"いつか"は来ない
「またいつか。」そう誰かが言った。
だけど、その"いつか"は来ないのだ。
何日待っても、何ヶ月待っても、何十年待っても来ない。
ただただ、虚しくなるその言葉を何度も繰り返す。
そして私もまた、来るはずのないその日に向かって、
「またいつか」を繰り返す。
誰もが私に、私以外の他人にも
"いつか"そう思うようになるよ。
"いつか"幸せになれるよ。
"いつか"平和になるときが来るよ。
だなんて平然と言う。
本当にそうなのだろうか?
何故そんな事思えるのだろうか?
その"いつか"はいつ来るのだろうか。
否、そんな日は来ない。
人は毎日変わっていく。昔のまま変わらないなんてことはない。
社会が変わっていくように、人もその変化に合わせて変わっていく。
そんな変わっていく世界に、変わっていく自分にいつかなんて無い。
そういう突飛な戯言が無駄なお荷物になるだけだ。
「またいつか」と言われて曖昧に返事を返す。
それは、その"いつか"が来ないとわかっているからだろう。
「いつかなんてないよ。」
そうどこかから誰かが言った。
わかっている。
だけれど、そんな事を思いながらも今日も虚ろに日々を過ごすのだ。
……来るはずのない"いつか"に期待を乗せて。