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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
オールドア編:第3章‐進化するべき時‐
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1stステージ33:墓標

「ありがとうございます・・なんとお礼を申し上げればよいものか・・」


 そう言うのはロールの町の町長ジャクである。

 鳥族の長でもあるらしいので、こんなことになる前は、さぞ美しい羽根を持っていたのだろう―――

 だが今は、見事にもがれて頭がハゲタカみたいになっている。

 恐ろしいな、暗黒魔法教団。


「ジャクさん久々ね」

「おお、ディル様―――」


 そういって、ディルとジャクはハぐしあう。

 どうやら、知り合いだったようだ。

 そして、ディルがジャクさんの頭を見て、必死に笑いをこらえている。

 止めてやれよ。

 不本意でやられたんだからさ。


「ディル様―――ご無事で何よりでございます」

「それは、こっちの台詞よ。 私たちが来る前に、いったい何が起こったの?」


 そうディルが聞くと、ジャクはこの町で起こった出来事を話してくれた。

 周りの鳥族は、その光景を思い出したくないため、そそくさと自宅へと戻って行った。

 他の鳥族が、家に入ったのを確認してから、ジャクは語る。

 ここで何があったのかを―――


「今から2時間前―――あの男が来ました。 暗黒魔法教団教祖ブラッド=ブラック……正直、目を疑いました。 あの男―――ブラッドが生きているだなんて……。 数年前に、処刑されて死んだはずだと聞いておりましたので―――町の皆はすぐに逃げようとしました。 しかし、風城から現れたトルネ様の風属性の壁にに阻まれてしまい―――そして全員が捕まってしまったのです。 私はトルネ様に聞きました。 ”なぜこのようなことをするのか……”と。 するとトルネ様は何も言わずに、神殿へ行ってしまわれてしまいました。 恐らく、風城へ戻られたのかと―――そのあとブラッドは言いました。 ”トルネは暗黒魔法教団わがてに落ちた”と―――それを聞いた瞬間、私たちはトルネ様は洗脳されてしまわれたのだと、理解しました。 そのあと、ブラッドと入れ替わるように暗黒賢者ガイルが現れました。 そして、ガイルは”今からここに、大魔導士どもがやってくる―――お前たちにはメッセンジャーになってもらうぜ”、そういって、私どもに洗脳魔法をかけようとしたのですが―――

 突然、”いいや―――やっぱり、お前らの血が見たくなった……”そういって、儀式といい、いたぶり、羽根をもぎ、そしてあの場所へと磔にしたのです。 その後あの文字を書かれ、そのショックで全員気を失っていたのです――――”


 話す手を震えさせながら、彼は最後まで語ってくれた。


「ブラッド―――」


 そう言ってディルは空を見上げる。

 上空には、風城と、太陽が2つあるだけだ。

 ジャクは、そんなディルに、しがみつき、涙ながらに懇願した。


「どうかお願いです―――トルネ様を、お救い下さい。 そして――――我が息子、ガイルの目を覚まさせてやってください……」


 そう―――ジャクの息子は、暗黒賢者ガイルなのであった。

 ディルは、彼に心強く言った。


「分かりました、必ず―――」


 真剣に、彼の目を見て。

 俺たちは心に誓うように、神殿へと向かうのであった―――

 そして神殿前に到着した。

 風城へと通じる、古風な面持ちの神殿―――俺たちは神殿へと入っていくのであった。

 神殿内部1階―――その空間が物語っているのは、この神殿の役割そのものと言える。

 何故なら、ここにあったのはおびただしいほどの石碑―――そして石碑には名前が掘ってある。

 このことから言えるのは、ここが墓場であるということだ。

 その中で、奥の階段近くにある大きな石碑―――ここにはこう書いてあった。

 ”偉大な魔導士ディン、ここに眠る・・”

 ディン・・つまりはディルの父親である。

 ディルの父親は死んでいたのだ。

 だから、ディルはここについて詳しく語らなかったのだろう・・


「さあ、行きましょ・・」


 いつも明るいディルが暗かった。

 この場所がそうさせているからなのか?

 何か思い出したくない記憶があるのか―――

 早くここから移動しよう。

 辛気臭い場所は、好みじゃないんだ―――

 2階に来た。

 中央に魔方陣らしきものが書かれた、ものがある以外は何もない場所であった。


「あそこが、風城へ行くためのエレベーターよ!」


 そういって、ヒョウが魔方陣に向かい走る。

 そして、魔方陣を作動させるために何か呪文を唱えている。

 すると、どうやら魔方陣が発動したようで、陣は光りはじめた。


「いけるわ!」


 そういってヒョウが手招きをする。

 リュウがみんなを引っ張っていく。

 いよいよ、風城へと行くのだ。


「じゃあ、行くわよ!」


 そういって、魔方陣が輝き俺たちは風城へワープしたのだった――――

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