔氷をつくったあのソフィアという魔女は特にマッドサイエンティストのような存在です」


トランヴェル

(魔氷ってあいつが開発したのか……くそッなんであんな魔法を世界に……)


イヴ

「これは私の予測にすぎませんが……恐らくあのソフィアという魔女は実験したくて魔氷を放ったのではないかと思います」


トランヴェル

(実験だと?)


イヴ

「魔氷を実践したのは今回が初めてなのです。恐らく彼女は自分が脅威に晒されたら魔氷が発動するように仕込んでいたのでしょう」

「それがたまたま今回この人間がいる台地であった」


ミランダ

「そんな理由で皆やられてしまったの…?」

「そんなのあんまりだよ……」


トランヴェル

(うむ……だからこそドラフのように魔女を恨むやつが多くいるんだろうな)

(人間にとってやはり魔女は危険な存在だろう。魔女は人間を実験の道具とか研究対象とかそんな風にしかとらえていない)

(さっきイヴが言ったように新しい魔法を人間で試してみたり、人間に興味を抱いて人間の世界に干渉したり、常に魔女は人間をサンプル扱いしている)

(イヴの推測があっているとすれば、ソフィアたち魔女の人間を使った実験はこれからも続くだろうな。

奴らを倒さない以上、人間はずっと魔女たちの好奇心で脅威にさらされることになるだろう)

(奴らが本気を出したら人間なんてあっという間に滅ぶだろうな…。今回の魔氷だって、全世界に浸透していないことからイヴの言うように実験感覚でやっているかもしれない)


イヴ

「……トランヴェルが今言ったことはあってるかもしれません。魔女は常に人間に接触してきました。

人間に危害を加えることもあれば、ソフィアのように魔法を人間に広めたりすることもあれば、

恐らく人間という存在を知りたい欲求と自分たちの魔法を試す実験場として人間と接触しているのでしょう」


ミランダ

「魔女を……魔女を倒さなくちゃ」


イヴ

「残念ながら魔女を倒すことは困難かもしれません……」


ミランダ

「そんな……なんで?」


イヴ

「魔女は“生死”とかけ離れた生命体です……いくら倒したところで魔女たちを殺害することは不可能です」


トランヴェル

(なんだって……!?魔女って死なないのか!?)


イヴ

「いいえ。死なないわけではないです。どんなにすごい生命体でも生きている限り終わりは必ずあります」

「しかし、魔女たちは自害する以外は死ぬことができないのです」


トランヴェル

(はあ!?)


ミランダ

「え……それじゃあ」


トランヴェル

(それじゃあソフィアたちを倒すことは不可能なのか!?)


イヴ

「そうです……。そうですが、あくまでも“現状の話”です」


ミランダ

「現状の……話?」


イヴ

「そうです……つまり、現段階では魔女が殺せないということです」

「あくまでも現段階の話であって、もしかしたら倒せる方法があるかもしれないということです」


トランヴェル

(なるほど……今考えられる方法では絶対魔女が倒せないということだな?)


イヴ

「そうです。単に魔女を物理的に倒すことは不可能だということです」


ミランダ

「それじゃあどうしたら?」


トランヴェル

(それを探すってことだ)


イヴ

「その通りですトランヴェル」

「この世界の現段階の情報では魔女を倒すことができません。

しかし、世界の情報は常に塗り替えられてきたのです」


イヴ

「私はこの世界ができたと同時にこの世に命を授かりました。

最初は単に空気と大地しかなかったこの世界。まさか動植物が生まれるだなんて思ってもいなかった」

「それが今では生命体がこの大地に生まれることが当たり前になり、またどんどん種類が増えていきました」

「やがて人間や魔女、ここ最近では魔物という存在が生まれ、当初の想定では考えられない出来事が多く発生しました」

「現状はどんどん変化していきます。常識は常に塗り替わってきたのです」

「現にミランダの魔法も私にとっては想定外です。それからトランヴェルの存在も」

「ですから魔女を倒せないという常識も、もしかしたら塗り替えることができるかもしれません」


ミランダ

「そっか……そうだよね……!」

「そのために今皆必死に戦ってるんだもんね!」


トランヴェル

(そう…そうなんだよ。魔女が倒せないなら倒せる方法を探す……またはその方法を生み出す)

(それが今私たちがやっていることなんだ)

(魔氷を溶かして皆を救う。そしてソフィアたちのふざけた実験を止める!それこそが私たちの目的)


イヴ

(たとえ魔女を倒せなくても魔女を食い止めることはできると思います)

(そのために新しい方法を探すんです。それこそが進歩であり、進化なのです)


トランヴェル

(まず魔氷を防げる手段を考えよう。ミランダの力で何とかなるかもしれない)


ミランダ

「うん!任せて!!」


トランヴェルたちは話し合った後、ひとまず今日は解散することにした。

イヴは明日ドラフとバースにミランダの力について説明することにした……。


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