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駆逐艦の威力

短いですかね...?

ごごごごご...


大きな音とともに船のエンジンがかかり、船がゆっくりと前進していく。


「よし。ついに動いたぞ!しかし驚きだ。オールも、帆も無いのに動く船なんて聞いたことがない。なんて素晴らしい船なんだ」


「それによく分からない魔法も、あの筒から出ますしね!」


猫耳乗組員が黒と黄色の縞模様に囲われたスイッチを押す。


ズドンという音で前方の岩が砕け散る。


「うるさいからやめろ。だいたいお前さっきからやりすぎだっての。もういい感じにコントロールできるようになってんじゃねえか」


「へへ。それ程でもありますよー」


「否定しろよ...」


船はそう言っている間にも進んでいく。


「この船速過ぎやしないか?さっきの岩がもう真横にあるぞ」


「ホントですねセンチョー。これはバケモノ...いや船だからバケ船?」


「そんなのはどうでもいいが、この船さえあれば俺達は無敵。何たって船体は燃えない金属、天候に左右されない帆のない船、攻撃はこのポチポチを1つ押すだけで大きな岩が弾け飛ぶ。最高の船じゃないか!」


「そーですね!きっと可愛そうな私たちに神様がプレゼントしてくれたんですよ」


「プレゼント...か。それならばきっとこれは、神器。この神器を持って悪を潰せという神からのメッセージかもしれない。ならばこの神器を用いて悪魔のエドワードの大船団を潰して見せよう!」


「ただやり返ししたいだけじゃないですか」


「ん...まあそうだな」


船長は自ら舵を切る。他の乗組員は皆、珍しいこの船の内部を探検中だ。


「で...このルートを進めばエドワード大船団を追いかけられる筈なんだが...」


「この船ならすぐに追いつけそうですね。あの筒の魔法は私に撃たせてくださいね!」


「ああ。構わない。さっきまでの練習でお前凄い上手くなったもんな」


実を言うと上手くなったのではない。この船は、標的をオートでロックオンする機能がついているため、どんなにドヘタな奴でもボタン一つで敵船を駆逐できるという優れもの。


「とか言ってる間に...見えてきたな」


水平線の奥の方でゴマ粒のようなものが浮かぶのが視界に入る。


「す、すごいですよセンチョー!このスコープを二つ繋げたような物、遠くがスコープよりも良く見えますよ!しかもとっても見やすい!」


猫耳乗組員が部屋の中にあった双眼鏡を手に取って覗いた。


「どれどれ?」


船長はそう言うと猫耳乗組員から双眼鏡を受け取り、覗きこむ。

すると、ゴマ粒のようだった船の集まりが、1つ1つの船としてくっきりと見える。

片目をつぶる必要も無い。


「すごいな...。この船は謎が多すぎる...」


「こっからあの船に向けて筒の魔法撃ってみましょうよ!試しに」


「馬鹿か。届くわけないだろ。無駄に敵を刺激するな」


「ポチッとな!」


「人な話聞けや!」


猫耳乗組員はボタンを押す。船長の話は耳に入らない。


ズドゥンという音で目にも止まらぬ速さの弾丸が飛んでいく。


そして瞬きをしている間に、敵船は木っ端微塵になった。今度こそ文字通り海の藻屑だ。


「んな...ばかな...」


「エドワードの船沈みましたね...」


「最強の船とか言われてたのにな...」


「センチョー...この船は敵に回ると恐ろしいですね...」


「そうだな」


そして今、この世界の歴史に残る最強の海賊団と謎の船による壮絶...?な戦いが始まったのだ。



本編合わせてよろしくお願い致します

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