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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ラストストーリー編:第3章~麒麟の巻~
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Lastステージ34:拝啓、友へ……

もう会えない友へ……。

お前は今、なにをしているんじゃ。

お前は今、なにを思うておるんじゃ。

天野翔琉は、お前のお陰で助かったーーーじゃが、お前が目の前で消滅したことで、別荘の一室に引きこもってしまった。

ろくに飯も食わず、ろくに眠りもせず……ただただ泣いておる。

声が涸れようと、水分が無くなろうと……延々と、えんえんと泣いておる。

泣いて泣いて泣いておる。

もう、儂らにはどうすることもできぬようじゃ。

ジンライの甘えや、ライの幼児化、リュウの呼び掛けにも翔琉は反応することさえもしなくなった。

もはや【無】だ。

そんな翔琉を救うべく、躍動し、蠢くのが儂らじゃ。

オールドア復活まで残り数日ーーー翔琉を安全に帰らせるために、儂ーーーホルブと、8人の大魔導士の一人であり、最終兵器とされた男ーーーボルは動き始めた。



天野翔琉が絶望し、嘆いている間ーーー儂たちは【時空図書館】へとやってきていた。

そこで、天野翔琉があの日見てしまった光景を、儂たちも改めて見させてもらった。

確かに……あんなものを見てしまって、言われてしまって、心が折れない方がおかしいのかもしれない。

あんな、残酷で唐突な死に方など、到底受け入れることなどできるまいて……。

儂でも嫌じゃし。


「……おい、ホルブ」


少しやつれたように見えるボルはゆらりゆらりと、儂の元へと歩み寄る。

相当、精神的に堪えているようじゃのう。


「俺たちは、どこに向かっているんだ?」


そう辺りを指差す。

辺りは、溶岩の流れる海と、豪雪の草原。

ここが何処なのかといえば、世界の狭間にある【神界(しんかい)】とでも言っておくかのう。

まあ、儂らには馴染みのある【伏神殿】のある場所とはまた違う場所じゃ。

伏神殿ーーーそれは、世界を監視するためにつくられた神の世界。今では、【真実の神】として転生させられた元英雄である男が、世界を安全に安定にするために監視している場所となっている。

神を守る守護隊以外には、神に認められた者のみが本来ならば行き来できるその異世界。

かつて、全てを食らう獣の侵入によって、大きな損失を受けたその空間は、今ではもうすっかり元通りとなっている。

その【伏神殿】のはるか上空には、更に更に【神界】と呼ばれる異空間へと繋がる扉があったのだった。

初めは空間の揺らぎから始まり、今では目視できるほどにその扉は完全に見えるようになった。

伏神殿で見つけた書物によれば、神界はその名の通り【神が住まう世界】。

始まりの神ファーストも、本来ならばそこに住んでいるはずだったが「(ゴッド)始祖(ファウンダー)」で在るがゆえに神界が滅ぼされたとしてもファーストさえ生きていれば全員が復活できるという事で、ファーストは神界から隔離されてしまう。

ファーストはノクターンと出会ったのはそんなときだったとも言っていた。

つまらなかったから、天地創造などなどを行ったとか。

とんでもねぇ話なんじゃがな……。

そんでな?

そこにいるってことは、何かしら目的があるんじゃよ。儂らには。

まあ、もうほとんど察せられると思うのじゃがーーーここらではっきりと提示しておくのも悪くはないな。

という事で、今回の目的はな……ずばり【麒麟】を斬る事じゃ。

いやいや、殺しはせぬよ。

だが、魂は分割させてもらう。

この、真聖絶光剣でな。

ご存知この剣には、魂を分離する力が備わっている。

その性質を用いれば、例え神と言えど、抗えぬことは先の戦で承知済みである。

故に、この剣は今回におけるキーアイテムであるのだ。


「さてさてさてっと、長い解説も終えたことじゃし、麒麟の元へと向かうかのう」

「ん?ホルブ。麒麟の居場所を知っているのか?」


ボルは、目を輝かせながら儂に問う。

もちろん儂は満面の笑みで答える。


「勿論」


麒麟と言えば、あそこしかないじゃろうな。

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