エドワード海賊団を駆逐せよ -最終回-
最終回ですが、シリーズ的には終わりじゃないですよ。
「な...なんだ!?なんなんだ!?」
海のど真ん中、岩もなければ敵もいない。そんな海のど真ん中でいきなり木っ端微塵になった後方の船を見て、船団の提督、エドワード・テイティは混乱した。
あたりを見回すが、肉眼で捕えられる範囲に、敵もいない。
「何が起こったんだ!?」
「提督!」
「なんだっ!?」
「奥の方にゴマのような何かが見えます! 恐らく船かなにかではないかと思われます!」
「バカ言うな! そんなゴマみたいなようにしか見えないところから魔法が届くわけがなかろうが!」
ドウン。
提督が言葉を言い終えたとほぼ同時に、またしても後方にあった船が吹き飛んだ。
「クソッ!なんなんだよ!」
「やはりあのゴマが原因です! あのゴマから何かが飛んできて、船に当たっています! 」
「どんな魔法だよ!?有り得ない...なす術なしなのか!?」
「残念ながら...こちらから近づいて攻撃する他ないかと...」
「クソが...舵を切れ!我々、最強のエドワード海賊団の力を見せつけてやるのだ!」
船団はその号令ひとつで舵を切り、反転する。
「全速前進ッ!」
船は大きな風の力を得て、敵船に向かって進む。
進んでいる間にも、いくつかの船が沈んでいく。
最終的敵船が魔法の射程範囲内にまで入るまでに十分以上かかり、50あった船も10あるかないかと言った所。
「遠くから見ていた分には、小さかったのに...ここまで来てみるとすごい大きさだ...」
自らの船を比較してみても、そのふた周りは大きいであろう敵船を見て、提督の隣にいた乗組員が言った。
「見かけだけだ!我々より強いなど有り得ないのだ! こうやって奇襲しないと勝てないのなられるきっと船の耐久性は非常に悪いはずだ」
そう言っている間にも、提督の船の隣にあった船が粉砕された。
「クソがぁあああ!!!駆逐してやれぇええ!」
エドワード海賊団は大きな火の塊を作り、敵船に放った。
「これでどんな船でも消し炭にっ....な...何故だ...」
火をまともに食らったはずの敵船は、吹き飛ぶどころか焦げ目の一つも見当たらない。
「提督! 金属の船です! 火は効かないようです!」
「馬鹿なことを言うな! 金属が水に浮くわけないだろうが!もう一度撃て! さっきのは当たりどころが悪かっただけだ! 」
もう一度火の玉を敵船にぶつけるが、結果は変わらず、かすり傷すらもつかなかった。
「クソックソクソクソォオオオオオ!!!」
提督の叫びも虚しく、エドワード海賊団は全滅した。
謎の海賊によって。
ーーーーーーーーーー
「センチョー! どんどん船が沈みます!」
「おう。仇討ちができて良かった」
「って船長! こっちきます!」
「なんだって!?全部打ち砕け!」
「りょーかい!」
クレバー海賊団の乗った船が、大きな大砲を敵船に向けて放つ。その弾丸は殆ど外れることなく敵船にぶつかって、敵船は積み木だったかのように崩れる。
十数分大砲を打ち続けただけで、敵船はその数を5分の1にまで減少した。
「天下のエドワード大船団も今ではただの船団だな!」
「ははっ!その通りですセンチョー!」
そう言っている間にも敵船は近づいて来る。
そしてその内、敵船は大きな火の玉を作り始める。
「って! センチョー!?前の船...さっき壊された船が木っ端微塵にされたあの火の玉が来ます!」
「なに!?っさすがにやばいんじゃないか!?避けられるか?」
「無理です!近すぎます! あ! 来ます!」
「ふ、伏せろ!」
船長と猫耳乗組員は頭を抱えて伏せる。
火の玉は船体にぶつかったが、船が多少揺れただけで、何も起こらない。
「こ...これはすごい...」
「このまま恨みを晴らすべく撃墜してやりましょー!」
「よし!やれ!」
そうしてエドワード海賊団は全滅した。
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エドワード海賊団が全滅した。
謎の海賊団...無名だったクレバー海賊団が最近以上に力を持ち始めた。
この二つのニュースは世界に瞬く間に広がった。
そのニュースはある青年の元にも届くのであった。
ーーー物語は続くーーー
このあと、世界一の魔術師? シリーズに登場予定なので、まだまだ話は終わりません。
評価感想、本編もよろしくお願い致します。




