真実無き真実2
ダリア
「あら………ピレネー閣下」
サカ
「ピレネー………閣下!?」
イト
「ピレネー閣下は無事だったのか………しかし何故」
ガラウ
「我が国王………お久しぶりでございます」
ガラウとミドラスは椅子から立ち上がり、
ピレネーに向かって頭を下げる。
ピレネー
「よい………顔をあげろ」
ピレネーの許しを得てガラウたちは顔をあげる。
ピレネー
「魔女無くして我が国の発展は無かった」
「魔女によって我々は魔法を知り、そして人類全体を進化させることができた」
「そして我々にそれを授けたのは彼女たちなのだ」
イト
(何を………言っている?)
(この国は魔女によって栄えたと言うのか!?)
トランヴェル
(………この世界の魔法の発展は魔女のお陰ということか?)
ピレネーは立て続けに話をする。
ピレネー
「ダマ君………これは魔女のご加護なのだ」
ダマ
「ご加護?国王が魔女は神だと言うのか?」
ピレネー
「神とは違う。彼女たちは我々と対等に接し、我々に魔法という文化を伝授してくれたのだ」
「魔女たちは文明の進化が行き詰まった我々に魔法という文化を伝授し、我々の発展に力を貸した」
「そして彼女たちは見守った………我々の変化を」
「結果は見ての通り、我々の世界には魔法が普遍化し、我々に欠かせないものとなった」
「彼女たちの人類再興の願いが享受したのだ」
ダマ
「………」
トランヴェル
(魔法は………魔女から伝授されたもの?)
(でも………そうかもしれない)
(人間は初めから魔法は使えない。魔女から伝授したというのも納得できる)
(確かに魔女の魔法は絶大だし、比べて人間の魔法は魔女のそれに及ばない)
(人類に魔法は取って付けたもののように感じるし、やはりこの国王が言っていることは正しいかもしれない)
ダマ
「なら何故、今ツクヨミの民を皆殺しにしているのだ?」
「せっかく貴様らが長い時間をかけて魔法の文明を広め、人類が栄えたというのに、何故彼らを殺す?」
ピレネー
「革命だよ」
「我々人類は何百年も前に魔法を得たにも関わらず、いまだに魔法を十分に体得することができない」
ダマ
「だから殺すのか?」
ピレネー
「殺すのではない」
「試練を与えているのだ」
ダマ
「試練だと?」
ピレネー
「魔物に対抗するには魔力が必要なのだ」
「市民はおろか、国を護る騎士団ですらこのあり様だ」
「大きな災害無くして我々の絶大的な進化は無い」
カリア
「あの国王一体何を言っているの?まさかあの魔物たちは………」
トランヴェル
(まさか仕組まれたものなのか!?)
ピレネー
「現に魔力が足りない国民たちは魔物に対抗できずに死んでいった」
「しかしそれも必然」
「我々は来るべき戦いに備えて進化せねばならないのだ」
ダマ
「戦い?何かと戦うつもりか?」
ピレネー
「我々は近いうちに魔女と戦争することになる」
ダマ
「なんだと!?」
ピレネー
「我々人類が生き残るためには時間がないのだ」
「我々人類はいつもあらゆる困難を乗り越えて進化してきた」
「今までの発展は全て災害、戦争などの悲しみを乗り越えて強くなっていったのだ」
「だから我々は少しずつ魔物を投入し、人類に警告を出した」
「いずれ魔女と戦うためにも犠牲が必要だったのだ」
ララ
「狂ってる………こんな」
ララの感情が高ぶっていく………!
イト
「落ち着けララ」
ララ
「でもっ………」
イト
「俺も我慢するのに精一杯なんだ………」
イトは歯を食い縛り、手を強く握りしめたためか、手のひらから血が流れている。
サカ
「………」
ダマ
「魔女と戦うとはどういうことだ?」
「何故戦わなければならない?」
ダリア
「魔女はこの土地が欲しいんだよ」
ダマ
「欲しい?」
ダリア
「お前たちは知らないだろうけど、今魔女は増え続けているの」
「魔女のいる世界だけでは足りない………人間の土地が必要なのよ」
「厳密に言えばあなたたちを奴隷にしてこの地に住むつもりだわ」
ノーズ
「我々を………奴隷に?」
ダリア
「そう………魔女は別にあなたたちを殺そうが生かそうがどちらでもいいの」
「ただ無意味に殺生するのもよくないから、あなたたち人間を奴隷にするつもりなの」
ダマ
「なんだと!?」
ミドラス
「そう、だからこそ我々は抵抗しなければならない」
「魔女に言われるがまま奴隷になるつもりはない」
「我々はなんとしても生き残るために魔女に対抗する力が必要なのだ」
ダマ
「貴様ら………本気か?」
ガラウ
「本気も何も人類の存亡がかかっているのだ」
「もはや多くの犠牲者を出しても厭わない。我々人類が生き残るために必要な儀式なのだ」
ピレネー
「左様………これを機に世界は魔物に対抗するため力をつけるだろう」
「そのための魔物、そのための犠牲、全ては理に叶った人類の生存をかけた計画なのだよ」
イト
「………何が………理に叶ったものだよ」
「そんな理………認めてたまるかよ」
ララ
「それじゃあ………皆は国によって殺されたの………?」
「魔物に襲われたのではなく、彼らによって殺されたの?」
カリア
「こんなの………おかしい」
「これは………計画的な殺人じゃない!」
ミドラス
「ここにいる魔女たちは我々に力を貸してくれる」
「彼女たちは我々人類のことを思って協力してくれるのだ」
ダマ
「妙だな………」
ミドラス
「何がだ?」
ダマ
「本当に魔女が人類を奴隷にしようとしているのか?」
「貴様らはどこでその情報を得たというのだ?」
ガラウ
「魔女たちが我々に教えてくれた」
「彼女たちは魔女であるにも関わらず、人間を助けるべく、我々に協力してくれたのだ」
ダマ
「何故貴様らはその魔女の言うことを信じる?」
「騙されているのかもしれないのだぞ!?」
カローナ
「私たちが人間を騙すなら、人類に魔法など教えない」
「このように手を貸すことは無い」
ダマ
「違うな」
「我々人類に魔法を教えたのは他に目的があったからではないのか?」
「貴様らが我々人類を偵察がてらに接しているだけだとしたらどうする?」
「貴様らの行動が人類のために働いているという明確な証拠足るものはあるのか?私にはあるとは思えない」
「あまりにも出来すぎている。貴様らの話に信憑性はない」
???
「信じてくれないだなんて心外だわダマ」
ゴオオオオオ………
トランヴェル
(な………なんだ!?)
サカ
「なんだ………この冷気は………」
ララ
(………!?)
ララたちは突然背筋が凍る………。
カリア
(何……この重圧)
トランヴェル
(この感じ………マベルの時と一緒だ)
ゴゴゴゴゴゴ………
ダマ
「まさかこの声は………」
ダマたちの前に青い魔法陣が出現する。
中から一人の女性が現れた………!
女性
「久しぶりね皆」
その女性は青白いワンピースを来ており、瞳が青い………。その瞳は妖しく麗しく輝いていた………。
カローナ
「本当に久しぶりね………」
「ソフィア」




