フンボルト3
ドラフたちは武器屋に入り、早速銃弾や爆薬を購入。
ノーズは新たに機関銃を購入し、武器を揃える。
ドラフは武器の他に機械部品を購入し、研究に使う道具を揃えていく。
クエリ
「………」
ドラフとノーズが黙々と品定めしている中、クエリとアイナはぽかーんと口を開けて立ち尽くしていた。
アイナ
「銃ばっかり………」
クエリ
「………そうね」
(本当に古い武器ばかりだ………)
(ここには剣も弓も売ってない………爆弾や銃器しかない)
トランヴェル
(………やはりこの世界は近代的なんだな)
(こういう銃器は私がいた世界にもたくさんあった。戦争や抗争でよく見かけたものだ………。兵士じゃなくても護身用に皆身に付けていたし………なんというかこうじっくり見るのが懐かしい)
(しかし、この世界じゃ銃器はもう時代遅れの武器………むしろ中世にあった剣や弓の方が主流ってのが驚きだ)
ノーズ
「よし………大体は揃えたか」
ドラフ
「そうだな………中々品揃えが良かったなこの店は」
ノーズ
「銃器や爆薬ならフンボルトが世界一だ」
クエリ
「これからどうします?」
ドラフ
「ふむ………。どこかで今後のことを話し合おうか」
ノーズ
「昨日の宿屋で思ったんだが………今更ながら我々の話は誰かに聞かれてはまずい」
ドラフ
「ふむ………」
ノーズ
「どこか人気の無いところが良いが………良さそうなところが思い付かない」
ドラフ
「一度宿に戻った方が良いかもしれんな」
「宿の一室で話をしようか」
クエリ
「そうですね………」
アイナ
「もしかしてまた列車に乗れるの?」
クエリ
「乗れるぞ!」
アイナ
「やった!」
ノーズ
「武器の他にも食料なども調達が必要だろうし、一度中央都市に戻ろう」
ドラフたち一行は店を出てまた列車に乗り込み、宿屋へ戻ることにした。
列車に揺られること30分。行きは元気だったアイナだが、帰りの列車ではぐっすりと寝ていた。
クエリ
「………」
(どうみても普通の女の子………魔女とは思えない)
アイナ
「………パパ」
クエリ
「………」
ノーズ
「次で降りるぞ」
クエリはアイナをポンポンと優しく叩いて起こし、
列車を降りた。
そしてドラフたちは昨日の宿にもう一度入り、
今後の動向について話し合うことにした。
ドラフ
「これからのことだが、一つ提案がある」
「竜を討伐するためには、やはりあの氷を何とかしなくてはならない」
ドラフの言う「あの氷」とは竜が倒れた後、竜から涌き出る氷の津波のことを指す。
ドラフ
「そこでだ。やはりあの氷を研究して対策しないことには我々は何もできない」
「一度あの氷をいくつか採取して研究して対策を練ろうと思う」
ノーズ
「あの氷を持ってどこかで研究するというのか?」
ドラフ
「そうだ。まずはその研究所へ行きたいと思っている」
クエリ
「研究所………ですか。どこかあてがあるのですか?」
ドラフ
「うむ。つい先程私の知り合いと連絡がやっと取れてな。そいつの研究所へ行こうかと思っている」
ノーズ
「そこはどこだ?」
ドラフ
「ブリジット大陸にあるクラフト国だ。そこに魔法研究所がある」
クエリ
「ブリジット大陸ですか………遠いですね。海を渡らないと………」
ドラフ
「私の知人がアルキメデスの港で船で出迎えてくれる予定だ。それに乗って研究所へ向かうつもりだが………皆はどうする?」
クエリ
「私は着いていきます………もちろんアイナも」
アイナ
「また遠くに行くの?」
クエリ
「うん。今度はブリジットの方へ」
ドラフ
「ノーズはどうする?」
ノーズ
「俺は行くあてが無い。一つ目的があるとすれば竜の討伐だ」
「だから俺も一緒に連れていけ」
ドラフ
「よし。決まりだな!」
「今から連絡して迎えに来てもらう。出発の準備をしていてくれ」
ノーズ
「了解した」
クエリ
「………」
クエリはノーズが付いてくることに不服そうだ。
ノーズ
「そう睨むな」
クエリ
「ふん………」
アイナ
「仲良く仲良く!」
アイナはノーズとクエリの間に入って、ひたすら仲良く仲良くと言い続ける。
行き先がブリジット大陸のクラフト国に決まり、明日はアルキメデスの港へ戻ることにした。
ドラフたちはフンボルト国の中央都市の周りで食事を取り、その後、隣町で食料等を調達した。
ノーズ
「また列車に乗って戻るか?」
ドラフ
「ここにも列車があるのか!?」
アイナ
「もう一回乗る!」
ドラフたちは列車に乗り、宿のある中央都市へ向かう。
ガタンゴトン………ガタンゴトン………
アイナはノーズの隣に座り、ノーズの銃器をまじまじと見る。
アイナ
「これ触っていい?」
アイナは銃器に手を伸ばす。
ノーズ
「ダメだ」
ノーズは銃器をアイナから遠ざける。
アイナ
「えー!?何で!?」
ノーズ
「この武器は俺だけのものだ。お前が触れる必要は無い」
アイナ
「何で何で!?触らせてよ!?」
ノーズ
「ダメだ。これは人を殺すためのものだ。お前が持つべきものではない」
アイナ
「………そうなの?」
ノーズ
「そうだ。これは人を傷つけることしかできない出来損ないだ。人の傷を癒す力があるお前には似合わない」
「これは俺みたいな古い人間がお似合いなのだ。次世代にはいらない代物。時代遅れの産物なんだ」
クエリ
「………」
アイナ
「そっかあ………」
アイナは残念そうだ。
ガタンゴトン………ガタンゴトン
列車は中央都市に到着する。ノーズたちは列車から降りる。




