サプライズ誕生日〜効きすぎたスパイス〜
皆さんは誘拐や拉致、監禁された事はあるだろうか?
まあ、ほとんどの人が無いって言うだろう。
誘拐などのターゲットのほとんどが女性や子供などで成人となった男性が被害に遭う事などまずないといって大丈夫だろう。
俺、城塚武は今日誕生日を迎える三十歳を迎える男で勿論誘拐などには無縁だった。
しかし、今日朝起きて仕事に向かおうと家を出た瞬間何者かに口元を押さえられた。
その後の記憶はなく、目を覚ます頃には既に監禁されていた。
家具と言えるようなものは何一つない部屋はひと一人には明らかに広すぎる所だった。
ここまできて分かるのは俺が何者かに拉致された事、頬をつねってみてもそれ相応の痛みが返ってきたので現実だと認識する。
もしかして誰かに恨まれていたのだろうか…?と思い自分の人間関係を思い出す。
特に誰かに嫌われるような事はした記憶は無いが、いつの間にか誰かの恨みを買っていたかもしれない…
珍しく脳をフル回転させていると天井にある埋め込み型のスピーカーから声が聞こえてきた。
「おはよう城塚君、よく眠れたかね?」
少し老いを感じさせる男の声。このタイミングでこんな声が聞こえるという事はこっちの行動はあちらに筒抜けという事でいいだろう。
「冷たい床で寝心地は最悪でしたよ、聞きたい事が沢山あるんですが大丈夫ですか?」
「ふむ、いいだろう」
「まず自分を拉致した理由を聞いていいですか?」
「ほう、ここはどこだとかお前は誰だとかの質問をすると思ってたんだが意外だな」
「それも聞きたいですけど簡単に答えてくれるとは思えないんでまずは相手の目的から聞こうかと」
「話が早くて助かるよ、それに関しては別の者がいるからそいつに聞いてくれ。」
そう言うとスピーカーからブツっと音が途切れるような音が聞こえた。部屋の感じの時点で予想はしてたが思ったよりも大きな組織なのかもしれない。
すると部屋にただ一つある扉から電子音が聞こえて扉が開いた。
現れたのは女性が二人、一人は白衣を着た長い髪の女性。もう一人は学生服を着た女の子、髪を後ろに束ねており活発そうな印象を抱いた。
「こんにちは城塚くん、私は初沢加代。そして隣の明らかに女子高生の彼女は矢間蓮よ。よろしくね」
「勝手に人の名前教えんなよ!」
白衣の女性…初沢さんは好印象を抱きそうな笑顔で簡単に自己紹介をした。それに対し矢間という子は不機嫌な様子だ。
部屋の中には二人以外に誰も入ってくる様子がなく、後ろの扉も開いたままだった。
「女の子二人だけなんて不用心ですね、後ろの扉から簡単に逃げられますよ」
監禁されたお返し感覚で少し皮肉を言った。仮にこの二人を力でねじ伏せたて扉を出たとしても扉から後は絶対に逃げれるという保証もない為逃げるつもりはない。
すると初沢さんは一瞬キョトンとしたがすぐにニヤニヤしだした。
「ふふっ、ご忠告ありがとう。でも蓮ちゃんがいる時点であなたは逃げられないと思った方がいいわよ」
どういう意味なんだろうか、蓮ちゃんこと矢間という子はどこからどう見ても普通の女子高生。頑張れば簡単に抑え込まそうだ。
その時に彼女の左手に不釣り合いなものがあるのに気が付いた。
それは機械感のある黒色のアタッシュケースで妙に細長かった。
「蓮ちゃんはねあなたと同じ結構前に私達が一旦拉致して今は一緒に働いてもらってるのよ」
「は?」
彼女は過去の被害者だったようだ。しかし何故その彼女が加害者側に回っているのだろうか…?
「さて、城塚武君!お望み通り早速本題に入るけど…」
色々考えているとどうやらこの組織の目的を話してくれるようだ。
「城塚君!世界、救ってみない?」
「はぁ?」
俺はまだ夢を見ているようだ。
初めまして炭酸@飲料です。
今回は読んでいただきありがとうございました。
小説を書くのは初めてなんですがどうでしょうか?
テーマとしては「三十歳まで童貞だと魔法使いになる」を意識して書いてます。
ギャグ強めのバトル物を書きたいと考えてますがまだ未定な部分が多いので私も先の展開が読めてませんが付き合って頂けるとありがたいです。
まだまだ至らぬ点が多い私ですがよろしくお願いしますm(_ _)m