絶望の宴7
被害が拡大していく………。
ツクヨミ国全地域で大勢の魔物が発生し、騎士団もフンボルト軍も対応しきれないでいた。
王宮も国会も魔物の襲撃を受けたため、国の中心部が機能せず、国全体で大混乱となっていた。
王宮では指導者たちが次々と補食されていた。
サカとイトは魔物たちの進行を止めようと奮戦するものの、あまりにも魔物の多さに防衛しきれず、魔物たちの進行を許してしまう。
サカもイトもどう対処すればいいのか、わからずにいた。
サカ
「落ち着け………」
サカは目の前にいる魔物たちに集中し、戦いに身を投じる。
サカ
(まずは国王の安全が第一だ!)
サカは通路にひしめいている魔物を葬り去りながら王室へと駆けだす!
サカ
(もしかしたら既に国王は地下へ避難されているかもしれない)
サカは魔物の返り血を浴びながら通路を進んでいき、王室の前にたどり着く。
すでに王室のドアは破壊されており、魔物が侵入した形跡があった。
サカ
(遅かったか………)
サカは王室へ入り、さらに部屋の奥にある避難通路に足を踏み入れる。
オオオオオオオ………
地下道から物音が聞こえてくる………。
サカは地下へと続く階段を駆け下りていく!
下へ進めば進むほど周りが暗くなっていく。
サカは地下室へとたどり着くと、すでに地下室のドアも打ち破られていた。
サカ
「くそ………!」
彼は地下室へと入るが、彼の目に入ったのは、魔物に補食されている近衛兵の姿だった。
サカ
「うおお!!」
サカは魔物たちの首を次々と跳ねていく!
辺りを見渡すが、そこには生存者はおらず、死体だらけであった………。
その中には指導者と王家のものも混じっており、顔がぐちゃぐちゃで誰が誰なのかわからない………。
サカ
「この装飾品………まさか」
それはツクヨミ国代々受け継がれている指輪と腕輪であった……。
サカ
「ゲッカ国王……」
血まみれになった装飾品は国王の死を意味していた。
サカは頭が真っ白となり、その場で立ち尽くす………。
サカ
「………終わりだ」
サカは王家の者を守れなかったことに絶望を感じていた……。
フオオオオン!!
地下室の近くから魔物の声が聞こえてくる!
そして足音がこちらへどんどん近づいてくる!!
魔物A
「お………?」
魔物が数匹、地下室に入ってきた。
魔物B
「ここにも一人いるぞ」
魔物たちはサカへ近づく。
魔物A
「残念だったな………俺たちからは逃れないぜ?」
サカ
「………」
魔物A
「あん?聞こえてんのか?」
魔物B
「こいつブルってるんじゃね?」
魔物C
「おい見ろよ!こいつの顔!!」
「呆然としてるぜ」
魔物たちはガハハと笑い、サカをじろじろ見渡す。
魔物
「どうした人間!怖じ気ついて動けないのか?」
サカ
「………」
「やるならやれ」
魔物
「んー?」
サカ
「俺にはもう生きる資格がない」
国王を失ったことにより、サカは戦意を喪失していた。
彼はあきらめの境地に立っており、この場で命を落としたいと考えていた。
魔物A
「張り合いの無い奴だなあ………」
魔物は指の爪を尖らせる………。
魔物A
「さっさと死にさらせ!!」
ガスッ!!
魔物A
「………」
ボトン………
サカに牙を向けた魔物の首が地面に落ちた………。
イト
「サカ!!死ぬな!!」
後ろからイトの声が聞こえてくる!
魔物たちが振り向くと、次の瞬間には頭が跳ねられていた!
ボトボトボト!
魔物たちの首が地面に落ちていく!
イト
「おいサカ!!しっかりしろ!!」
イトは放心状態のサカの肩を両手で掴み、彼の体を強く揺さぶる。
サカ
「………イト」
「俺たちはもう………生きる資格を失った」
イト
「何を言ってるんだ!?」
サカ
「国王が………死んだ」
イト
「………!?」
サカ
「国王だけじゃない………王家の者も指導者も皆殺された」
「俺たちは誰一人護れなかったんだ」
イト
「サカ!!」
イトは大声をあげ、サカと面と向かって叫ぶ!
イト
「いいかサカ!!俺たちはまだ死ぬことは許されない!」
「まだ外には助けなくてはならない市民たちが沢山いるんだ!!」
「ここで戦うことをやめてどうする!?」
サカ
「………」
「お前は………国王が死んで何とも思わないのか………?」
イト
「バカ野郎!!」
「俺たちにはまだやるべきことがあるって言ってるだろう!!俺たちは魔女狩隊であって騎士団の一員だ!!」
「王家を護るだけの存在ではない!!国民を………国を護るのが俺たちの使命だ!!」
「ここで投げ出してどうする?貴様は王家だけでなく、国民すら見捨てるというのか!?」
サカ
「………ッ!?」
ガアアアアア!!
再び魔物たちが地下室へ入ってきた!
イト
「サカ!俺は行くぞ!!」
イトは地下室へ入って来る魔物たちを葬り去り、そして地下室から外へ出ていった……。
サカ
「………」
(国王………)
イトは階段を駆け登り、地下から地上へと出る!
そこには先程より大勢の魔物たちがひしめいていた………。
魔物たちはイトに気付き、次々と襲いかかっていく!
イト
「うおおおおおおおお!!」
イトは魔力を高め、魔物たちを蹴散らしていく………!
ガアアアアア!!
倒しても倒しても魔物たちは涌き出てくる。
イト
「ッ!!」
イトは魔物にタックルされ、壁に叩きつけられる!
魔物たちがイトを補食しようと次から次へと襲い掛かる!
イトは負けじと剣で凪ぎ払い、魔物たちへ剣を突き刺していく!
数百いた魔物たちは粉々になり、それを見た魔物たちはイトから一歩後退し、たじろぐ………。
イトはぼろぼろになった剣を投げ捨て、魔方陣から新しい剣を取り出す………!
このわずか数十分で魔物たちを千体ほど駆逐した。しかし、彼の体力、魔力ともに限界が来ていた。
これ以上の戦いはいくらイトでも対処しきれない。
魔物たちはジリジリと少しずつ前へ踏み出し、イトへプレッシャーをかけていく………。
イト
「………ッ!」
ガブ!!
イトが一瞬隙を見せた瞬間、魔物が噛みついてきた!!
ガッ!!
イトは魔物を押し返し体勢を立て直すが、他の魔物がイトの足に噛みつく!!
イト
「ぐあああ!?」
イトは無理矢理魔物たちを力ずくで追い払う!
イト
「はあ………はあ………」
(くそ………情けない………目眩が………)
再び魔物たちが一斉にイトへ襲いかかる!
イト
(ここまでか………)
ガッ!!
イトを襲った魔物たちが真っ二つになる!
サカ
「イト………すまない。遅れた」
イト
「………サカ!」
「遅いな………寝てるのかと思ってたぜ」
サカ
「おかげさまで目が覚めた。お前の言うようにまだ俺は国のために戦える…!」
イト
「そうだサカ。俺たちはまだこんなところでくたばるわけにはいかない」
「俺たちは魔女狩隊だ!!最後の最後まで国のために戦うのが俺たちの使命!!」
「行くぞサカ!!」
ガアアアアア!!
また魔物たちがイトとサカを襲う!!
そしてイトとサカは力を振り絞って魔物と戦っていく!!




