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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ラストストーリー編:第2章~朱雀の巻~
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Lastステージ31:トルネは死ぬ

天野翔琉を助けるために、翻弄したこの数時間の間に、俺は俺の正体をーーー否、俺の前世を知ることになった。

結果から申し上げると、俺は翔琉を救うことに成功した。

ドッペルゲンガーから、告げられた俺の正体にビビった朱雀が、土下座しながら羽を渡してきたのだ。

不死鳥魔法の宿った、聖なる羽を。

それを俺たちは翔琉の胸に突き刺した。

すると、その羽は周りの闇を食らい、みるみるとどす黒く変わっていく。

そして、全ての怨念を吸い付くしたところで、羽は消滅した。

あの聖なる羽は、浄化というより、安らぎを与えるものらしいのだ。

だからこそ、翔琉の中にいた虎族ライフの怨念は、その身が安らぎ、成仏できたのであろうーーーと、リュウは推察していた。

だが、もう彼が助かったのだから、これで花魁たちも安心するだろう。


「これでよかったんだーーーこれで……」


俺は風城の玉座の上で、そう言っていた。

その目からは、涙がこぼれ落ちていたが、もうすぐ、そんな事さえもどうでもよくなるのだ。

俺が前世を知ってしまったーーーこれは、俺が俺でなくなってしまうことらしいのだ。


"

「トルネの正体は、君たち神獣の上の神獣である【麒麟】だよ」

「ばかな。それこそあり得ぬーーー麒麟様は、いまなお生きておられる。だから、生まれ変わりなどしてはーーー」

「いいや、朱雀。残念だけど、麒麟は大分前に死んでいるんだ……パラノイアという獣に喰われたためにね。ただ、麒麟は肉体だけは不滅だった。だから、この場合は魂だけが転生したと言うべきなのかなーーー今、目の前にいるトルネに」

「何をよまい言をーーー」

「まあ、信じるか信じまいかは別としてーーーじゃあ、さっきの事象について君は説明できるのかい?」

「さっきの事象……神獣ではないものが、神獣の炎を破ることか?」

「その通り。あなたは、神魔法では消せないと言った。その通り、神魔法では消せなかったーーーだが、トルネが無意識に放った風は、何故か消し去ることができた……それは、何故か。トルネという人格ではなく、麒麟という無意識の人格が放った魔法だったからとしか説明がつかない。トルネは神獣麒麟の生まれ変わりーーーでないと、あの炎を消した説明がつかない。と、天野翔琉の情報はいっているよ」

「……じゃあ、本当にーーー彼は、麒麟様の……」

「うん。そうだね。生まれ変わりーーーと言っても、過言ではない。だから、無意識とはいえ、その力を使わせてしまった以上ーーー朱雀殿。あなたは降参するしかない。無意識下での意識は、やがて本体に成り代わり、再び麒麟は麒麟としての身体を取り戻しにかかる。その時、あなたが麒麟の生まれ変わりに反抗していた記憶が残っていてでもしたらーーー」

「あぁ……ぁぁぁぁぁぁぁ……ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

「おっと。そんなに、失禁するほどのことだったとは、ごめんね。さあ、ほら。謝って羽を渡すべきだと思わないかい?じゃないと、麒麟はあなたをーーー」

「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい‼」"


回想終了。

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