足音
夜もふけてきて、披露宴会場ではダンスパーティーが行われていた。芝生に大きなテントをはって、披露宴をおこなった。テントの中には沢山の丸テーブルがあり、真っ白で高級感のあるテーブルクロスが敷かれている。テントの天井には綺麗な花の飾りや、きらきら光オブジェなどがつるされている。酒を飲んで陽気に踊るもの、大声で笑い話すもの、シャンパンをたしなみながら昔話をするもの。父も母もひさしぶりに会う友人や親族と話していた。
ダニエル、コナーはきらきら輝く飾りにも見とれあき、足が地面につかないほど高い椅子にすわって足を左右に揺らしながら真っ白テーブルクロスのだだっ広い机上に頬をつけてひまそうにしていた。本来この時間はベッドでスースー寝息をたてている時間なのに、今日はどうしたことかちっとも眠くなかったのだ。
「アナは?」コナーが眠そうな口調で問いただす。
「さぁーね、どうせボーイフレンドのとこだろ」
「君のねぇさまはモテモテだもんね」
「なんであんな鬼みたいなやつがもてるんだかまったく不思議でたまらないよ」
「僕も初めて見たときはすっごく綺麗な人だなぁーって思ったよ?」コナーは天井のオブジェを見つめながら言った。
「性格はおっかなかったけどね」苦笑しながらダニエルを見つめた。
「まぁ根は優しいんだけど」
「どうしたの?頭でもうった?」
「別に」
「ダニーもその性格をなんとかしたらきっとモテるのにーもったいない」
「余計なお世話だよ」ダニエルは笑いながらつぶやいた。
ダニエルは陽気に踊る人たちに目をうつす
「それにしても音量大きすぎない?」ダニエルは眉間にしわをよせてコナーに問いただした。
「僕、もう少し下げれるか聞いてくるよ」そういうとコナーはいすから落ちるように地面に足をつき、踊り回る人と人の間をすり抜けて奥の方へ消えていった。
それを見届けたダニエルは再び机上に頭をつけてまぶたをおとした。
………はっ!ダニエルはふと頭を上げた。なにも変化のない、披露宴会場を見渡す。
なんだろう、とてつもなく嫌な予感がする。
ダニエルの感は見事に的中した。




