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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ラストストーリー編:最終章~真終の巻~
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Lastステージ55:オワリヘ

今日は朝から酷かった。

ザーザー雨の、ザーザー涙。

そして、ザーザーの血飛沫と、山のように転がる首なしの死体……。

ミコトの死体……ファーストとヨルヤの最期……。

そして、【消去者】……。


「何もかもが気に入らない‼」


俺は究極神魔法の力を、右手に全て凝縮させる。

濃縮したものは、強力な一撃を放つ。

それは、俺は化学の観点からも理解していた。

希塩酸より、濃塩酸。

低密度より、高密度。

濃ければ、いいのだ。

威力をあげる上で、これ以上にない方法だ。


「食らえ【消去者】。これが、俺の怒りの一撃だ‼究極神魔法:(しん)天照大御神(あまてらすおおみかみ)‼」


究極神魔法の【昇華】、そして濃縮された力……更には、【勇敢】の能力によって、この世界の理さえも覆すほどの力の使役を【不可能】だったものを【可能】に変え、文字通り渾身の一撃を、【消去者】に目掛けて放つ。

光速で飛来する光をかわせず、消去者は光に飲まれ、跡形もなく消え失せた。

断末魔のようなすさまじい雄叫びと共に……。


「これで……ようやく……」


バタリ、と力を使い果たした俺はその場に倒れてしまった。

同時に、閃光矛の防御状態が解除され、閃光矛の化身ライト、そして俺の仲間たちが駆けつけてくれた。


「翔琉‼まったく、無茶しやがるぜ……」

「本当に……気持ち悪い才能ね……」

「でも、これは言わせてくれよ」

「「ありがとう、翔琉」」


みんな笑顔だった。

俺はこの笑顔が見たかったから、戦っていたんだ。

苦痛や悲しみ……怒りや憎しみの表情は見たくない。

だけど、俺は今回の件で、多くの命を救えなかったことは事実だ。

それは、真摯に受け止めるとしよう。

真摯に……。


「いや、それにしても翔琉……すげぇな。ファーストでさえも倒せなかったやつを倒しちまったのか」

「そうだよな。マジでやべぇよ」


みんなの会話が薄れゆく意識の中聞こえる。力使い果たして、眠くなってきた……。


「あはは。翔琉……寝ちゃった。いや本当に……まさか、勝てるとはね……」

「そうだよな……ファーストにヨルヤ、そしてミコトまでも倒したあの化物……」

「強かったよな……」


Zzz……。Zzz……。


「でも、これで翔琉とずっと冒険が出きるね……」

「うん、そうだね♪なんたって、あいつの正体って……」


Zzz……?


「ーーー実を言うところ、現実世界で昏睡状態で眠っている翔琉を起こすために現れたやつだったのにね……これで、翔琉は目覚めない……これで永遠にこの世界で暮らすんだ……永遠に……永遠に……」


Zzz……‼なんだって‼

ガバッと勢いよく起きた俺は、仲間たちから距離をとる。

そして、体内から【アマデウス】そして【レネン】までもが抜け出て、仲間たちの元へ降り立つ。


「おい……お前ら……さっきの話なんだ?何を言ってた?何を知っているんだお前らは‼」


と、俺が怒鳴ると、彼らは笑った。

ゲラゲラと、嘲笑うように……無様な虫けらを見るような目で俺を見ながら……。




自分は何者なのだろうか。

不意にそんな疑問にたどり着くということはないだろうか。

俺は時々、自問自答を繰り返すことがある。自分は何者で、何でありたいのかと。

俺は今まさにそんな状態である。

だがまあ、それは自問自答ではなく、今は他問他答(たもんたとう)であるが。


「ライ……ジンライ……ボル……ホルブ……トルネ……アマデウス……レネン……エン……グラン……ヒョウ……リュウ……フルート……アニオン……ディル……お前たちは、俺に何を隠している?」


それは、今まで信頼し、守ってきて守られてきた仲間に対して発するべき言葉ではなかった。

何を隠しているのか……それを知ることは、つまり彼らは俺を上手く誘導していた既成事実を知ることにもなるのだ。

仲間に裏で操られる……それは即ち、仲間ではなく、単に操り人形と変わらない。

彼らの口から聞きたいのだ。

さっきの話は冗談だと……。


「答えろよ!お前ら!」

「やっだぁ~翔琉ちゃん……そんなむきになっちゃだめだよ♪」


なに言ってるんだよリュウ。


「そうですわ翔琉さん。事実を言われた程度で……」


やめろよヒョウ。


「何を今さらいっちゃってるんだか……」


そんなキャラじゃないだろアニオン。


「そうだよね~翔琉くん」


なんだよフルート。


「真実は残酷だぜ」

「語るべくじゃがな」


トルネ……。ホルブ……。


「そうじゃろうて……」

「全くです」


グラン?エン?


「翔琉……すまないな」

「なにを謝ってるの?こいつに謝るなんてことは入らないんだよ?」

「パパの言うとおりだよ♪翔琉ママ……いいや……死に損ないが」


ボル?ライ……ジンライまで……。


「翔琉にはショックがでかすぎたようね……まあ、無理もないか……」

「……なにをいってるんだディル……なにを言ってるんだよみんな……なにを……なにを……」

「お前にはもう分かっているんじゃないか?俺たちの言っていることが……そして、俺たちが何者であって、自分が何者だったのか……」

「俺が何者だったのか……そんなの……」


なんで今さらなんだ?

何がきっかけで、こうなったんだ?

なんでこんな目に遭っているんだ?

何が何で何をして何をしたから何が何になって何になったんだ。


「翔琉……正直に教えてあげるとするなら、この【魔がさす楽園】……全部、お前の妄想だからな?」

「妄想……?何を言っているんだ。そんなわけあるか‼現に、俺はこの世界に居るじゃないか‼嘘をつくな‼」


否定する。

何もかも……何もかもを……。

嘘だ。

絶対に嘘だ。嘘すぎる。そんな話あるわけない。嘘だ。嘘に決まっている。

みんな、嘘だ。

嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ‼

妄想だなんて、嘘だ‼

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