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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ラストストーリー編:第4章~神界の巻~
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Lastステージ45:解放へ

始まりの神ファーストによって、神の管理者セカンドは文字通り神罰を与えられた。

絶対的恐怖、絶対的力……それは、トラウマを植え付けると同時に、上下間系をハッキリとさせた。

仏の顔も三度まで、という言葉があるが、果たしてファーストの場合は三度目はあるのだろうか。

俺は絶対にないと思う。

あんな圧倒的で威圧的な彼女を見てしまった以上はな。


「さて、セカンド。翔琉くんの仲間である麒麟……もとい、トルネくんを返してあげなさい」

「は、はい……分かりました……」

「はぁ?分かりました?」

「いいえ……承知いたしました……」

「うむ、よろしい……」


言葉でさえも、ファーストの意に沿わなければ、セカンドは再び彼女によって神罰(おしおき)をされてしまう。

始まりの神ファースト……恐るべし。


「汝の誓約を解きたまえ……捕縛解除」


眠りについていた麒麟は、みるみる光を帯びていって、やがて人間の形へと姿を変化させる。

紛れもなく、あの姿はトルネだ。


「トルネ……良かった……」

「……あれ?俺は何を……」


トルネはボロボロの姿の俺を見て、俺が何をしに来たのかをおおよそ理解したようだった。

天野翔琉という男のやることを、彼は幾数回その目で見てきた。故に転生した自身を解放するために、この神界にやって来た……その答えにたどり着くのは直ぐだった。


「まーた、無茶しやがったな翔琉」

「仲間のためだからそりゃ……」

「ふん。本当に、お節介だな……まあでも、ありがとう。どうやら、俺は麒麟の転生から解放されたようだしな」


そうトルネが自身の上を指差すと、トルネの真上の空では、太陽のように輝く1体の獣が姿を現していた。

神々(こうごう)しく光々(こうごう)しい……あれが、麒麟。


「汝、我の復活に協力し感謝する……永らく失っていた肉体にこうして返る事ができた……」


そうトルネに言う麒麟に対して、トルネは照れ臭そうにこう言った。


「いえ、俺はなにもしてませんよ。麒麟……」


麒麟とトルネ……彼等には、セカンドに捕らわれている間になにか友情が目覚めていたような……そんな雰囲気が醸し出されていた。


「さて、ではトルネよ……我はなにぶん暇じゃ……どうじゃろうか?再び、お主に宿り、共に生きてもよいかの?」

「……‼もちろんですよ♪」

「お待ちください!」


そう声を荒げるのは、神の管理者セカンドだった。


「麒麟殿。あなたは、全ての世界であなた以外もう生き残りのいない絶滅危惧種……そう易々と、許可はあげられませぬ。これだけは、管理者としての役目として許すわけにはいきませぬ」

「案ずるな、2管理者よ……我は、既にこの世界に新たな我を産み落としている……」

「え?」

「ほら……そこじゃ……」


そう言って麒麟は地上へと降り立つと、近くの岩の塊を砕く。すると、そこから麒麟そっくりの小さな赤ちゃんが出てきた。


「我、麒麟と全く同じである個体じゃ。セカンドよ……これで、満足か?」

「は、はい……」

「大事に育ててやってくれ……頼んだぞ」

「……承知……いたしました」


神の管理者セカンドの満足がいった事によって、麒麟はトルネと共に生きれる事になった。

別々の魂、別々の心を宿し、同じ肉体の中で……。

俺の中にもアマデウスやレネンがいる。

ホルブとボルもこの後、無事に救出する事ができた。

神の管理者セカンドは、神界を神獣の楽園にすると約束し、今後一切、施設内であんな酷い拘束をしなくなったらしい。

始まりの神ファースト、悪魔神ヨルヤ、元邪神アマギは、再び冥界へと戻っていった。

俺たちも無事、全員が神界から戻ってくる事ができた。

戻ってきた俺たちは直ぐにトルネの帰還を祝った。

泣いて、笑って、喜んだ……こうして、麒麟トルネを求める冒険は幕を下ろしたのだった。

そして、俺のこの世界での冒険も……。

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