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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ファントムソウル編:第2章‐地は野に栄える‐
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2ndステージ10:休憩タイム

俺たちはエンを助け、更には8つある魂記憶のうち、1つ目を入手することに成功した。

 そして現在は炎の大魔導士の神殿を離れて、今はアニオンの隠れ家前にいる。

そして、今後の予定として、次に向かうのは地の大魔導士の神殿に決めた頃……俺たちは出発をしようとしていた。

しかしながら、戦闘などによって俺たちはここいらで休息をしたいと思っていた(まあ、ストレス解消っていうのがメインだけど・・)。

そんな中で、エンがとても素敵な情報をくれた。

何でも、エンしか知らない地底温泉があるというのだ。

その場所は、温暖帝のエンの家の地下に存在するらしい(前に訪れた時には何故教えなかったんだよ!)

幸いにも(狙っていたように)温暖帝の近くに地の大魔導士の神殿はあるので、ここいらで体力を完全に回復させるのもいいだろう。

エン曰くその温泉は、源泉の源、で別名が命湯(ホットライフ)と言うらしい。

エンがこの温泉を前回の段階で教えてくれなかったのは師匠であるアニオンのせいであるらしい。

 エンの師匠であるアニオンは、昔その温泉に行ったことがあるらしいのだが、そこで酒に酔ったアニオンが源泉を破壊しそうになったらしいために、以来この温泉には誰も入れないようにしていたとか……。

それを当事者であるところのアニオンは、笑い話で語っていたのだが、その話を聞いていたエンにとってはかなりのトラウマだったらしく、エンはうなだれている(さっき、教えなかったとかいろいろ言ってごめん)。


「じゃあ、行きましょうか」


といって思いっきりはしゃいでいるアニオンの後ろには、暗い表情のエン。

こんなキャラじゃなかったのにな……

 フルートは、のほほんとその辺に生えてる草花と話をしているし、ボルはと言うと……


「翔琉~構ってにゃん!」


と更に幼児化していた。

いやいや、こうなてしまった原因は俺にあるのだが……

ネコ科の動物に試してみたいことシリーズその2。

耳の後ろは神経が集中しているためそこを触られると気持ちいいというのが、果たしてそれが虎でも同様なのかと言う実験……と言うか、猫好きとしては一度はやってみたいことだった。

ので、虎獣人のボルにも果たして効果があるのかと、ほんの数分前に試してみたところ、どうやらそうだったらしくて、にゃあにゃあ言いながら、子供の姿になってしまった。


「遊んで~翔琉~遊んで~」


そんな構ってちゃんなボルが、若干可愛くなってきたので、ここいらで俺もボルと遊んでみよう。

まずは高い高いでもしてあげようかな。

うわ!

可愛い!

この肌触り。

このプニプニした感触!

そして、うるっとしたこの(まなこ)

ヤバすぎ!



 高い高いが終わり、そろそろ添い寝でもしてあげようとしたとき、アニオンがそろそろ行くかと言う。

 とは言ったものの、どうやって行くんだ?


「私の魔法で、ひとっとびよ!」


 と言う。

え? 確かアニオンの使う魔法は負極魔法で、0にするか0に近づける魔法だったはず。

いったい今回は何に使うのかな?


「負極魔法:零地転(ぜろちてん)


そういった瞬間に、俺たちは温暖帝に着いていた。

え? 

いったい何が起こったんだろう?

そう疑問に思った俺はアニオンに聞いてみた。

するとアニオンはやれやれ……と言った感じで答えた。


「この魔法、零地転は地点と地点の距離を0にする魔法よ。 だから、私たちのいた隠れ家と温暖帝の距離を0にしたってわけよ」


なるほど。

でもドヤ顔&上から目線はやめてほしいかな。

さあてそんなわけで、俺たちは温暖帝に着いたわけだが。

やっぱり空は暗いな。

いつになったら晴れた空を再び見れるんだろう……やっぱり、ロギウスを倒さなきゃ見れないのかな?

そんな風なことを考えながら、俺はエンの家へと向かうのであった。

エンの家へとすでに到着していた俺たちは、早速温泉に入ることにした。

まあ、もちろんエンの家の周りに、俺とフルート、アニオン、ボルの4人の結界が張ってある状態なのでこれ以上なく安全である。

 そんな中レディーファーストと言うことで、フルートとアニオンが温泉につかっているので俺たちは、本日のご飯の用意をしていた。

と言っても、ボルとエンは料理をしたことがないので、実質は俺が料理を作っている。


「魔法の才能だけでなく、料理の才能もあるのか! 翔琉! うちはお前の才能がうらやましいわ」


と傍らでニンジンを切るエン。

切るだけならばどうやらできるようだ。


「翔琉……いい奥さんになれるぜ! 感動で涙が」


 と玉ねぎを涙を流しながら切るボル。

こちらも手際がよくいい感じに切ってくれている。

感動の涙ではなく、玉ねぎの涙だなそれ……

というか、奥さんになるつもりはねーよ。


「今日のメニューはカレーだな」


 俺は切られた野菜たちを鍋に入れて煮込んでいく。

グツグツと……隠し味にあれをいれてっと……。

さてと、これに合わせて、サラダでも作るか。

と再び手際よく、エンとボルが野菜を切ってくれている間に俺はご飯が炊けているかを見に行く。

ご飯の質はどうやら大丈夫だ。

硬すぎず、柔すぎず。

いい出来である。


「なあ、翔琉次は何を切るんだ?」

「ああボル。 えっとね次は……!!」


ここで、俺たちは何者かの気配に気づく。

敵かもしれない……


「何か……いるな」

「そうみたいだね」

「うちが前衛、2人はバックアップしてくれ」

「「了解!」」


そういって俺たちは構えたのだが。

次の瞬間飛び出てきたのはフルートとアニオンだった。

バスタオル姿の……


「きゃあ~上がったわよん」

「上がったのら~」


非常に酒臭い。

温泉の中で飲んでたな……。

敵かと思って、びっくりしたな。


「師匠! 脅かさないで下さいよ。 敵かと思ったじゃないですか!」

「私を敵呼ばわりするなんて……いい度胸してるわね」


そういって周りをにらむアニオン。

場の空気が一気に凍った気がした。

何より、エンの身体から震えが止まらなくなっている。

その場に耐えられなくなったフルートが


「ねえねえ、今日の夜ご飯は何?」


 と聞いてきた。


「今日は、カレーだよ。 みんなで、作ったからきっと……」

「え~私ステーキがいい~」


 とアニオンが言ってきた。


「私、ステーキ食べたい、食べたい、食~べ~た~い~」

「駄々をこねないでよ、みんなで、カレー作ったんだから……」

「ステーキ食わせろ‼ 命令だ」


命令?

なんで、命令されなければならない?

頭に来た俺は、低い声で


「じゃあ、アニオンは食べなくていいわ」


 と言い返した。

エンは心臓が止まりそうな顔をしてこちらをにらんでいる。

そしてアイコンタクトを飛ばす。


“今すぐ、謝れ!”


だが俺は


“嫌だ”


と返信した。

そして、アニオンが俺につかみかかってくる。


「何よ翔琉! 私に文句つけるの?」


 と言ってきたので、俺は言い返す。


「うん、そうだよ。 いくらすごい魔導士と言えども、好き嫌いやわがままばかり言ってたりするのは嫌なんだよね。 だいたい、食べ物は命をいただく意味があるんだから、そんな自分が食べたいものがホイホイ出てくるなんて思ったら大間違いだと思うよ。 それにみんなで、せっかく作ってるのに気持ちを無駄にしようとしている君の行動は正直言って、嫌いだ」


そういうと、アニオンはつかんでいた手を離した。

そして、申し訳なさそうに言う。


「うん……私が悪かったわ……酔いに任せてわがまま言ったわ……ごめんなさい」


その光景を見ていたエンにとってもはや、俺は神に見えていた。

自身が怖がっていた師匠に対して、あそこまで平然と言い返す天野翔琉が格好良く見えていた。

そして密かにアニオンもカッコいいと思っていたのであった。

アニオンはこれまで、男性に怒られたということが実は無い。

その凶暴性と、実力のせいで、大抵の男は彼女の思うままに動いてくれた。

そのため、自信に言い返した俺には特別な何かがあるのだと思ってしまった。

そして、彼女にとってはこれが初恋となってしまったのだ。

自身に対して1歩も引かず、言い返すことのできる強い男性。

その翔琉(おれ)に魅了されてしまったのだ。

そして、彼女はその気持ちをすぐに伝えようと、声に出してしまった。


「翔琉……私と、付き合って……」


 その発言に一同が驚くが、おそらく一番驚いているのは彼女自身である。

まさかこんなことを言うなんて……


「相変わらず、モテモテだね翔琉。」


その声には聞き覚えがあった。

そして、一同はそちらの方を向くと、そこにはディルと見知らぬ少年がいたのだったーーーー

え?

ディル!!!!!!!!!!

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