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ラウル研究所4

バース

「どうぞお座り下さい」


コーネリアス

「はい………」


コーネリアスとミランダは椅子に座る。


バースは彼女たちに今日の面会の目的について話をする。当時の現状の把握、そして魔氷を防ぐための手段を考案するために話を伺いたいとコーネリアスとミランダに告げる。

コーネリアスたちはうなずいて承諾したようだ。


ドラフ

「早速ですが………お二方の住まいだけ魔氷に侵されなかったと聞いてます。それは本当ですか?」


ドラフはコーネリアスに尋ねていく。


コーネリアス

「はい。おっしゃる通りです」


ドラフ

「何か魔法障壁やバリアなど貼られていたのですか?」


コーネリアス

「いいえ………本当に信じられない話ですが、特に魔氷を防ぐようなものは無く、運がいいことに私たちの家だけ魔氷が来なかったのです」


ドラフ

「………左様ですか」

「それでは何故あなたの家に魔氷が来なかったと思います?」


コーネリアス

「それはわかりません………」


ノーズ

「他の家は魔氷に襲われているのに一軒だけ無事だったなんて普通あり得ないだろう」


コーネリアス

「確かにおっしゃる通りです………」

「もはや奇跡としか言いようがなくて」


ドラフ

「ふむ………」


この後、ドラフたちは彼女たちに詳細を聞いていく。しかし、何故彼女たちの家だけ魔氷が回らなかったのか結局分からずじまいであった………。


こうして生存者たちとの面会は全て終わり、一同は解散することになった。

全ての面会が終了し、面会で得た情報をまとめることにした。

リリィとアマミ、そして村長とサーべの話から魔法障壁装置に魔氷を遠ざける「何か」があると見込むことができた。特にリリィたちの話から魔法障壁装置の中心部に魔氷を防ぐ「何か」があるだろうと目星をつけた。


しかし、生存者全員の話をまとめると魔氷を防いだというより魔氷が行き届かなかったという印象があり、もしかしたら偶然に魔氷が届かなかったのかもしれない。

特にコーネリアスたちとの話からその可能性が考えられる。大陸そのものを覆った魔氷が、何故コーネリアスの家だけ免れたのか。それは偶然かそれとも必然か。ドラフたちは以上の結果から魔法障壁装置の調査とペルー村の御神体の調査、そしてコーネリアスの家の調査をそれぞれ行うことにした。


面会後、ドラフとクエリはバースと共に研究施設へと向かい、魔法障壁装置の研究を行うことにした。ノーズは一人で武器の調達のため外出し、イヴはアイナを連れて寝室へと向かうことにした。


トランヴェルはイヴとアイナについていき、寝室で今後のことを話すことにした。


トランヴェル

(結局、ミランダに顔を出さなかったが、やっぱり会って話を聞きいたいな)


アイナ

「ミランダって人は私たちと同じ魔女なの?」


トランヴェル

(そうそう。確か3人目の魔女だったかな)

(恐らく彼女たちが助かった理由はたまたまではないと思うんだよね)


イヴ

「そのミランダが魔氷を防いだということですか?」


トランヴェル

(その可能性が高いんじゃないか?)


イヴ

「しかし、私もアイナも魔氷に対しては何も成果を出せていません………」

「私たち魔女では魔氷を防ぐことはできないのではないでしょうか?」


トランヴェル

(うーん………そうなんだろうか………)

(どちらにしろ聞いてみるのが良さそうだ)


イヴ

「しかし………彼女はどこにいるかわかりませんよ?」


トランヴェル

(片っ端ながら探すしかないだろうね)


トランヴェルたちはミランダを探しに施設の中を探索することにした。


一方、ドラフたちは魔女研究所から運ばれてきた魔法障壁装置を見ていた。

それは魔法障壁装置の面影はなく、鉄屑のようだった。


ドラフ

「一部と聞いてましたが、もはや別物ですね」

「しかし、何故この部分だけ魔氷が行き届かなかったのか………」


取り出された魔法障壁装置は縦横高さが約3メーターほどの大きさだ。中には魔法粒子の貯蔵庫がある。アマミの予想では貯まった魔法粒子が魔氷を防いだと言う。


バース

「現在調べた結果では特にわかったことはありません」

「魔氷は魔法障壁や魔法粒子ですら凍らすものであるとわかってますので、貯蔵した魔法粒子が魔氷を防ぐことは可能性として低いです………」


ドラフ

「やはりたまたま魔氷が届かなかっただけなのか?」


バース

「後は、この貯蔵庫の素材が魔氷を防ぐ成分があるかどうかです」

「何でできているか今調査中です」


ドラフ

「他の部位と素材は同じだと思うが………この貯蔵庫だけ素材が違うなんてことはあるのだろうか?」


バース

「製造資料が無い以上調べるしかないです」


ドラフ

「どこかに資料は残しているはずだが………」


バース

「さすがに魔氷に飲まれたのでは?」


ドラフ

「それもそうか………」


クエリ

「ドラフさん、ペルー村の御神体にも行きますか?」


ドラフ

「ああ、明日にでも転送装置を使って向かおうか」


バース

「あそこは危険ですよ?よろしいのですか?」


ドラフ

「今さら危険なんて言ってられん。我々はすでに危険な状態なのだ」

「それに自分の目で確かめたいこともある」


クエリ

「私も同行しますドラフさん」


バース

「………わかりました」

「現在、クラフト国軍が調査に入ってますので、連絡しておきます」


ドラフ

「ありがとう」


ドラフとクエリは翌日、ペルー村の御神体へ向かうことにした………。


一方トランヴェルたちはミランダを探しに手分けして施設をうろうろしていた。


トランヴェル

(見当たらんな………)


トランヴェルの元にイヴが駆け寄ってくる。


トランヴェル

(いた?)


イヴ

「まだ見つけてません………」

「研究所の者に聞いてみましたが、軍のものはこの上の階の会議室にいるそうです」

「もしかしたらそこにいるかもしれません」

「しかし、会議室には軍の者でしか入れないそうです」


トランヴェル

(なるほど。場所さえわかればいいよ)

(あとは私が見に行く)


アイナ

「そっか!トランヴェルは皆に姿が見えないんだった」


トランヴェル

(そうそう)


イヴ

「お願いします。トランヴェル」


トランヴェル

(了解!)


トランヴェルは羽ばたき、上の階へと飛んでいく………。

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