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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ラストストーリー編:第3章~麒麟の巻~
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Lastステージ37:少年よ、籠の外へ歩め

ホルブとボルが神界へ行ってから、数時間経った。

神界では、すでに1ヶ月ほど時間が経っていることだろう。

こちらとあちらとでは、時間の流れが違うらしいのだ。

……。

となると、やはり……。


「なにか起こったってことになるんだろうな……」


と、俺こと天野翔琉はそう思ってしまう。

部屋の隅で、泣きじゃくって、丁度鼻水を拭いていたときに、不意に思い出した。

2人が神界へと出掛ける前に、彼らは俺のところへと寄っていった。

そして、俺にこういった。


『数時間で戻らなかったら、トラブルが起こったってことで、ディルでも誰でもいいから助けによこしてくれ』


そう彼らは言うと、泣きじゃくってた俺を後にし、旅立っていった。

失った仲間である【風の大魔導士トルネ】を救うために……。

麒麟に転生してしまったトルネ……彼は今、神界と呼ばれる場所にいるらしい。

神界とは、文字通り神様が住まう世界のことだ。

始まりの神ファーストと、悪魔神ヨルヤ=ノクターンによって生まれた理と世界ーーーさらには、彼らから分身として産み出された幾数にも及ぶ神……無闇に他世界への干渉を避けてきたファーストによって、世界へと干渉できる事ができるのは、実子であるレネンとアマギのみで、他の神には世界へと干渉するには、特別な許可が必要になったという。

まあ、世界へと干渉できる神は、その後乱心し、何度も何度も世界をねじ曲げてしまっていたので、何とも言いがたいとも言えるがな。

そんな何人もーーー否、何神も干渉しなかった他世界から、今回はそんな干渉があったのだった。

神獣である【麒麟】の転生。

神界にある麒麟本体の元へ、転生した魂は宿ると始まりの神ファーストは語っていた。

だから、麒麟に転生してしまったトルネは、神となって、神界へと逝ったのだ。

そんな場所に、2人は赴いた。

そんな場所に行った2人は先程のような言葉を残していった。

結論から言おう。

ふざけるな。

誰でもいいから助けをよこしてくれだぁ。

冗談じゃない。

この言葉で目が覚めた。

いつまでベソベソクヨクヨしてるんだよ、俺。前に進まなきゃ行けないし、前に進もうとしなきゃダメだろ。

トルネが麒麟で、転生して、転生直前に悪口言われた位で……。

くそ。


「……行くか」


俺は、引きこもっていた部屋から飛び出した。

そして、家から出ると、目の前には、いつもの仲間たちがいた。

ディルや、ライ……大魔導士のみんなや、太古魔法の使い手のみんな。

みんないたんだ。

ここに足りないのは3人だけ……。

ボル、ホルブ……そして、トルネだ。


「みんなごめん。もう、俺……」

「「その先は言わなくていいよ」」


みんなの回答は同じだった。

言葉は後でいい……今は、彼らを助けに行く方が大切だ。

そう言われたような気がした。


「よし、じゃあ行こう。神界へ……仲間を助けるために」


これが俺がこの世界での最後の闘いとなることになった。

オールドア復旧による元の世界への帰還まで数日……。

不老不死の薬の開発は、(さき)(いくさ)での経験から封印しなければならないとして、俺は帰って何をすればいいのだろうか。

何に夢中になるのだろうか。

俺はなにがしたいんだろうか……。

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