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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ラストストーリー編:第1章~虎の巻~
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Lastステージ18:天野翔琉vs最終兵器Blood Life

再び、タイガーランドへと話は戻る……。

首を跳ねられた王妃……血まみれの暴虐な王様の死体……、そしてその上で楽しそうに笑みを浮かべている最終兵器Blood Life。

いや、Blood Lifeだなんてよそよそしい名前はよそう。

親友ボル……。

彼がなぜ、こんな事になってしまったのか……俺には分からない。それは、ボル自身の問題だ。

下手に深入りするのは、友達としてやっちゃあダメな領域だと思うんだ。

本当に仲のいい友達ならば、なにも聞かずに、なにも知らずに、信用するってのがかっこいいと思うんだ。

でも、ダメだ。

とてもじゃないけど、今の俺にはそんな事は出来ない。

だって、目の前で何人も何人も……やられていたんだ。

倒そうと思っていた義理の父親さえも、守ろうとしていた義理の弟の身体も、救えなかった義理の母親さえも。

みんな所詮は義理なのだ。

だけど、義理とはいえ、家族がやられたんだ。

俺は、親友の過ちを正さなければならない。

そうすることが、救えなかった者たちへの罪滅ぼしに……。


「翔琉くん!10分時間ちょうだい!」


と、そんなセンチメンタルな俺に対して、突然ミコトは言うのだ。


「なんで、10分!?」

「私が彼らを蘇らせる時間だからだよ……」

「え!そんなことできるのか?」

「自然的に死んだのならまだしも、外的要因で、つまり殺されてしまったくらいなら、殺されてから30分以内なら、蘇生させることなんて、私には容易なものさ……こう見えて、世界最高峰の治療魔導士リュウの師匠なんだぜ?」

「……じゃあ、頼んだ。他のみんなは、ミコトを守ってやってくれ‼俺はーーーこの親友の相手をしよう……」


そう言って、血の噴水で遊ぶボルに目をやる。

ボルは、赤く染まった手を使って楽しそうに遊んでいる。

だが、次の瞬間、その血の噴水は突如として消えた。

転移したのだ……ミコトのところへ。

ミコトの元へと、移動させられた死体たちは、すぐさまミコトの治療が始まった。

死者さえも、30分以内なら蘇らせることのできる、ミコトの力ーーーだが、それは集中できていたらの話だ。


「人間?なにを俺の噴水を取り上げているんだ……死ね‼」


そう言って、ボルはミコトを殺そうとした。

なんのためらいもなく、なんの迷いもなく……。

そんな親友を、俺はためらいもなく、迷いもなく光速で蹴るのだった。

ボコッと、蹴られたボルは、近くの柱に蹴り飛ばされてしまう。だが、すぐにスッと立ち上がる。


「痛いじゃんか、翔琉。せっかく人間なのに生かしてあげようと思ってんのに……殺すよ?」

「殺せるもんなら殺してみな。俺は何度も何度も殺されたけど、なんなかんやで生き返るほどの悪運はあるんだ。それを殺せるもんなら殺してみな‼」

「やっぱり、翔琉は翔琉だね……俺の大好きな翔琉……俺の大嫌いな人間。本当に、人間にしておくには勿体ないくらいのね……どうだろうか?俺と共に、世界を滅ぼさないか?お前に世界の半分をやろうではないか」

「お前は、どっかのラスボスかよ!」


俺はすぐさまに、光を溜め込む。

もちろん、究極神魔法発動のためだ。

だが、やはりボルはそれにすぐ気づく……。


「やらせねーよ!」


と、(いかずち)の槍を俺の真上から無数に降らせる。

俺はとっさに【閃光矛、防御状態(ディフェンスモード)】を発動させ、どうにか切り抜けるが、ボルは隙を与えずに攻撃してくる。


「翔琉……お前は、確かに強い……魔法さえ発動すればな?お前が魔法を発動できないんじゃぁ、単なるかわいらしい非力な天野翔琉なんだよな……」

「くっ!ボル‼」

「ほら、後ろ……」


ドガン、と雷が俺の後ろに降り下ろされる。

危ない危ない……。


「翔琉……大人しく、俺の親友としてそばにいてくれればよかったのに……」

「ボル‼お前が魔法兵器だろうが、最終兵器だろうが、例えなんだろうが関係ないんだよ‼俺は、お前の友達として、俺は、お前のことが好きだから、お前の前に立ち塞がってるんだよ。親友の凶行を見過ごすほど、俺は甘くないぞ‼俺はお前とバカやって過ごしてたかったんだ‼時にチェスをして遊んだり、時に一緒に砂遊びに出掛けたり、時に砂浜で砂遊びしたり……そんなことをずっとしていたかったのに、そんな風にのほほんとしていたかったのにーーーどうして……どうしてこんなことになったんだよ……」


自然と流れ落ちる涙……だが、怒濤の雷は止むことなく、俺を攻撃し続けるのだったーーー。

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