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ラウル研究所3

バース

「どうぞお座り下さい」


村長

「どうも………」


ペルー村の村長と結界師サーべは椅子に腰を掛ける。


トランヴェル

(この人は確か………ペルー村の村長か?)

(隣の人は知らないや………)


ドラフ

「村長………お久しぶりです。私のこと覚えてますか?」


村長

「………」

「もしかして魔法研究所の研究長………?」


ドラフ

「そうです。研究員のドラフです」


村長

「そうだ!思い出しましたドラフさんだ!」

「たしかドラフさん行方不明になっていたのでは!?」


ドラフ

「そうですね………まあ色々ありましてね」

「それはさておき、村長よくご無事で!」


村長

「本当に生きて帰ってこれるとは思いませんでした………」

「もう死ぬかと思ってましたから………」


ドラフ

「お二方はどのようにして魔氷から逃れることができたのですか?」


村長

「我々は御神体に守られました」


ドラフ

「………」

「例の御神体ですか?」


村長

「そう………魔氷に襲われた時、我々は御神体の中に避難したのです」

「そしたら御神体様が魔氷から我々を救ってくれたのです!」


ドラフ

「………ほん」


ドラフはあまりにも宗教的で非現実な村長の話に戸惑っていた。御神体という存在が村長たちを救ったとは微塵たりとも考えていなかったのだ。


ドラフ

「詳しく聞かせて下さい。魔氷が来たとき、御神体の中へ避難したと聞きましたが、御神体の中まで魔氷は回ってこなかったというわけですか?」


村長

「いいえ。魔氷は御神体の中まで浸透してきました………。しかし、魔氷は奥にまで入ってこなかったのです」


ドラフ

「それは何故かわかります?」


村長

「何故って言われてもわからないですね………確かに何故魔氷が奥まで来なかったのか不思議です」


ノーズ

「何か結界とか貼っていなかったのか?」


サーべ

「結界は貼っていましたが、そもそも魔氷が届いてなかったのです」

「我々が立っていた場所は特に傾斜があるわけではなく、平坦な場所でしたが、何故かそこだけ魔氷はまわらなかったのです」


村長

「………御神体が我々を守ってくれたに違いない」


ドラフ

「………」

「もしやその場所は魔法障壁装置があった場所じゃないですか?」


村長

「魔法障壁装置………?」

「ああ………はい。そういえばそうだと思います」


クエリ

「魔法障壁装置………」


サーべ

「確かにあそこは元々魔法障壁装置があったな………」


ドラフ

「魔法障壁装置の部品とかそこに残っていましたか?」


村長

「部品………?」

「いや、魔法障壁装置と地面を繋いでいたパイプが残ってたぐらいですかね?」


ドラフ

「パイプかあ………パイプが魔氷を防げるとは思えん………」


ノーズ

「なるほど。やはり魔法障壁装置がキーなわけか」


ドラフ

「恐らくな」

「そこを調べれば何か分かるかもしれない」


村長

「魔法障壁装置に何かあるのですか?」


ドラフ

「まだわからないですが、もしかしたら魔氷を防げる何かがあったのかもしれないのです」


村長

「魔法障壁装置が………魔氷を防いだと?」


ドラフ

「あくまでも可能性の話です」


村長

「それが本当だとしたら、我々を救ったのは御神体様だけでなく、ガゼルさんにも助けられたかもしれませんな」


ドラフ

「………」


ノーズ

「ガゼル?誰だ?」


村長

「ガゼルさんは魔法障壁装置の開発者です」


ノーズ

「開発者か………」


村長

「我々は幾度もガゼルさんに助けられた」

「彼がこの村に来なければ、この村はとうに無くなっていた………」


トランヴェル

(ガゼル………カリアの父親)


サーべ

「魔法障壁装置は彼の化身とも言える。彼がこの村を守ってきたように、もしかしたら彼の化身が我々を救ってくれたかもしれない」


トランヴェル

(………)


トランヴェルは思い出す。ペルー村の事件のことを。

カリアを助けるためにガゼルはマベルの条件にのって、魔法障壁装置のバリアを解いたのだ。

元々ペルー村の周辺は魔物が多かったらしく、ペルー村の魔法障壁が解かれた瞬間、魔物たちはペルー村の人々を襲い出した。

ガゼルはペルー村のために多大な貢献をしてきたが、娘一人を助けるために村を脅威にさらしたのだ。

そして最期にはカリアとララを逃すためにドラフを食い止めようとして、ドラフの剣に突き刺さり亡くなった。


ドラフもガゼルの話で複雑な心境でいた。

ドラフにとってガゼルは元々研究所の上司であり、研究仲間であった。しかし、ドラフはガゼルを殺めてしまったのだ。彼はどこか心の痛みを感じていた。


バース

「それではもう一度御神体の中を調査しに行かなくてはなりませんね」


ドラフ

「そうだな………」


ピピピ………


バースの時計から音が聞こえてくる。


ノーズ

「早いな」

「30分経ってないだろ?」


バース

「あまり面会はさせてくれないみたいですね」


ドラフ

「まあよかろう………やるべきことはわかった」

「村長ありがとうございました」


村長

「いえいえ………こちらこそ」


村長とサーべはドラフたちに向かって一礼をし、部屋を出ていった………。


クエリ

「最後はルナ街の生存者二人ですね」


バース

「はい。生存者二人は親子とのことです」


トランヴェル

(親子………)


イヴ

(どうしましたトランヴェル?)


トランヴェル

(ルナ街の生存者だが、もしかしたら私が魔女にした子かもしれない)


イヴ

(え?)


トランヴェル

(そうとすると、その子は私の姿が見えるから、私を見ては指差すかもしれないな………ドラフたちに私がここにいることがバレてしまうかも………)

(ちょっと後ろに隠れるね)


イヴ

(なんと………ルナ街にトランヴェルが魔女にしたものがいるとは………)


ガチャ………


ドアが開く。


ドアからは二人の女性が姿を現す。


トランヴェル

(やっぱりそうか………)


二人の女性はミランダとその母コーネリアスであった。

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