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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ラストストーリー編:第1章~虎の巻~
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Lastステージ11:白虎殿②

天野狼牙とインドラは肉体の融合(ゆうごう)を果たしてしまっているーーーそれの意味することは、インドラから狼牙を助けるためには、まず分離させなくてはならないということだ。

そのためには、まずあれがどういう融合なのかを知る必要があるだろう。

肉体と肉体の融合ならば、分離させればいい話なのだ。

だが、魂と魂の融合まであるとなると、話は違ってくる。

魂と魂の融合ーーー下手に分離させれば、双方の魂が消滅する可能性があるというのだ。

インドラはこの際どうなってもいいとしても、狼牙……あの子だけは、無事になんとか助けてあげたい。

仮にも、異世界の妹から預かってる異世界の義理の弟なのだし。


「ふむ……しかし、どうやって分離させようかな……というか、そもそもあれはなんの魔法で融合してるんだ?」


もしも、その魔法が固有系の魔法ならばーーー精霊族のあの魔法が使える。

精霊族の固有魔法にして、他種族殲滅魔法である、精霊王魔法【戒めの呪い】。

他種族の力を、特性を、魔法を封じる魔法だ。

それを使える仲間が、いるのだが……この魔法は、実は光属性なのだから、俺も使えちゃうんだよね。

って、話をまだ伏せておこう。

とりあえず、あの融合がなんなのかを知るところから始めよう。


「すみません、ボーイさん♪」


と、俺は猫なで声のように、近くの虎獣人のスタッフに声をかける。

そして、その虎からグラスを受けとり、ステージの近くへとてくてくと歩いていく。

さながら、高貴に美しくその歩く姿に、他のものたちが目を奪われているようだが、そんなことは今はどうでもいい。

今はーーー。


「きゃっ‼」


と、俺はある人物にぶつかり、グラスの中に入っていた飲み物が俺に飛散する。

そして、そのまま後ろに倒れてしまう。

まあ、計画通りだ。


「おや、すみません……大丈夫です……あ、あなたはイミナちゃん」

「あはは……私の名前を知ってくださっていて光栄です。すみません、ぶつかってしまって」

「いやいや、こちらこそ不注意で……おい、イミナちゃんに、あたらしいドレスを‼っと、立てるかい?」

「あ、ありがとうございます……インドラ陛下」


昔ドラマで見たんだけど、こう言う感じで迫れば大抵の男は落ちるとか。

まあ、女装野郎がなにをふざけたことを言ってやがるんだと思うだろうけど、これも義理の弟を助けるためだ。


「コロシアムでの、君の闘い、美しく強すぎだね……すごく好意的に好きになったぜ」

「ありがとうございます……でも、お孫様を相手に、大人げないことをしてしまって……」

「あー、気にするな。コロシアムに出れば、孫と言えど関係ないから」


冷たい野郎だな。

身内に厳しすぎないか?


「それにしても、何故お孫さんが、コロシアムに参加なさっていたんですか?」


ジンライに聞きそびれていたことをこの際、黒幕に聞いてみるとしよう。


「あー、それ?単純に孫の強さを知りたいからって理由で、強制的に出場させたんだよ。まあ、あいつは、私の言うことは聞いてくれるからな……」


脅してだろ?

脅して、孫を支配してやがるのか?


「あらあら……それはそれは……」


ぶん殴りたいけど、我慢しろ俺。

我慢しろ。


「いや、それにしても神魔法を、こんなにも美しいお嬢さんに破られてしまうだなんて……しょうもない話ですよ……」

「……いいえ、そんなことはないと思いますよ」

「おっと、イミナちゃん……では、私はこれで。パーティー楽しんでいってね……」


そう言って、インドラは別の客の方へと行こうとした。

だが、直後に殺気を感じたんだろうか……俺の方を振り向いた。


「???どうか、なさいましたか?」

「……いいや、なんでも……」


まあ、殺気ではないけど、怒りは混み上がってるよね。

息子をバカにされて、玩具にされて……弟の肉体を奪われーーーか。


「ごめんね、狼牙……必ず助けるから……今は、怒らせてくれ……」


そう言って、インドラに向かって光速で蹴りをぶち当てるのだった。

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