調査結果
ドラフは何度も結果を確認した。
何度も何度も違うサンプルで計測を行った……。
しかし、結果に変わりはない。
リリィの報告通り、ララの魔法粒子の濃度は約90%だった。
ドラフ
「この数値は……」
ドラフはあまりにも異常な数値に言葉が出ずにいた。
ドラフ
「この数値から推測すると……魔女である可能性は大いにあり得る……」
リリィ
「魔女……ですか?」
ドラフ
「この村の被害状況から察すれば人為的とは考えにくい」
「ガゼルさんが魔法障壁装置へ向かったのは恐らく18時~20時ごろ……我々がこの村に到着したのは1時ごろだ」
「わずか数時間で50体以上の魔物を皆殺しにするのは村の人間では不可能に近い」
「さらに魔物の死体からもかなり強力な魔法粒子がみられる…これは魔法使いの比じゃない」
「そして彼女から検出された魔法粒子の濃度が異常すぎる…」
「彼女が魔女と考えてもおかしくはない」
リリィ
「しかし研究長。ララは今までこのような魔法粒子は検出されていませんでした…」
「過去の診断も確認してみたのですが…彼女から魔法粒子が出た事例は無いです」
ドラフ
「では何故今回このような数値がでている!?」
「今まで彼女は隠し通してきた可能性もあるのではないか?」
リリィ
「……それはそうかもしれませんが………うーん………」
リリィは黙りこんでしまった。
ドラフ
「今夜……それを確かめるぞ」
リリィ
「え……」
ドラフ
「騎士団長を呼べ」
リリィ
「は……はい」
ドラフ
「それと私の研究室から魔女対抗具も持ってくるように指示を出せ!!」
「今すぐにだ!至急18時までにはよこせ!」
リリィ
「はい!」
リリィはドラフの声の変わりように驚いていた。
普段は冷静沈着で声をあげることのないドラフが、荒れているのだ。リリィは早急に魔方陣を呼び起こし、調査団本部へ連絡をとる。
ドラフ
(この機を逃してはならない……絶対にだ)
ドラフは自分の推理に確信を持っていた。全て証拠が揃ってるわけではないが、彼はララが魔女であることを既に見破りつつあった。
一方ララはベッドの上で横になっていた。
そして昨日の出来事を振り返っていた。
目の前で弟が殺され、父も失った。それから村のみんなも殺され、そして自ら魔女になり魔物を殲滅させた。
ララ
(どうしてこんなことに………)
先ほどまで枕を濡らし続けていたせいか、目元が真っ赤だった。
ララ
(そういえば昨日のフクロウは、一体何者だったんだろう)
(あれから一切姿を見せない………)
ララはベッドから体を起こし、頭を抱える。
ララ
(そういえば昨日、御神体にカリアのお父さんがいたな)
ララは魔物に襲われる前、御神体にカリアの父親がいたことを思い出した。
ララ
(カリアのお父さんはあの時何をしていたんだろう……)
(何かしていたようだけど………)
(ダメだ………色んなことがありすぎて、頭の整理が追い付かない)
(お父さん………サジ………お母さん………これから私はどうすればいいの?)
ララは再びベッドに横たわり、枕を抱き締める……。




