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真実無き真実1

王宮の地下………。そこには指導者ミドラスとガラウが椅子に座り、何やら話をしていた。

トランヴェルたちはその様子を階段の上から窺っていた。


ミドラス

「外はどうだった?」


ガラウ

「市民はおろか王家の者や指導者たちも死に絶えたようだ」


ミドラス

「そろそろ彼女が戻ってくる時間だな」


突然ミドラスとガラウの前に魔方陣が出現する!

魔方陣からフンボルト軍のダリアが姿を現す。


イト

(あいつは………)


サカ

(フンボルト軍の総司令官のダリアだ………)


ミドラス

「ご苦労だったなダリア」


ダリア

「ふん………お前たちここで悠々と過ごしてたのか?」


ミドラス

「そんなわけないだろう?我々は我々でどうやって姿を眩ますかあれこれ大変だったのだ」


ダリア

「下らないわ………」


ガラウ

「それはそうとそろそろフンボルト軍を登場させる時間だろ?」


ダリア

「そうね………そろそろフィナーレの準備をしないと」

「お前たちにも手伝ってほしいところだ」


ガラウ

「祝杯の酒なら用意してやる」


ダリア

「ふん………酒しか用意できないのか」

「そもそも酒なんてものいらない………ただゲームとして進行できればいいのだ」

「やはり貴様らもこの国の指導者としてここで死んでみるか?」


ミドラス

「冗談はよせ………お前らだけでこの国を動かしていくことは難しいだろ?」

「ある程度、我々のような人間が必要なはずだ」


ダリア

「いい御身分ね。ソフィアのご加護がなければ、サクッと殺すところだ」


ガラウ

「そう恐ろしいことを言うなダリア、ここまで一緒にやってきた仲だろう?」


イト

(………)

(一体何の話をしてるんだ?)


サカ

(わからない………もはや突入して奴等の口から聞き出すしかない)


ララ

(待ってください………奥から誰か来ましたよ)


ガラウたちが会話しているところに、男女二人が現れた。

男は片手に生首を持っており、女性は背中から羽が生えていた。


ダリア

「おや………魔物の複製は終わったの?」


女性

「まあ、あれくらいで十分じゃない?ちょっと出しすぎたかも………」

「もしかしたら市民は誰も生き残らないかもねー」


ミドラス

「それでは困る」


ミドラスは険しい顔をしている………。


女性

「一人二人は生きてるんじゃないの?」


ガラウ

「やりすぎはよくないな………」

「でも地方では魔物の数を調整しているのだろ?」


女性

「多少ね」

「でもまあ、あの程度の魔物に滅ぼされるならあきらめもつくわ」


ダリア

「カローナそれは困るわ」

「わずかでも生き残りがいないと計画がパーよ」

「また一からやり直しになったら、私付き合い切れないわ」


カローナと呼ばれる女性

「そんなこと言われてもね」


ダリア

「私が頑張って人間どもに合わせてきたのに」

「それが水の泡になったらどうしてくれるわけ?」

「人間に合わせるのも大変なんだよ?」

「あいつら出来損ないの癖に態度だけはでかいし」


男性

「ふん………お前らも大した力は無いがな」


ダリア

「………もう一度言ってみろ人間」


生首の男

「やめろノーズ」


ノーズと呼ばれる男性

「ダマ様………」


カローナ

「生首の男は立場を理解しているようだけど、そちらの人間はちゃんと理解できてないのよね」

「しつけが足りないのよしつけが」


ダリア

「これだから人間は………」


イト

「………こいつら人間じゃないのか?」


サカ

「………」


カリア

「あの頭だけの男………もしかして」


トランヴェル

(まさかダマ!?)

(だとしたら、なぜあいつは生きている?あの時自害したはずだ………もしかしてフェイクだったのか?)

(そしてあの男。ノーズって言われてたな。ノーズって奴は魔物だったはず)

(何故人の姿をしているんだ?)


カローナ

「所詮はどこまでいっても人間」

「だから滅びても仕方がないわ」


ダマ

「そろそろ教えてくれ。何故貴様らはこんなことをする?」


ダリア

「それは内緒」


カローナ

「貴方が知ることじゃないわ。あんたはとにかく魔物を用意してくれればいいのよ」


ダマ

「人間を傘下に置きたいのか?」


カローナ

「さあね?」


ガラウ

「ダマよ……探りを入れても無駄だ」

「貴様には関係の無いことだ」


ダマ

「ふん………貴様ら指導者も腑抜けだな」

「所詮は魔女におんぶにだっこされているだけのことはある」


ガラウ

「腑抜け?それは心外だな。我々は我々で人類のことを想って色々やっているというのに」


ダマ

「何を言っている?どう見ても人類を絶滅させようと追い込んでいるだろう」

「貴様らは人類を滅ぼしたくて魔女と結託しているのか?」


ガラウ

「それは違う。我々は魔女と力を合わせて人類に新たな道を提示しようとしているだけだ」

「今の貴様には分かるまい。我々が今行っているのは人類を導くための崇高な計画」

「我々は数多くの犠牲を出しても人類が良くなるのであれば、それを厭わない」


ダマ

「どういう意味だ?」


ガラウ

「じきに分かる。今は黙って我々に協力すればいい」


ダマ

「……人類を良くするだと?」

「俺には魔女に滅ぼされる未来しか見えない」


ミドラス

「魔女は人類を滅ぼすのではない。人類を導いているのだ」


ダマ

「はあ?」


ミドラス

「これまで何度も魔女は我々に自由を与えてくれた」

「我々に魔法という概念を授け、我々がどのように進化していくのか見守って下さったのだ」


ピレネー

「その通り」


奥からピレネー元国王が姿を現す………!


ダマ

「!?」


イト

「おい……あれは」


サカ

「ピレネー閣下!?」


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