絶望の宴4
ドドド………
何かが廊下を通リ過ぎていく………。
ぐちゃぐちゃ………
生々しい音が聞こえる………。
ミンカ
「もう………嫌だ………」
少々は一人ロッカーの中で絶望の淵に立たされていた………。
ミンカ
(怖い………怖い)
ぐちゃぐちゃ………
魔物たちは生徒たちを補食し、次の獲物を探しに歩いていく………。
ドタドタドタ………
足音が遠退いて行く………。
ミンカ
(………どこか行った………かな?)
ミンカは恐る恐るロッカーを開ける………。
ミンカ
(………)
ミンカは周りを見渡し、魔物がいないことを確認してロッカーから出た。
ミンカ
(一階に行くしかない……)
ミンカは階段へと進んでいくが………、
「ううう………」
うなり声がどこからか聞こえてくる………。
ミンカは足が震え、恐る恐る前に進んでいく………。
ミンカ
「姿は見えないけど………何かいる………」
ミンカが階段の下を覗こうとした瞬間、
上の階から魔物が飛び降りて来た!
ガッ!!
ミンカ
「!」
ミンカは魔物の足にねじ伏せられた!
彼女は唐突な出来事に反応できず、何が起きたのか把握しきれていない………。
魔物
「みーつけた!」
魔物は嬉しそうにミンカを見つめて笑みを浮かべる………。
ミンカは何とか逃げ出そうと抵抗するものの、微塵たりとも動けない!
ミンカ
「んー!んー!!」
ミンカはもう一度じたばたするものの、魔物に完全にねじ伏せられており、抜け出せそうにない。
バリバリ!!
魔物は足でミンカの体を引き裂き、彼女の臓器を取り出そうとする………!
ガッ!!
横から雷魔法が魔物に当たり、魔物は一瞬にして塵となった!
ララ
「大丈夫!?」
ララはミンカに近づき、様子を窺う。
ミンカ
「………あ………ぐ」
ミンカの腹は引き裂かれており、彼女は死ぬ寸前だった………。
ララ
「死なせない!!」
ララはミンカの腹に回復魔法をかけ、彼女の救出を試みる!
ミンカの体はみるみる修復され、あっという間に引き裂かれた腹は元通りの状態へと戻った。
ララ
「はあ………はあ………」
「生きてる?」
ミンカ
「………ごほッ」
ミンカは咳をしているものの、どうやら生きているようだ。
ララ
「回復が間に合った………」
ミンカ
「うう………寒い………」
ララ
「寒いの?」
ララは上着をミンカに着させ、彼女を横に寝かせる。
ミンカはぶるぶる震え、辛そうだ。
フオオオオン!
「嫌だあああ!!」
また上の階から物音と悲鳴が聞こえてきた。
ララ
(悲鳴………!まだ生存者がいる!)
ララはミンカを担ぎ上げ、悲鳴が聞こえる方へと向かう!
悲鳴の先には少女が二人、魔物に襲われていた。
周りは血のにおいが円満し………死体だらけだ………。
彼女たちは死体の山をかき分け、出口へと必死に向かう………。
しかし、振り向けば後ろからは魔物が押し寄せてきているのだ!
ナタリー
「もう………ダメ………走れない」
アイナ
「ナタリー!諦めないでほら!」
アイナとナタリーは必死に魔物から逃げるものの、体力に限界が来ていた。
ナタリー
「はっ………はっ………」
ナタリーは足を止めてしまい、彼女と手を繋いでいたアイナも進行を妨げられてしまう………。
アイナ
「ナタリー!早く!!」
ナタリー
「………」
ナタリーは後ろを振り向く………。
もう目と鼻の先まで魔物は来ていた!
ナタリー
「いやあああああ!助けて!!」
ナタリーは錯乱状態になり、アイナの手を離し、しどろもどろに走り出す!
その後ろに魔物が追いかけていく!
そして遂にナタリーは魔物に押し倒されてしまう!
アイナ
「な………ナタリー!」
アイナは近くにあった消火器で魔物の頭部をたたく!
魔物
「うるせえガキだ!てめえから食ってやる!」
魔物がアイナに触れようとした瞬間、アイナの帽子から魔法障壁が展開し、魔物の手を弾く!
魔物
「何!?」
アイナ
「ナタリー!!」
アイナはナタリーの手をとって、逃げようと試みる!
しかしナタリーは起き上がらない!
アイナ
「ナタリー!立って!!」
ナタリー
「だめ………置いてかないで!!」
アイナ
「ナタリー早く!………あ」
ドン!!
アイナは後ろにいた魔物に殴られ、床に叩きつけられた!
魔物
「このクソガキ!」
魔物は恐ろしい形相に変わり、両手でアイナの首を締める!
アイナ
「………な………たり」
アイナはナタリーに向かって言葉を発する。
アイナ
「な………たり………にげ」
ググ!!
魔物はさらに力強くアイナの首を締めた!
アイナ
「………!?」
ナタリー
「ああ………いや!?」
他の魔物がナタリーに近づき、補食しようと大きな口を開ける!
魔物
「いただきまあす!」
魔物の牙がナタリーの顔を突き刺そうとした時、稲妻が魔物の顔を焼き焦がす!
魔物
「ぐああああ!?」
もう一撃電撃がアイナの首を絞めていた魔物にヒットする!
魔物
「ぐう!?なんだ!?後ろか!?」
他の魔物たちが後ろを振り向いた瞬間、電撃を纏ったララがこちらに向かって走ってくる!
ララ
「このッ!!」
ララは雷を2、3発放ち、魔物たちを一掃する!
ララ
「大丈夫!?」
ララはアイナに駆け寄り、回復魔法を唱える!
アイナは瀕死であったが、なんとかララの回復魔法が間に合い、一命をとりとめた。
アイナ
「ごふッ………ごふッ………」
ララ
「もう大丈夫だよ」
ララはアイナを担ぎ上げ、ナタリーの方へ向かう。
ナタリーはその場で座り込み、震えていた。
あまりの恐怖に動けなくなってしまったようだ………。
ララ
「あなたも怪我は無い?」
ナタリー
「………」
ナタリーはララにも顔を向けることができず、その場でうずくまってしまった………。
ララ
(3人一緒に持ち上げられるかな?)
ララはアイナを背中に背負い、ナタリーとミンカを担ぎ上げた。
ララ
(さすがに歩きづらい………)
(魔法で何とかならないかな………)
ララは魔力を体内に流す。
すると、ララはアイナたちを軽々持ち上げることができるようになった。
ララ
(………軽い)
(これなら運べそう)
ララはアイナたちを担ぎ、学校の出口へと向かって行った。




