表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ラストストーリー編:第1章~虎の巻~
313/349

Lastステージ22:怨念の力

ベルクーサス……その虎について、俺はまだ詳しくない。

何故ならば、今日出会ったからだ。出会って、告白されて、戦って、弟子になった。

それだけだ。

だから、彼が人間を恨んでいる側の虎だとは知らなかった。

そして、今回の黒幕だということも……。


「いやぁ……計画通り……最終兵器を手に入れることができて、嬉しい限りだぜ……」


高笑いをする、傲慢な虎ーーーベルクーサスは、余裕の笑みだった。

なにせ、最終兵器となったのだから……力はほぼ前とは違うほどに増大している。


「ベルクーサス……何故だ?」

「何故だ?知らねーよボゲェ!てか、いつまで師匠面してんだぁ?お前はもう、殺されることが決定した人間の一人の癖に……」


もう、ベルクーサスは以前の面影が無いほどに、禍々しく黒い存在へと変貌していた。言葉使いまでもが、荒々しい上に、凶暴である。


「ディル……ボル達を連れて、空間の外へ……俺は、ここでやつを食い止める」

「!また、一人でなんでも背負い込もうとして……もう、いい加減に……」

「頼む……ディル。俺はあいつの心を理解してやりたいんだ……だから、戦うんじゃなくて、説得するんだ……頼む……一対一で話させてくれ……」


ディルは、そんな俺の覚悟を決めた顔を見た瞬間に、目付きが変わった。

そして、黙って全員を空間の外へと転移させ、自身も外へと避難するのだった。


「さあて、これで俺とお前以外、誰もいなくなったわけだ……ベルクーサス……何故、こんな事をしたんだ?」

「こんな事をしたんだ?だと?ふざけんじゃねーよ!てめぇら人間のせいで、俺たちが……俺たちがどんな思いで生きてきた事も知らねーで!人間のせいで俺の妹は死んだんだ……奴隷だった頃に……遊びで首を切り落とされて、死んだんだ……それがなんだ?今さらになって、偉そうに偉そうに偉そうに‼」


黒い毛並みに相まって、黒いオーラがベルクーサスの周囲を包み込む……。そして、ベルクーサスは狂気のままに、俺に向かって襲いかかるのだった。

まずは、確実に殺すために頭蓋骨を粉砕しようと、オーラを纏った強烈な打撃を食らわせようとしてくるが、俺はとっさに光属性の盾を展開して、難なくそれを防ぐ。

だが、ベルクーサスのもう攻撃は止まらない。


「オラァァァァァァ!」


と、強烈な打撃が繰り出され、俺の盾は木っ端微塵になる。

だが、光属性の力は直ぐ様、ベルクーサスの邪悪なオーラを取り囲み、浄化しようとする。

怨念……即ち、邪な力であることに変わらない。

強い浄化の力を持つ光属性ならば……。


「甘いな!人間!オェェェェェェェェエエエエエエエエエ‼」


口の中から、吐き出されたその剣によって、光属性は絶ち切られてしまった……。

というか、あの剣ってもしかして。


「真聖絶光剣‼」


光で満ちていた剣は、もはやどす黒い剣へと変化してしまっていた。

それはなにを意味するかーーー人間を恨むベルクーサスの手元に、強力な武器が増えてしまったという話なのだ。


「閃光矛‼」


と、俺が腕に呼び掛けるが、なにも反応がない。

あ、忘れてたーーーそういえばさっき、ボルに吹き飛ばされてたんだっけ?

あ、やべぇ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ