絶望の宴11
ポタポタ………。
それは誰の血だろうか………。
地面に血が広がっていく………。
イト
「………」
「おい………生きてるか?サカ」
イトは息を切らしながらサカに問いかける。
サカ
「………」
イト
「おい………サカ」
サカ
「………大丈夫だ」
サカは剣を支えに辛うじて立っている。
今すぐにでも倒れそうだ。
イト
「俺たち何体倒したんだ………」
「倒しても倒してもきりがない………」
「一体どこから湧いてくるんだ………」
たった二人で数百の魔物を駆逐した。
しかし魔物たちは絶えることもなく、次々と涌き出てくる。
フオオオオン………
イト
「………このままではキリがない」
「まずはここを全力で抜けて市内へ向かおう」
サカ
「………」
イト
「おい!サカ!!」
サカはいきなり体を崩し、横に倒れてしまう!
イト
「サカ!!」
イトは倒れたサカに駆け寄り、彼の体を揺する!
イト
「おい!!起きろ!!」
サカ
「………」
イト
「まだ死ぬには早いぞ!?」
ガアアアアア!!
魔物たちがイトたちへ襲いかかる!!
イトはサカを片手で担ぎ、魔物の攻撃を避ける!
イト
「く………」
(サカを掴んだままでは………さすがにまともに戦えない………)
(ここは王宮内に逃げるしかない!!)
イトは王宮へと走る!
ガアアアアア!!
王宮の中からも魔物が現れ、イトたちを襲う!
イト
(嘘だろ!?中の魔物もあんなに駆逐したのに!?)
(奴らはどこから涌き出てるんだ!?)
イトは逃げに逃げるが、しまいには魔物たちに囲まれてしまう!
イト
(………ぐ)
(万事休すか………)
魔物たちは雄叫びを次々とあげていく!
フオオオオン!
フオオオオン!!
魔物に囲まれたイトはサカを地面に下ろし、
魔方陣を出現させ、そこから剣を抜く………。
イト
「遂にこの時が来たか………」
イトは剣を構える………。
イト
(ここが………最後の戦………!)
フオオオオン………!!
魔物たちの雄叫びはどんどん大きくなり、ジリジリとイトに詰め寄っていく………!
ララ
「イトさん!!」
ララの雷が魔物たちを駆逐していく!
イト
「ララ!!」
カリア
「あぶない!!」
イトに向かって魔物が突進したところ、カリアがイトの前に割り込み、魔法障壁を展開した!
魔物は彼女の魔法障壁に触れて蒸発した!
イト
「す………すまない」
カリア
「怪我がすごい………早く治療しないと」
イト
「俺はまだ大丈夫だ………誰かサカに回復魔法を」
カリアはサカに回復魔法をかけていく。
ララ
「すごい魔物の数………さっきまでこんなにいなかったのに!?」
イト
「奴らはどこからか無限に涌き出てるみたいだ………キリがない」
カリア
「王宮の中へ避難しよう!」
カリアはサカを持ち上げ、王宮内へと向かう。
イト
「王宮の中も魔物だらけだぞ………」
イトとララも魔物を倒しながら、カリアの後を追う。
カリアは王宮へ入って奥へと進み、一室に入ってサカを降ろした。
カリア
「すごい傷……」
カリアは魔力を込めてサカの傷を癒していく。
イトとララも部屋に入り、魔法障壁を展開して魔物の侵入を防ぐ。
ララ
「イトさんも治療を」
ララはイトの体に手を触れて回復魔法を唱える。イトの傷もみるみる回復していく。
サカ
「………ごふッ」
カリア
「あ………目を覚ました」
サカ
「………俺は………生きてる?」
カリア
「生きてますね」
サカ
「お前は………」
ドンドンドン!!
部屋のドアを打ち破ろうと魔物が突進している。
ララ
「もう来た………」
カリア
「魔法障壁張ってるから大丈夫」
イト
「外はどうなってる………?」
イトはこの部屋のカーテンを少し開き、窓から外を見た。
フオオオオン………
イト
「相変わらずうじゃうじゃいやがる………」
「………ん?」
イトは外を見て自分の目を疑った………。
イト
「なんであいつがここに………?」
サカ
「………イトどうした?」
イト
「魔物の中に………ガラウがいる」
サカ
「ガラウ?………指導者の?」
外にはたくさん魔物がいるが、その中にガラウの姿がイトの目に映ったのだ。
不思議なことにガラウは魔物に襲われる気配がない。
イト
「なぜ奴は魔物に襲われない…?」
イトの隣にサカも座り、カーテンをめくって外を見た。
サカ
「本当だ………ガラウだ………」
ガラウは魔物をかき分け、王宮の下にある地下室の入り口へと入っていった。
サカ
「あいつ………なぜ地下へ」
イト
「おかしい……魔物は奴を認識してないのか?」
サカ
「………ガラウの後を追うか?」
イト
「そうだな。普段ならば奴と接したいとは思わないが、今すぐに聞きたいことがある」
サカ
「お陰で体力も戻ってきたし………行くなら今だな!」
ララ
「二人とも大丈夫ですか?」
イト
「問題ない………いつまでもここにいれないからな」
カリア
「そのガラウって奴の後を追うのね」
イト
「そうだ………奴だけ魔物に襲われなかったのはおかしい………突き止めなければならない」
ララ
「このまま魔法障壁を張ったまま外に行きましょう」
イト
「よしこの窓から外へ321で行くぞ………いいな?」
サカ
「わかった」
イト
「3………2………1」
「行くぞ!!」
イトは窓ガラスを割り外へと飛び降りる!
サカたちもイトに続く!
イトたちはそのまま地下室へ入った。
イトは地下室に足を踏み入れ、辺りを見渡す。
イト
「誰もいない………」
サカ
「ガラウはどこへ行った………?」
カリア
「隠し扉とかあるんじゃない?」
イトたちは部屋を調べるが、何も見当たらない。
カリア
「本当にここに入っていったの?」
イト
「ああ………間違いない」
サカ
「イト………」
イト
「どうした?」
サカ
「見つけた………」
サカは上を見上げ、天井を指差す。
天井に一ヶ所開閉できるブロックがあった。
サカ
「多分あれだ」
ララ
「ここに変なボタンがあるんだけど」
ララは部屋にある大きな壁画にボタンがあることに気づく。
ララがボタンを押すと、先程の天井のブロックが開き、中からはしごが出てきた。
イト
「なんてチープな………」
ララ
「ここを上ればいいのね」
イト
「よし………俺がまず上がる」
イトははしごに手をかけ、上へと昇る。
続いてサカ、ララ、カリアの順番で昇っていく。
イト
「長いな………どこまで昇るんだ」
サカ
「こんな仕掛けがあるなんて知らなかった」
ララ
「そろそろ辛くなってきた………」
カリア
「ララ………」
ララ
「ん?」
カリア
「結構派手なパンツはいてるんだね」
ララ
「バカ!?見るなああああ」
イト
「後ろが騒がしいな」
サカ
「俺も後ろに回ればよかった………」
ララ
「なんか言いました?」
サカ
「いや………何も」
はしごで昇るとこ10分ぐらいして、やっと出口が見えてきた。
イト
「お!やっと到着か?」
昇った先には広い通路があった。
イト
「まだまだ先があるな………」
通路を進んだ先には螺旋状の階段が見えてきた。
イト
「またでかい階段だな」
階段は下へと続いており、下に行けば行くほど暗くなっていく。
コオオオオ………
空洞の音が響きわたる………。
カツーン………カツーン
イトたちは一段一段階段を降りていく………。
階段を降りていく途中でイトたちは気づく………
階段の下にガラウとミドラスがいることを。
階段の下には広い空間が広がっており、そこにガラウとミドラスが椅子に座っていたのだ。
イト
「………止まれ」
サカ
「………ミドラスがいる」
イト
「ガラウも隣にいるな………何をしてるんだあいつら」
ララ
「………足音を消してもう少し近づいてみましょう」
イトたちは極力近づき、上からガラウとミドラスの様子を窺うことにした………。




