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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
オールドア編:最終章‐扉が開くとき‐
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1stステージ45:地と風

 オールドアへ通じる巨大な塔―――ここに、何度も来たかった。

 だが、様々な障害があってなかなか来ることができなかった。

 しかしようやくとして、俺は今日―――自分の世界へと戻ることができる。

 そして、元の世界に戻った暁には、あの研究も完成する。

 そのためには、まず役割を全うしなければならないだろう。

 俺の今の役目は、地の大魔導士グランを助け、暗黒魔法教団の暗黒賢者と教祖を倒すこと。

 それが今の目的だ。

 最後の障害にして、最大の難敵、と言ったところだろうか。

 これを達成しなければ、俺は元の世界へは帰れない。

 帰るために。

 そのために俺は前へ進む。

 未来を切り開くために―――



 オールドアのある塔―――別名:始まりの塔。

 この世界において、神が始めて降臨したとされる場所。

 そして、異世界へと繋がる、いにしえより存在するオールドアの保管場所。

 俺たちは、決意新たに、前へと進むのである。

 そして1階―――大広間。

 早速、お出迎えしてくれたのは地の大魔導士グランと、暗黒賢者ガイルであった。

 いきなりかよ―――


「ようこそ。 我の名前はグラン。 地の属性をつかさどる7人の大魔導士の1人なり――――」

「そして、俺はもはや自己紹介はいらねえな―――んじゃ、まあとっとと始めるとするか」


 そういうなり、グランとガイルは俺たちに襲い掛かってくるのであった。


(アース)魔法(マジック)岩園いわその


 そういうと、俺以外のみんなは岩の結界に閉じ込められてしまった。


「しまった!」

「ホルブ! リュウ! すぐに解除して!」

「早くても10分はかかる!」

「5分で終わらせるぞ! リュウ!」


 そういって、全員結界の解除作業に入った。


「翔琉!気を付けて!」

「翔琉!」


 そして、声が聞こえなくなった。


「我が結界内では、もはや音はせぬ―――さて、神域魔導士よ。 お主も、奴らを同じように……」


 みんなが俺を心配してくれていた――――なら、俺は彼らを助けるために。

 再び、あの魔法を発動させる。

 光属性のあの魔法を―――


「神魔法:光天神!」


 そういうと、俺は光速で移動し、相手をほんろうする。


「なるほど―――これでは、結界の中に閉じ込めることは困難になる」

「おい、グラン。 俺の魔法と融合させるから、手を貸せ」


 グランとガイルが手を合わせて何か呪文を唱える。


「「光を飲み込む漆黒の球体よ――――我らの魔法を合わせ今ここに現れよ‼ 超重力魔法:黒星あんこくのほし」」


 そういうと、黒い球体―――ブラックホールが出現したのだ。

 ブラックホールの性質は光をも飲みこむという超重力。

 しかしながらこれはあくまでも魔法。

 であるならば本物のブラックホールには及ばない。

 しかしながらブラックホールはブラックホール。

 光を飲み込み逃がさないという特性は健在で、俺の身体は徐々にその黒い球体へと引き込まれていく。


「ぐぐっ‼ これは―――‼」

「どうだ!天野翔琉!この魔法は、俺と地の魔導士グランの合わせ技でな、しかもグランがいる限り俺たちは飲み込まれる心配はねえんだよ!」


 そういいながらこちらをあざ笑うガイル。

 地属性の魔法の効果は重力の無効化―――そのため、地属性をこの場で唯一習得していない俺にとっては最悪な魔法である。


「そのまま、飲み込まれて大人しく、封印されろ!」


 ガイルは勝利を確信しているようで、かなりの余裕な表情である。

 確かに―――このままだったら俺は飲み込まれてしまうだろう。

 でも、それは俺の頭脳が普通の場合だ。

 俺は将来博士になるために、今まで猛勉強をしてきた――――しかも、主に科学を中心にしてだ。

 その中に、物理学にブラックホールを打ち消す理論があった。

 以外に知られていない、ブラックホールを打ち消す理論。

 本来ならば、実現させることすら困難な条件なのだが―――あいにく、その条件はどうにかクリアできそうだ。

 何故ならば、今俺の手持ちにあるのは、魔法である。

 不可能を可能にする技法。

 こんな俺の世界においては、現代の科学では、実現不可能な事でさえやってのける事が出来る。

 本来ならば、実験や確証を得て、本筋を導きだして、理論、考察、結論を組み立てるのがいいのかもしれない。

 だが、今はそんな事を言っている場合ではないだろう。

 今は、ブラックホールに飲まれかかっているのだから。


「くっ‼ やるしか……ないようだ……」

「あは? こんな状況で何ができるんだ? 神魔法でさえ脱出できない、その魔法の中を―――どうやって打開できるんだ? やれんのか? やれるもんならやってみろ」


 余裕な表情でガイルは、俺をおちょくっている。

 ふん―――今に泡吹かせてやるからな。

 こんな事は普通の人じゃ、絶対思いつかない。

 と言うか、知らない知識だ。

 生きていても、絶対使うような機会の無い理論。

 今、俺はまさにその理論を使うときが来たようだ。

 人生最大の大判勝負。

 この賭けに失敗すれば、恐らく俺は奴らに囚われてしまうことになるだろう。

 では、人生最大の勝負にして、実証実験を始めるとしよう。

 皆さんは知っているだろうか?

 ブラックホールは蒸発するということを―――

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