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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ファントムソウル編:第3章‐解き放たれた恐怖‐
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2ndステージ18:楽園は地獄に変わる

 「いやいや、おぬしらーーーー助かった礼を言う」


グランはその場で頭を深々と下げる。

そして、アニオンは


「グラン……良かったわ、助けられて」


そう言うと、グランは目を見開いている。


「お主、アニオンではないか! 152年ぶりじゃのう……」

「そんなに、年月経ってねーよ」

「あっはっはっ……そうじゃったのう」

「ボケすぎたろ!」


そう言って、アニオンはグランにツッコミを決めている。

あれ?

意外と仲よし?


「……ところで、グラン。 地の魂記憶はどこ?」

「魂記憶? なんで、そんなものを?」

「実はーーーー」


と、これまでの経緯や、事情を説明する。


「なるほどのう……伝説の大罪人が復活したのか……ならば、我は役割にしたがい、役目にしたがい、そやつを討つ手助けをいたそう。 翔琉……お主の力に、ならねばならぬしな。 オールドアで、そのように約束をしておるからのう……仲間になり、共に神話の悪を打ち払おうぞ」


そう言うと、グランは、少し下がっていろ、と言い中央に自身の魔法の力を送る。

そうすると書物が浮いている台が浮上してきた。


「ーーーーこれが、地の魂記憶じゃ」

「これが、地の魂記憶……」


 早速俺たちは、魂記憶をフルートに翻訳してもらう。


「汝ら真実を求めるのならばすべての書物を揃え……と、またまた途中で終わっているわ。 そして、雷に続く……だって」


 またかよ、あの女本当におちょくってるのか?


「おちょくってるよーん」


と、書物からデイが飛び出してきた。

でたよ、悪ふざけの象徴……


「嫌だな、翔琉君。 悪ふざけの象徴とか、わらわを愚弄するでないぞ!」

「ご先祖様……」

「ここには、ディルがおると思うのじゃが、ディルよ。 元気じゃったか? まあ、元気とは言っても今は霊体じゃからのう」


本当になんでこんなにずばずば当ててくんだよ。

時空間魔法って、こんなに強力なものなのか?


「さてと、ふざけるのはこの辺にしてっと……」


やっぱりふざけてたのかよ。

ああ、腹立つわ~。

みんなの声が聞こえてくる。


「ーーーーまずは、この神殿の攻略おめでとう。 と言えばいいかな? まあ、こうして魂記憶を見ているわけだから、成功してなきゃおかしいのじゃがな」


早くいいから本題を話せよ。


「さて、この素晴らしい状況に水を差すようで悪いけどーーーー今、主らは重大な危機に陥っている。 悪いことは言わないから、この神殿から早く脱出しなさい。 じゃないと、奴が来てしまう」

「奴??」


とフルートが聞く。

すると、珍しく深刻な顔をするデイ。


「ロギウスの腹心である、4大魔王の1人、地獄大神王(ヘルキング)メイオウ……かつて神に逆らったロギウスの、反乱の同士の1人……神話の時代に、私と2人の大魔導士によって、漸く討ち果たせたほどの実力者……おそらく、今のあなた達じゃ勝てないわね」

「メイオウだと!」


 と一番驚いたのはアニオンであった。


「師匠……いったい何者なのですか?」


エンは、恐る恐る尋ねる。


「メイオウはかつて、素手で大地を割って、二つに分けたほどの実力を持つ魔導士……この世界の常識を遥かに凌駕する魔導士よ。 恐らく、7人の大魔導士と、3人の太古の魔導士で、束になっても勝てるかどうか……」

「大地を……割るだって?」


そう俺が言うと、デイがニコニコしながら再び語りはじめた。


「今のあなた達は、逃げることに集中しなさい。 そうね、アニオンとか言ったかしら? あなたの負極魔法を用いて、取りあえず奴が追ってこれないと思う、空中聖域(ホーリースカイ)へ移動しなさい。

そこなら、邪悪なものが追ってはこれないし、ロギウスも手は出せないわーーーーじゃあ、頑張ってね♪」


といってデイが消えた。

直後に地震が起きた。

グラグラと、足元が揺れる。

そして、天井のクリスタルが、崩れ落ちてくる。

このままでは、神殿が崩れてしまう。


「今は猶予がないわね……みんな、急いでさっきの入り口まで戻るわよ!」


といい、俺たちはアニオンのあとに続き、祈りの間を後にする。

ヤバイ!

脱出しよう!


自然豊かな、太古を思わせた神殿内部。

その、豊かな植物たちに、動物や虫たちは、喜びを感じていた……ずだった。

しかし、そんな楽園はもう無かった。

この世の地獄……それがふさわしい言葉だろう。

悪夢のようで、悪魔のような光景。

身の毛もよだつほど、無惨な光景。

植物や、動物、虫たちは焼き殺されていた。

それも、炎ではなく、溶岩で……

生きながら、殺された。

苦しそうな表情を浮かべる、動物たちの近くに、そいつはいた。

ーーーーまがまがしい黒い炎を放つ男……メイオウ。

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