ミランダ2
イヴ
「神の………左手?」
ミランダ
「そ………そうです!この左手の力で魔氷を防ぎました!」
ミランダはイヴたちの何とも言えない反応を見て恥ずかしそうに答えた。
トランヴェル
(ええ!?本当?)
ミランダ
(本当です!)
イヴ
「………左手の力とは具体的にはどんな力なのでしょか?」
ミランダ
「お見せしましょう!」
ミランダは左手をかざし、力を込める………!
しかし、何も起こらない………。
ミランダ
「目では見えませんが………見えざる力が今この左手に宿っています!」
トランヴェル
(胡散臭さが凄い………)
イヴ
「み………見えざる力ですか」
ミランダ
「えっと………種も仕掛けもございません!」
パッと見ミランダの左手から何も出てはいないが、何かが発生しているという。
トランヴェル
(そうだ思い出した………ミランダには不思議な魔力があるんだった)
(ララは雷、カリアは魔法障壁。でもミランダは何の魔法を使っているのかさっぱりわからなかった)
(そういや目に見えない何かでノーズの攻撃とか防いでいたな………)
イヴ
「………確かに何か力を感じますね」
「………これはこの世界には無い力と思われます」
トランヴェル
(この世界に無い力!?)
イヴ
「はい………私のデータには載ってないものです」
ミランダ
「え!?何々!?私の力について何かわかるの!?」
イヴ
「いいえ………全くもって何の力なのか不明です」
トランヴェル
(イヴが知らないってことはこの世界に無い力なのか………)
イヴ
「または想定外の力が生まれたかどちらかです」
「私の知識はこの世界の構成物質のデータがあるだけなのです。それらのデータが合わさって新たな物質が生まれた可能性もあります」
トランヴェル
(なるほど。今までなかったことならば、イヴのデータベースに載ってるわけがないか)
ミランダ
「えっと………置いてきぼりなんですけど!」
「世界のデータベースって何ですか!?」
トランヴェル
(そうか………色々説明しないといけないな。ミランダと別れてからず色んなことがあったからな)
イヴ
「トランヴェル。その前に彼女からその力についてどのように魔氷を防いだのかお伺いしたいです」
トランヴェル
(………そうだな。じっくりお話したいが、そっち優先で話を進めるとするか)
イヴ
「ミランダ。あなたはその左手でどのようにして魔氷を退けたのですか?」
ミランダ
「どのように………どのようにかあ………」
イヴ
「例えば左手の力で魔氷を溶かしたとか、魔氷をバリアのように防いだとか、その左手の力でどのように防いだのか知りたいのです」
ミランダ
「魔氷を溶かしたね!バシッと!」
トランヴェル
(溶かした………それは凄い)
(魔氷はそう易々と溶かせるものではない)
ミランダ
「溶かすと言ってもどんどん魔氷が流れ込んでくるから進行を防ぐのに手一杯だったけどね」
イヴ
「あなたの話が本当なら、もしかしたら世界を救えるかもしれない」
ミランダ
「せ………世界を!?」
ミランダ
「でも私の左手の力はほんの少ししか魔氷を溶かせなかったんです……」
「あの時、試しに私の力で魔氷を溶かせるのかなって思ってやってみたんですけど、思った以上に全然溶けなくて……」
イヴ
「でも少しでも溶かせるのでしょ?」
ミランダ
「はい……でも本当に少しだけなんです……」
「途中で力が尽きてしまうし、私一人だけでは難しかったんです」
イヴ
「微力でも問題無い。素晴らしい力です」
「トランヴェル。この件はドラフたちに伝えてミランダの力を活用してもらいましょう」
トランヴェル
(そうだな……もしかしたらドラフたちの研究でミランダの力を増幅させることができるかもしれない)
ミランダ
「え……ドラフって人は誰です?もしかして国の人?それともトランヴェルの仲間?」
トランヴェル
(その両方だ。私の仲間であり、もともとツクヨミ国の研究者だ)
ミランダ
「トランヴェルの仲間ならいいか……ほら!私の力って普通の人たちに説明できないし。
それに魔女って知られるのもまずいし……私ずっと自分の力について皆に内緒にしてたの」
トランヴェル
(それはそうだろうね。まあ我々が魔女であることを一般人に伝えるのは無理かもしれんが、
ドラフたちだったら問題ないだろう)
イヴ
「明日ドラフたちのところに行きましょう」
トランヴェル
(そうしよう)
ミランダ
「あ……でも私明日クラフト国の軍事施設に移動する予定なんだ………」
トランヴェル
(なんだって!?こんな時に……そういや軍部の管理下にあるんだったな。どうしようかイヴ?)
イヴ
「我々の存在を説明することができない以上、もはやドラフとバース所長になんとかしてもらうしかないですね」
トランヴェル
(うん……そうだな)
イヴ
「ミランダ。今日はありがとう。明日何とかここに残ってもらうように掛け合ってみます」
ミランダ
「えっと……ちょっと待って!」
イヴ
「どうしました?」
ミランダ
「ララたちは今どこにいるの?全然トランヴェルたちの経緯を聞いてないんだけど……」
トランヴェル
(おっと……そうだったな忘れてた)
トランヴェルはイヴからミランダの肩に飛び移る。
トランヴェル
(すべてを口で説明するのは大変だからな…私の能力を使わせてもらう)
ミランダ
「能力?」
トランヴェル
(私が今まで見てきた記憶を君の脳内に映す力)
フィイイイイイイン
ミランダの脳内にトランヴェルの記憶が映し出されていく!
ミランダと別れてからの出来事が彼女の脳内で次々と映し出されていく……。
ミランダ
「そんな……」
ミランダはララたちが魔氷に飲まれていく姿を見て悲観する……。
トランヴェル
(ララたちは今どうなってしまったかわからない……わからないが、恐らく生きているはずだ)
ミランダ
「……」
「そう……そうだよね!ララたちがやられるわけがない!」
トランヴェル
(ミランダ……。事は重大だ。世界が滅ぶかどうかの瀬戸際なんだ)
(君を再び戦禍に巻き込むつもりはなかった……でも今は協力してほしい。君の力が必要なんだ!)
ミランダ
「も……もちろんだよ!」
「私はトランヴェルのおかげで今の命があるんだよ!協力しない理由なんてないよ!」
「それに……トランヴェルたちと別れるとき…本当に付いていかなくていいのかなって思ってたし……」
「私だけ母と幸せに暮らそうだなんて私だけそんなことしてていいのかなってずっと思ってた」
トランヴェル
(それは私も皆も承知したことだ。ミランダが悩む必要はない)
ミランダ
「だから…だからね。今度こそトランヴェルたちと一緒に行くよ!」
「私の力が少しでも役立つのであれば、絶対に協力する!一緒に竜や魔女とも戦う!」
「ララたちを絶対に救って、それから世界を平和に戻すの!」
「私だけでなく…世界中の皆を」
アイナ
「アイナも戦う!」
アイナはミランダの隣に座り、会話に割り込む!
アイナ
「アイナもパパとママを助ける!それから学校の友達も先生も!」
トランヴェル
(よく言ったアイナ)
イヴ
「私も同意見ですアイナ、ミランダ」
「私はこの世界のマザーコントロール…外部からの脅威は排除しなくてはならない」
「恐らく今後は魔女だけでなく、外部からの敵とも戦うことになるでしょう」
トランヴェル
(外部からの敵……あの赤い竜か)
ミランダ
「外部の敵って何?魔女や竜とは違うの?」
イヴ
「はい。魔女や竜はこの世界に存在する生物です。しかし、あの赤色の竜は違います」
「あの竜はこの世界には無い力で攻撃してきます。あの力はこの世のものでは無いのです」
「しかし厳密にはあの竜自体はこの世の物体で構成されているのですが……あの竜の攻撃がこの世のものでは無いのです」
トランヴェル
(……そうなのか。色々わからないことが多いんだが、
外部の敵ってのは以前お前が言っていたこの世界の創造主のいる世界の生物なのか?)
イヴ
「恐らくそうです」
ミランダ
(えっと……なんか色々話についていけないんですけど……)
トランヴェル
(イヴ。今まで連戦でなかなかじっくり聞く機会がなかったが、この世界について色々教えてほしい)
(いくつか質問していいか?)
イヴ
「いいでしょうトランヴェル。私が知っていることならお答えします」




