ダフネス1
イヴ
「あそこは………ダフネスです」
「結界師の発祥の地です」
トランヴェル
(結界師………さっきムーンチャイルドにいた人たちのことか)
イヴ
「結界師は魔除けの術式が使えることで有名です。魔物たちの侵入を防げる術式を貼れることから、あらゆる国に重宝されています」
「結界師になるために世界中からこのダフネスに多くの人が訪れています」
トランヴェル
(へえ………さすがマザーコントロール。なんでも知ってるんだね)
イヴ
「この世界の管理者ですから、この世界のことなら知っています」
トランヴェル
(まだまだこの世界について聞きたいことがある。町に着いたら色々聞かせてくれ)
イヴ
「それは構いませんが、残念ながら大半のデータはインストールすることができませんでした。そのため、答えられない質問もあると思われます。ご了承下さい」
トランヴェル
(そうなのか……半分も失ってしまったのか)
イヴ
「あの時、重要な情報のインストールを優先していたのですが、間に合いませんでした」
「それにバックアップをいくつか保有していたのですが、既にあの龍に破壊していたようです」
「あの龍は私の存在を知っていました。どうやらあの龍はこの世界の者では無いようです」
トランヴェル
(この世界の者ではない?)
イヴ
「そうです。本来この世界の者はマザーコントロールを破壊することができないのです」
「しかし、あの龍はマザーコントロールを破壊することができた。間違いなくこの世界の者ではありません」
トランヴェル
(じゃああの龍はどこから来た奴なんだ?)
イヴ
「この世界の外の世界から来たと思われます」
「この世界を造ったユニたちがいる世界の誰かが、我々を攻撃してきたと想定します」
トランヴェル
(この世界の外………つまり宇宙ってことか?)
(それとももしかして私が元いた世界とか………)
イヴ
「宇宙では無いです。この世界とはまた違う世界となります」
トランヴェル
(外の世界ってどんなところなんだ?)
イヴ
「外の世界については知りません。我々はこの世界を管理するだけの役割しかありません。この世界以外のことは何もわからないのです」
トランヴェル
(そうか………)
(やはり、あの赤い龍から話を聞き出すしかないな)
(何とか捕まえられないものか………)
イヴ
「私も同じ事を考えていました。現状、捕縛は難しいと思われます。何かしら対策を練って捕まえたいところです」
「あの龍は恐らくまた我々を襲ってくるに違いないです。また出くわす機会がやってくるでしょう」
トランヴェル
(そうだな。次合う時は何とかして捕まえよう)
(とりあえず今はアイナたちを安静な場所に運ぼうか)
イヴ
「承知しました」
「話しているうちにもう到着ですね。ダフネスに着きました」
イヴたちはダフネスの町へ入る。
トランヴェル
(………なんか人気が無いな)
通りには誰一人もおらず、店も開いていない。
トランヴェル
(誰もいない………)
イヴ
「家の中に生体反応があります。恐らくムーンチャイルドで龍が出現したので家の中へ避難されていると思われます」
トランヴェル
(なるほど………どうしようか?)
イヴ
(宿屋も閉まってます。避難区域に行けば人に出会えるかと………少しここから遠いですが)
トランヴェル
(そこへ行こう)
イヴのデータから避難区域を探知し、町を出て山の麓まで歩いていく。
そこには大きな建物が聳え立っていた。
どうやらここが避難所のようだ。
イヴ
「結界が貼られてますね………中に入れそうに無いです」
トランヴェル
(どうする?)
イヴは避難所の門の前に立ち、大声で門の奥にいる憲兵へ話しかける。
イヴ
「ムーンチャイルドから逃げてきたものです!ここを開けて頂けませんか!」
トランヴェル
(………さすがに建物の中まで声は聞こえないのでは?)
イヴ
「いや………監視カメラがありますので、こちらに気づいているはずです」
ギイイイイ………
暫くして門が開いた………。
トランヴェル
(開いたぞ)
イヴ
「行きましょう」




