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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ファントムソウル編:第6章-水の花嫁と海の悪魔-
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2ndステージ45:沈む神殿

戦闘が過激になってきた。

神殿の至るところから、触手が飛び出てきて俺たちに襲いかかる。

とりあえず魔法が使えないジンライのまわりには、光属性の強力な結界を展開しておいた。

ポセイドンの触手は、光属性の魔法には触れられない。

なので、あの結界の中は、現在この場においてもっとも安全な場所なのだ。

それより、俺にはずっと気になっていることがある。

それは、ポセイドンの後ろの人影。


「あれってどう見ても、ホルブだよね?」


 リュウは驚きの表情でみる。

そして、彼女も頷いた。

どうやら、あれはホルブらしい。

でも、なぜここに?


「天野翔琉……解せぬ顔をしているな?何故、闇の大魔導士がここにいるのか?気になっているようだな」

「いや、気になってないよ~もう話しおーわり」

「え?えぇぇぇ??待って待って!ここは、俺様の喋るターンだろ?」

「お前のターンエンドで、終わったんだからもういいだろ?」

「おいおいおい、小僧。大人に向かってその口の聞き方はなんだ!」

「めんどうくさいな……分かったよ、話を聞いてあげますよ」

「なんだか、小馬鹿にされているような……まぁ、いい。いいか?何故、ホルブがここにいるのか。それは、闇の大魔導士の神殿はすでに存在しないからだ」

「存在しない……だと?」


あまりの話題に、あからさまに驚いてしまった。

闇の大魔導士の神殿は、このまま海沿いに進んだ場所にある、湿地帯【闇夜航路(ダークネスマングローブ)】に存在していた。

もちろん、リュウの救出後には、そちらに向かう予定だった……のだが。


「少し前にシャドウが死んだことが分かってな、お前らの目的が神殿だということに気がついた俺様は、シャドウの守っていた闇の大魔士の神殿を破壊してやった。これでお前たちは手も足も……触手もでぬまい」


 懇切丁寧に自分の能力を語りはじめたポセイドンは、いわゆるRPG系やアニメなんかでよくある”敵キャラが自分の能力を語りだす”ってやつなのだろうか?

 雑魚キャラ度が増した気がする。


「でもさ、神殿壊しちゃって良かったのか?」

「なにがだ?お前らに目的を完遂させまいとした、俺様の天才的な策略に意見をするのか?」

「いやいや根本的にさ間違ってない?」

「いまいち話の意図が伝わらぬ、さてはお前バカだろ」

「うーんと、ロギウスのいる城を守るために結界を張ってるよね?」

「何を今さら、そんな当たり前なことを」

「そんで、結界を張ってるのって、それぞれの神殿だよな?」

「そりゃ、そうだろ。当たり前のことをぬかしやがって……??」

「だったら、神殿が無くなるごとに結界は弱まるよな……」

「あ……」


ようやく察したか、あの変態タコ野郎。

自分で何をしてしまったのかと言うことを、ようやく理解したようだ。

まったくもって……


「お前、頭悪いだろ」


と、ついつい言葉が漏れてしまった。

 ぴきっと眉間にしわを寄せたポセイドンは、頭の悪そうな会話を続ける。


「はあ? 頭悪いって言ったやつが頭悪いんですよ~……! ヌヒュヒュヒュヒュ……さてさて、それより君の事はすでにコピーさせて貰った……」

「コピーさせてもらった? いったいどういう意味……!!!」


 と俺が言い終わる前に、ポセイドンの顔は俺の顔になっていた。

 え? 顔真似された?


「こうして自分自身の顔を真似されるのは、なんだかムカつく」

「顔だけじゃねえぜ。ほら!」


 そういって、光魔法:光天神を発動したポセイドンは、自身に見とれているようで、近くにあったガラスで容姿を確認している。

 それを見ていたリュウとジンライも正直言えば、ポセイドンの所業(俺の顔を真似した事)について、キレかけている。


「……偽物野郎が……クソゲソ野郎が……あたしの翔琉の顔まねてんじゃないよ……本物の方が断然カッコいいし……」

「ママの偽物キモいから、本当にキモいから、マジでキモいから、もう生理的にアウトだし、設定的にもアウトだろ……」


 2人がピリピリしている。

 と言うか、大気が震えている。


「ジンライちゃん。 あたしたちはあそこにいる黒いおじさんの相手しましょ。あたしなら、あのおじさんの洗脳を解くことができるから。そして、早くあのおじさんの洗脳解いて、あのタコやりましょ!」

「でも、まだ魔法使えない……」

「大丈夫よ、今から実戦形式でちゃんと教えてあげるから……危なくなっても守ってあげれるから、安心してね」

「じゃあ、お願いします!」

「おりこうさんね。流石は翔琉の子供ね……じゃあ、翔琉! そいつ適当に半殺しにしといて! 後であたしが直接とどめさすから……」


 そういうと、リュウはジンライをわきに抱えたまま、ホルブを奥の方へとつく飛ばして、そのまま消えていった。


「ヌヒュヒュヒュヒュ! あの女は本当に上玉だな。俺様に対してあんなこと言える女なんてそう相違ないからな」


 どM野郎でしたこいつ。

 さて、こちらも戦闘を始めますか。


「んじゃ、ジンライはリュウが守ってくれるらしいから、戦闘始めるけど、1つだけ聞かせてくれないか?」

「なんだ?」

「何故ホルブをここに連れてきてたんだ?」

「ああ、それ? 単純な話、あいつはリュウの事を一番よく知る大魔導士だからな。だから、婚約者の色々を聞くにはちょうどいいと思って、闇の大魔導士の神殿をつぶして、ここに引っ張ってきた」

「ふーん……まあ、今は目の前の敵を倒すことに集中する必要があるな……だが、ホルブがなぜいたのか、謎は一応は解けたから軽くスッキリしてるかな……」

「あの女を手にいれるのと、結界の一部を破壊してしまったのは、お前の命をロギウスに差し出せば問題ないだろう。ここで貴様を殺して、あの女は俺の花嫁となって永遠に海の底で暮らすんだ!」


 俺も光天神を発動させ、同属性の神魔法VS神魔法の戦いが幕を開けるのであった―――



 激しい光と光の衝突―――

 目で追うことは困難なスピードで互いに戦う。


「すげえな神魔法! 流石としか言いようがねえよ。これが光になるって事か! 俺様は海で一番速く移動することができたが、地上では劣ってしまう。それを補うには十分すぎるほどの威力と機動力だな!」


 何というか、元気ハツラツな馬鹿ポセイドンに対して、俺はと言うと、テンションがすごく低い。

 だって、攻撃するたびにヌルヌルした触手が当たるし、何より、自分の顔をした奴と戦うのがね……

 やる気でなくても戦わなくちゃ、殺されちゃうからね。

 唯一の救いが、光属性の神魔法であるってことって事かな、光属性を倒すには光属性で戦うしかないからな。


「んじゃ、お前の魔法使わせてもらうぜ! 光の魔法:神之憤怒!」

「それはマジでやばい奴! 光の魔法:絶対神域!」


 究極の光属性の攻撃と究極の光属性の防御、矛盾を解くのはどちらなのだろうか……

 激しい衝撃波の中で、俺はこんなことを考えていた。

 周りが朽ちて、壊れて、粉々になった中でも立っていた。

 結界も無事であった。

 ただし、周りの建物は無事じゃなく、水の大魔導士の神殿はすでに半壊している。

 その中で、神殿の上空からポセイドンは俺を見下ろしている。


「ヌヒュヒュヒュヒュ! 流石は光属性最強魔法! 威力は絶大だな! だが、お前が無傷なのが気に食わないから、もう一度だ! 威力を上げて、光の魔法:神之憤怒・最大出力!」


 先ほどより明らかに力が強くなっているようだった。

 光が周囲をねじ曲げるほどの、強力な一撃だ。

空間すら引き裂きながら、強力な一撃がこちらに向かってくる。


「くそ! あんなの受けても受けなくても、自分はおろか周りまで被害にあう! どうすればいいんだ? どうすれば……」


 ”どうすればいいだなんて、変に考え込むなよ”


「え? この声は、アマデウス? そうだ! アマデウス! あの魔法を打ち破って周りに被害を与えないためにはどうすればいいんだ?」


 ”残念ながら、現状では相手の攻撃を跳ね返す光の魔法:輝天鏡を使うしかない、または奴を……”


「煉に頼らなくてもいいなら、俺にとってそれが1番だ! じゃあ、輝天鏡を使えば被害はないんだな?」


 ”いいや。もし完全に被害を無くしたいんなら、輝天鏡に加えて、跳ね返すと同時に、ポセイドンの周りに絶対神域で覆えば……”


「爆発は中で拡散されるって事だな! 分かった! ありがとう! やってみるよ!」


 ”じゃあ、僕も頑張るよ! 行くよ! 翔琉!”


「OK! アマデウス! 最大出力! 光の魔法:輝天鏡!」


 巨大な鏡が俺の前に出現する。

 そして、巨大な光の塊となったポセイドンの攻撃を受けるのであった。


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