魔女討伐9
ダリア
「ソフィア………!?」
倒れこんだソフィアを見てダリアは青ざめる………。
ダリア
(このままではまずい………こんなことが………)
(そ………そうだ………フンボルト軍を………あいつらを動かせば………!)
ダリアはフンボルト軍に指示を出し、ララたちの討伐を命じた!
ダリアの命令に従い、フンボルト軍がララたちへと立ち向かって行く!
イト
「!」
「いきなりフンボルト軍が押し寄せて来た!?」
カリア
「すごい数………!」
ダリア
(いくら何でもこの数なら奴らも捌ききれまい!)
フオオオオオオン!!
突然フンボルト軍が苦しみ始めた!
グオオオオオオオオ!?
フンボルト軍は次々と口から泡を吹いて倒れていく!
そして人間の姿から魔物の姿へと変わっていく!
ダリア
「な………なんだ!?」
ダリアの意図とは反してフンボルト軍の様態が変わっていく………!
魔物の姿から更に容姿が変わっていき、
最後にはドロドロに体が溶けて肉の塊になった………!
ダリア
「な………私の魔法が………溶けた!?」
ララ
「これは一体………?」
トランヴェル
(なんだ!?突然フンボルト軍がぐちゃぐちゃに………)
ダリア
「ま………まさか」
ダマ
「そのまさかだ」
男が一人、処刑台の上から姿を現す!
その男の片手には首だけのダマの姿があった。
ダリア
「ダマ!!」
トランヴェル
(………!)
ダマ
「まさかこの人形たちを使って何とかしようとするとはな」
「もともとこいつらはノーズの肉でできた怪物」
「貴様の術を解いてしまえば何てことない」
フンボルト軍の正体は魔物であるが、その大量の魔物たちはノーズの体から生まれてきたものだった。魔女信仰協会でララたちと戦い、朽ち果てたノーズの体は、ダリアによってバラバラに分裂させられ、その肉片から魔物を生成していたのだ。そしてダリアの魔術により魔物はフンボルト軍へと変貌した。
元々魔力の高いノーズから造られた兵士のため、魔力は勿論のこと、戦闘力も人間とは比べられないほど高い。
ダリアはその兵士たちをフンボルト軍に模してツクヨミ国へと放ったのだ。
ダリア
「どういうつもりだダマ!?」
「私たちに歯向かうつもりか!?」
ダマ
「歯向かう?勘違いするなよ?」
「我々はお前たちの配下ではない!」
「貴様ら魔女なんぞ初めから信用していない!」
ダリア
「ダマああああああ!」
ダマ
「膝まつけ!魔女よ!!」
ノーズは機関銃を構え、ダリアに銃弾を撃ち込んでいく!
ダリア
「ぐうう!?」
カローナ
(何この状況………どうして私たちが攻められてるの!?)
(魔女が人間に負ける?………あり得ない………そんなことはあり得ない!)
トランヴェル
(まさかダマまでこちら側にきてくれるとはな………)
(何故奴らが生きているのかわからないが………魔女と対立してくれるのは都合がいい)
カローナとダリアもボロボロになっていき、遂には膝をついてしまう。
カローナ
(くそ………!こんな………はずじゃ)
イト
「倒せる………」
イトはボソッと呟く。
サカ
「ああ………遂に魔女を討伐する日が来た………!」
ドラフ
「油断するな………奴らは腐っても魔女だ!何をしてくるかわからない………」
イト
「それでもこのまま長期戦に持ち込めば………行ける」
カリア
「………」
「あのソフィアって奴………全然立ち上がる気配が無いね」
ソフィアは倒れたまま、起き上がる気配が全く無い。
先程まで猛威を振るっていたが、一寸たりとも身動きがない。それはララたちにとって違和感であり、不気味さすら感じる。
ルイ
「奴だけは用心しないと………奴だけは何かヤバい」
ソフィアの様子に注目が集まる………。
サカ
「しかしやけに静かだな………」
イト
「………俺が斬ってみる」
ドラフ
「気を付けろイト………何か嫌な予感がする」
イトはソフィアに向かって走りだした!
ドラフは弾を銃に込める。
イトは剣を抜き、倒れているソフィアの背中に刃を突き刺す!
ガッ!!
イト
「………」
ピキッ………
イト
「………!」
確かにイトの刃はソフィアの体に突き刺したが、
イトは剣を通して違和感を感じた。
バキバキッ!!
イトの剣から片腕まで一瞬にして凍りついた!
イト
「な………!?」
ソフィア
「もういいや………」
いきなりソフィアが口を開けて話始める。
ソフィア
「もうこのゲームは飽きた………」
「人間たちを騙して国を統一させるはずが、これじゃああまりにも厳しい」
「リセットしましょう」
パキパキパキパキッ!!
イトの体が凍っていく!
イト
「!?」
ソフィア
「この世界を氷河に包みこみ、新たな世界を創りましょう」
ダリア
「ソ………ソフィア!?」
カローナ
「ま………待って!!」
ソフィア
「クロノ・ブレイク」
バキバキバキバキ!!
ソフィアの体から大量の氷が溢れだす!
イトはその氷に飲まれてしまい、またソフィアの周囲にいたダリアやカローナたちも氷に飲み込まれていく!
クエリ
「イト!!」
サカ
「クエリ!!離れろ!!」
ソフィアの体から生成された氷は津波のように大きく広がり、処刑台を徐々に凍り付けにしていく!
トランヴェル
(や………ヤバいぞ!?)
ララとカリアは魔法障壁を展開し、氷の津波を食い止める!
しかし、氷の進行は止まることなく、彼女たちの頭上を越えて広がっていく!
ダマ
「ノーズ!撤退だ!!走れ!!」
ノーズ
「………!」
「承知!!」
ノーズは処刑台から飛び降り、走って逃げていく!
ドラフ
「全員退避だ!馬車へ向かえ!!」
ドラフの合図とともに魔女狩隊やドラフの仲間たちが走り出す!
ルイ
「ララ!カリア!!早く!!」
ララとカリアは魔法障壁が凍り付けにされ、身動きできないでいた。
サラ
「ララ!カリア!!」
ララ
「早く逃げてサラ!」
サラ
「ララ!!」
ララ
「こっちに来ないで!!早く皆と一緒に逃げて!!」
サラ
「ララ………」
ララ
「私たちは大丈夫だから」
サラ
「………わかった!」
サラは駆け足でその場を離れる。
トランヴェル
(ララ!!カリア!!)
カリア
「ララ………まだ諦めないで!」
ララ
「勿論!」
ララとカリアは踏ん張って魔法障壁を展開し、防ごうとするが、徐々に魔法障壁が凍っていく!
ララ
「カリア………」
カリア
「ララ!?」
ララ
「ありがとう」
ララは魔法障壁とともに氷の渦の中へと飲み込まれ、凍りついてしまった!
カリア
「ララああああ!!」
カリアの魔法障壁もヒビが入り、今にも崩れそうだ。
カリア
(お父さん………私………頑張ったよね?)
カリアの魔法障壁が砕け散り、彼女も氷の津波へ流されていった。
トランヴェルはララたちのもとへ駆けつけていたが、間に合わなかった。
トランヴェル
(くっそおおおおお!!)
トランヴェルはやむを得ず、上空へと退避する!
トランヴェルが上空から地面を見下ろせば、氷の津波はソフィアがいた場所から360度大きく広がっていた!
そしてその津波は止まることなく、周りの建造物や森林を飲み込んでいく!
トランヴェル
(くそ!救えなかった………)
ドドドドドドド
津波は徐々にスピードがあがり、あっという間に処刑台を凍り付けにし、拡大していった………。




