表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/349

1stステージ3:地獄の特訓

地獄の特訓って……そんなのしたことないし、したくもないですね。

そういい終わると、よほど早く言ったために、呼吸を苦しそうに、ぜえぜえとしながらディルはこの光天神と言う魔法を始めてみたようで、じろじろと俺を見つめている。

 その問いに対する答えとして俺は


 「俺の方が知りたいくらいだ……」


 と不安は否めない感じな答えとなってしまった――――



 魔法には種類の他に、いくつ属性がある―――――という事らしい。

 俺の世界には四元素説と言う話がある。

 これは、物質を構成するのは、火・空気・地・水で言い表すことが出来るというものだったかな?

 まあ、古代ギリシア時代から考えられているものなので、俗にタイムスリップでもして本人たちに直接聞く、という事が出来ればいいのだが、そんなことは勿論できないので、伝承として残ったものから考えや知識を共有する、という事は現在でも多く取り入れられている手法であり、手段であるといえるな。

 この話が今、何の役に立つのか?

 と言う風に質問されてしまえば、魔法も同様に俺の知る知識内でどうにか理解することは出来ないだろうか?

 という事を、案に俺は言いたいのである。

 ディル曰く、魔法の属性は全部で8種類あるらしい。

 炎・水・雷・闇・氷・風・地そして光、がこれに該当する。

 本当にRPGみたいな設定だな。


 そして属性にはそれぞれ特徴がある。

 まあ、RPGみたいな設定なので、絶対あるとは思っていた。

 例えば炎属性の魔法だと氷魔法を無効化できるが、水属性には逆に無力化される。氷だと雷属性を無力化できるが、炎属性には無力化されてしまう。

 今言ったのは、属性間での優劣である。

 これを下の表のようにまとめるとこのようになる。


     有効      弱点

炎属性  氷属性     水属性 

水属性  炎属性     地属性

雷属性  闇属性     氷属性

闇属性  風属性     雷属性       

氷属性  雷属性     炎属性

風属性  地属性     闇属性     

地属性  水属性     風属性       

光属性  光属性     光属性  


 光属性だけ唯一同属性の攻撃意外には弱点がないのである。


 ここは普通に光は闇に、闇は光に、と言うのがRPG設定の鉄則ではないのかな?


 とか思ったりしていたのだが、現実はそんなにうまくなっているわけでは無いのだな――――


 さらに属性には使いやすさ、と言うものがあるらしい。

 一般に使いやすい属性は、炎・水・雷・風とされている。

 自然界に自然に存在する物は使いやすいという事なのだが……


 それならば、地属性や氷属性もあっていいものだが――――


 まあ、良く線引きが分からない中途半端な設定だな、と思った方が合点しやすいのかな?

 そんな使いやすい炎の属性をいきなり飛ばして、俺は使用が最も困難であるとされている光の属性を初めて使えるようになった。

 パラメーター的に言えばMAX、レベルなら最大レベルまで上がってしまっている状態なのではないだろうか?

 何故俺なんかに、神魔法なんかが使えたのだろうか?


 疑問に思う。

 そして、何より不安に思った。


 ――――そんな疑問や不安を持ちながらも、俺はディルに


「これで魔法を覚えたことになるから、あの場所……オールドアに行けるのか?」


 と聞くが、ディルは首を左右に振る。

 言われたとおり魔法を覚えたのに……しかもパラメーターMAXの、勇者の最終奥義みたいな魔法なのに――


「ダメね。1つの属性だけではだめよ。そんなんじゃ、すぐにやられてしまうわ」


 そういうディルに、俺は不機嫌な顔をして不貞腐れたように言った。


「じゃあ、どうするんだ?」


 ディルは、そんな中でも、表情を崩さずに、飄々と答える


「他の属性を覚えてもらうしかないわね……」


 そういって、ディルは再び俺に各属性の初心者魔法や、中級、上級魔法を見せるのであった。

 そんなに簡単に他の属性なんか覚えることができるのであろうか?

 いや、そもそも、何故ディルはこんなにもすべての属性が扱えるのだろうか?

 そんな疑問の中でも、ディルの教えは続いたのであった――――――


何故他の属性の魔法を覚えなければならなかったのか――――

 その問いにディルは


「極力、神魔法を使わないためによ」


 と念を押すかのように答えた。


 この世界では神魔法を使えるのは、ディルの知る限り俺しかおらず、そのために他の人物に見られたりすると危険だ、と言うことだ。

 言ってしまえば、権力者や悪い人たちに利用されてしまうかもしれない、という事だ。

 確かに、強力な力をむやみにポンポン使うのは避けた方がいいだろうな。

 感情を持つ生物の短所は、強力な力に魅入られて、使役してしまうという事なのではないだろうか?

 まあそんな事を言っても仕方ないので、俺は他の属性の魔法も覚えることにした。

 初心者が一度に複数の属性を覚えるには、かなりの時間を要するらしく、普通ならば数年かかって、ようやく習得することが出来るらしい。

 だが残念ながら、俺にはそんな余裕は無かった。

 一刻も早く、元の世界へと戻りたかったからである。


 その後厳しいトレーニングがあった。

 まさに、速攻で覚えるためだけの地獄の特訓と言ったところであろう。

 何度か死にかけたりした。

 初心者に対して、上級者の上級向けの特訓をするとか、自殺行為にもほどがある。

 もし仮にこの世で一番恐ろしい人物は誰か、と聞かれた際には、俺は特訓中のディルを推薦しておこう。

 目が血走っていて、言動も荒く、何よりスパルタすぎる。

 まさに鬼教官である。


 悪夢のような特訓は、3日ほど続いたように感じたのだが、彼女の持っている時計には、3時間ほどしか経過していなかった。

 あれ?

 まだ、その位しか経過していなかったのか?

 もっと長く感じたのだが。

 そしてあれは気のせいだったのかな?

 修行中は、周りの景色が止まっているように思えた。

 そう、まるで時間が止まっているかのように――――


 特訓の成果もあって、取りあえず、炎、雷、氷、風属性の自然魔法を覚えることができた。

 残念ながら、水属性の魔法や、地属性・闇属性の魔法は、覚えることが出来なかった。

 ここで属性の特徴を注釈しておくと―――


 炎属性は”すべてを焼き尽くす炎”使用中は肉体のパワーが上がる。


 水属性は”優しく包む聖なる水”使用中は防御力が上がる。

 また回復系の魔法の大半がこの属性である。


 雷属性は”雲より轟く雷”使用中は移動速度が速くなる。

 また、攻撃が少し強化される。


 闇属性は”深き眠りに鎮める闇”使用中は魔法耐性が高くなる。

 また異常状態の魔法は大抵この属性である。


 氷属性は”永遠に凍り付かせる氷”使用中は氷塊が自動的にガードしてくれる。

 封印系の魔法の大半はこの属性に該当する。


 風属性は”守護する暴風”使用中は攻撃に追加攻撃を与えることが出来る。

 またこの魔法を使用すると、ものによっては空中に浮くことが出来る。


 地属性は”永久に受け継がれる大地”使用中は重力を無効化できる。

 またこの魔法の使用中は植物と会話することもできるらしい。


 光属性は”聖なる星々の光”使用中はすべての能力値が高くなる。

 また、悪しき者や霊的な物を滅ぼすことが出来る魔法でもある。

 あと、回復系の魔法の中でも最も強力なものが、この属性である―――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ