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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ラストストーリー編:最終章~真終の巻~
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Lastステージ49:消滅

地獄炎瑠へ侵入してしまった【なにか】を急ぎ追って、俺も侵入した。

中に入ると、内装が結婚式の雰囲気になっていた。

美しき装飾……美しきクリスタルの置物……。

だが、それらは赤い液体で塗りつぶされた。

真っ赤で、まだ温かい……血で。


「グチャグチャグチャグチャ……」


目の前で龍族を食べている【なにか】が撒き散らす血で……。


「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼」


と、龍族の戦士は果敢にも向かっていく。

何人も、何人もーーー。

だが、また一人……また一人……。


「ムシャムシャモグモグ」

「お前‼やめろよ、なんで……なんでみんなを食べるんだよ……」

「モグモグ……モグモグ……」

「なんとか言えよ、化物ーーー‼」

「ヒョイッ……」

「‼離せ!離せよぉぉぉぉ‼」


龍族の男は、【なにか】に捕まった。

龍族の男は、【なにか】に食べられそうになっている。


「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ死にたくない‼死にたくない‼死にたくない‼」


バクッ……。

【なにか】は確かに男を自らの口に持っていき食べたーーーはずだった。

だが、【なにか】は食べることに失敗した。


「邪魔スルナト言ッタノダガ」

「目の前で仲間の仲間が殺られるのは、見てられないのでね……」

「あ、あなた様は……天野翔琉様‼」

「龍族の君……頼みがある。全員を、直ちにこの場から逃げるように伝達してくれーーー俺はこいつを足止めする」

「あの天野翔琉様が……分かりました……御武運を」


龍族の戦士は、急ぎ大広間へと向かっていった。

たぶん、ディルかボルがいれば空間魔法で全員を脱出させることができるだろう。

最悪は、俺が囮になっている間に全員が入り口か抜け道から逃げてくれればいい。


「食事ノ邪魔ヲスルナ」

「嫌だね。お前が食事をし続ける限り……俺の仲間は、俺の仲間の友達は死に続けるんだからーーーそれに、ミコトの仇であるお前は、許さねぇ。究極神魔法発動&【勇敢】発動‼」


もう、こいつには総力戦で挑むしかない。

手を抜いて勝てるヤツでもない。

勝てないならば、封印するまでだ……神をも封印する魔法である神封印魔法で。


「神封印魔法:時空箱‼」


俺の手のひらに現出する小さな箱から、いくつもの光の触手が伸びて、【なにか】を捕らえる。

そして、その力を吸いとって、箱の中にズルズルと引きずり入れていく。


「よし、行ける!」


箱の中に次々とやつの力は吸い込まれていく。

吸い込まれていく。

吸い込まれて……?


「ウヌヌヌ……ヌァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」


箱に入るはずの【なにか】のエネルギーが漏れ出している‼

それほど、強大な力だというのか?

まずい!


「容量が……」


俺の手のひらにある小さな箱に、亀裂が入る。

そして、そこからみるみる力が漏れ始めている。


「このままじゃ、暴発する‼」

「チッ……ドウヤラ、オマエノオトモダチハ全員逃ゲタヨウダナ……俺ノ飯ガ……モウココニ用ハナイ」

「……じゃあ、このまま眠れ!」


次の瞬間、俺はやつの開いた口の中に時空箱を放り投げた。

そして、やつがそれを飲み込んだことを確認し、俺は光速で脱出した。もちろん、探査系の魔法をかけ、やつ以外がいないことを確認して。


「よし!」


俺が出口を出た瞬間、火山は噴火した。

が、それと同時に巨大な爆発が地獄炎瑠を包み込み、この土地は地図の上から完全に消滅したのだった。

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