魔女討伐4
トランヴェル
(………爆発音が近い)
トランヴェルは処刑台の近くまで来ていた。
トランヴェル
(………あれは)
トランヴェルの視線の先には蒼く光輝くララの姿があった。
ソフィア
「いきなり魔力が上昇した………何なの!?」
ララ
「魔力が溢れてくる………」
ララは両手から雷魔法を複数生成する!
その雷魔法はいつも以上に蒼く、そして強大な魔力が凝縮されていた!
トランヴェル
(あれはララか………あの姿はペルー村の時の)
ララは生成した魔法をソフィアに放つ!!
その魔法は稲妻を発しており、大地や周りの建造物を破壊しながらソフィアに向かって行った!
ソフィア
「!?」
ソフィアはとっさに魔法障壁を展開し、ララの魔法を受け止める!
バチバチ!!
ソフィアの魔法障壁が破壊された!
ソフィア
「これは人間が出せる魔力じゃない………」
「でもね」
ソフィアは両手から氷魔法を生成し、ララの雷魔法を氷漬けにしていく!
ピキピキピキピキ!!
ララの魔法は凍り、バキバキに砕かれてしまった!
ソフィア
「その程度では私に敵わな………」
ソフィアが気づいた時には既に無数の雷魔法が迫っていた!
ソフィア
「くッ!?」
ソフィアは雷魔法を両手で次々と凍らせていく!
ソフィアが雷魔法を対応しいる間にイトとサカはもう一度彼女の懐に入って斬り込みを入れていく!!
ソフィアの体に刃が触れるものの、弾かれてしまう!
彼女の体には強力な魔法障壁が貼られていたのだ!
イト
「まだまだあ!!」
イトは全魔力を剣先に集中し、ソフィアの体へ斬りかかる!
イトの刃はソフィアの障壁を破り、彼女の腹に突き刺さる!
ソフィア
「ツ!!」
ドドドドドド!!
ソフィアは体制を崩し、ララの雷魔法を捌ききれず、いくつか直撃を喰らう!
ソフィア
「痛ッ」
そして彼女は休む暇もなく、イトの刃によって体を切り刻まれていく!
さらにソフィアが体制を崩したところに、ララの雷魔法とルイの黒紫の魔法が襲う!
ソフィアはテレポートをし、彼女たちの攻撃をかわす!
そして遠方から氷柱を生成し、ララたちへ放つ!
カリア
「全魔力を集中すれば防げる!!」
カリアはララたちの前に立ち、分厚い魔法障壁を展開する!
ガガガガ!!
今度は魔法障壁が打ち破れることは無く、氷柱の衝突に耐えた!
カリア
「うう………」
カリアが耐えている間にララはもう一度強力な雷魔法を放つ!
ソフィア
「さすがに鬱陶しい………アイスウォール!!」
ソフィアは氷の壁を展開し、雷魔法を完全に防ぐ!
そして彼女は氷魔法を放ち、カリアの魔法障壁を破壊する!
ソフィア
「もう手加減は無しね!」
ソフィアは吹雪を起こした!
辺りは一変し、建造物はおろか、処刑台にいる民間人や兵士たちを氷漬けにしていく!!
ララたちトランヴェルの魔女たちも余りの寒さと吹雪で身動き一つ取れない………。視界も悪くなり、目を開けるのもやっとだ。
イト
(まずい!?どこにいる!?)
イトたちはソフィアの姿を見失う。
そして、どこからか氷柱があちこち飛んできては、氷魔法が襲いかかってくる!
カリアの魔法障壁はことごとく破壊され、彼女らはソフィアの魔法を次々と受けてしまう!
トランヴェル
(すごい吹雪!?皆は!?)
トランヴェルはララたちの戦闘を上空から見ていた。
しかし、あまりにも吹雪がひどく、戦局がわからない。
ルイ
「この!!」
ルイは吹雪に負けじと、身体中に蝶々を纏い、吹雪を防いでいく。
そして、巨大な黒紫の魔法を無作法に放っていき、吹雪をぶっ飛ばして視界をクリアにし、敵の所在を探す!
ルイ
「どこにいる!?」
ルイはソフィアを探すが、一向に見当たらない。
バシュウウウ!!
巨大な氷柱がルイに向かって飛んできた!
ルイはギリギリそれをかわす!
しかし、また前方から氷柱が複数飛んでやってきた!
ルイは魔法障壁で防ごうとしたが、簡単に破られ、身体中に突き刺さってしまう!
ルイ
「う………ぐ」
ルイは飛翔魔法が解けてしまい、地面へと落ちていく!
ルイが地面への墜落するタイミングに合わせ、彼女の頭にめがけて氷柱が飛んでくる!
カリア
「ルイ!?」
カリアは吹雪の中、急いで走りだし、落ちてきたルイを受け止める!
そして魔法障壁で氷柱を防いでいく!
ソフィア
「まだまだ体力はあるのね」
ソフィアは上空からカリアたちの様子を伺っていた。
ソフィア
「もう少し体力を減らさないと殺せないな」
ソフィアの手元には魔方陣が展開しており、この魔方陣を通して氷柱をカリアたちへ放っていた。
ソフィア
「それ!!」
ソフィアは氷柱を魔方陣から解き放っていく!
ガシャアガシャアガシャア!!
ソフィアが放った氷柱は全て破壊されていく!
イト
「見つけたぞ」
ソフィア
「!!」
ガシャアアアアアアアア!!
イトはソフィアの氷柱を全て叩き割り、背後にまわって、彼女の首を跳ねようとした!
しかし、ソフィアの魔法障壁で剣が弾かれた!
ソフィア
「こいつ………いつの間に!?」
イト
「うおら!」
イトは何度も何度もソフィアに斬りかかり、彼女の魔法障壁を破壊していく!
ソフィア
「いい加減に………」
ソフィアは氷柱をイトへ放つ!
イトはそれを避けてソフィアの右腕を切り落とす!
ソフィア
「………!?」
ソフィアは左手から氷魔法を生成しようとしたが、地上から雷魔法が猛スピードで彼女の左手を焼き焦がした!
ソフィア
「!!?」
カリア
「これも当たれ!!」
カリアは地上から魔法障壁を凝縮してソフィアに飛ばした!
見事ソフィアの片目に命中し、ソフィアが怯んだところをイトが追撃して切り刻む!
ソフィア
「がぽ………」
ソフィアの口から大量の血が吹き出した!
そのまま彼女は落ちて地面に衝突する!
カローナ
「ソ………ソフィア!?」
ピレネー
「ば………ばかな」
フオオオオオン!!!
突然フンボルト軍たちが叫びだす!!
コッホ
「な………なんだ!?」
サカ
「フンボルトの奴等の様子がおかしい………」
ダリア
「ま………まずい………魔法が………解ける」
フンボルト軍たちは次々と体が破裂していき、中からグロテスクな魔物たちが姿を現す!
サカ
「な………なんだこいつらは!?」
カリア
「ま………魔物!?」
フオオオオオン!!
フンボルト軍のほとんどが破裂していき、魔物と化していった。
ルイ
「こいつら………魔物だったのか」
トランヴェル
(………魔女たちはフンボルト軍を作ったと言っていたが、まさか魔物をベースにして生成していたのか!?)
ソフィア
「あらあら………」
血だらけのソフィアは立ち上がり、周りを見渡す。
ソフィア
「私の術が解けちゃったのね」
カローナ
「ソフィア………」
魔物たちは雄叫びをあげながら、周りにいる民間人や騎士団を襲い始める!
そして遠くから報道陣がその様子を撮影していた。
ソフィア
「フンボルト軍が魔物だったってバレちゃったね」
「人間どもには魔女の仕業でフンボルト軍が魔物と化したと言えば何とでもなるかしら」
カリア
「まさか魔物を素材にして軍を作っていただなんて………」
ソフィア
「魔物は沢山いるからねー………素材には便利だよ」
ソフィアの体が修復されていく。
そしてカローナとダリアも回復が追い付き、立ち上がる。
イト
「こいつら魔女は自己再生が厄介だな………」
「ララ!まだ戦えるか?」
ララ
「うん!」
ララは莫大な魔力で雷の塊を生成していく。
カローナ
「人間にここまでやられるなんて思ってもいなかったよ………」
ダリア
「ここでゲームを終わらせるわけにはいかない」
魔女たちがジリジリと迫ってくる。
カリア
「………このままじゃ」
ララ
「大丈夫」
カリア
「え?」
ララ
「私たちはこれまで何度も何度もピンチだったけれど………それを乗り越えてここまで生きてきた」
カリア
「ララ………」
イト
「その通りだ!ここで黙って死ぬつもりは無い!」
「ここで魔女を討伐し、俺たちは生き残るぞ!!」
ソフィア
「あははははは!!」
ソフィアは高らかに笑い声をあげる。
ソフィア
「あなたたちって本当に不思議な存在ね!」
「人間でもなければ魔女でもない」
「本当に殺すにはもったいないわ!!」
「でもね………このゲームもそろそろ終盤なの」
「ここでくたばるのは………貴女たちだよ!!」
ソフィアたち魔女とトランヴェルの魔女が衝突する。
そして周りでは魔物と騎士団の戦いが始まった。




