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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
オールドア編:第3章‐進化するべき時‐
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1stステージ29:神魔法の本領

 目が覚めた。

 喉元を触るが、別に異常はなかった。

 どうやら、精神世界での傷は、現実世界には影響しないようだ。

 ついつい、格好つけるために、喉にガラス片を刺したのはいいものの、死んでしまったらどうしようかと思った。

 後先考えずに行動するのは、これっきりにしなきゃな。


「ん……あ……起きた」


 上半身を起こすと、ボルとホルブ、そしてディルがこちらを見ているのがすぐに目に入った。


「よかった、器が完成したのね」


 そう言ってディルがこちらに歩み寄ってきた。


「全く、心配したんだから――――」


 お?

 珍しく、心配してくれたのか?

 なんか、女性らしくて、かわいい……


「――――失敗してたら、2度と目覚めなかったんだからね」


 え?

 ええ?

 ちょっと、待って

 だいぶ、待って

 え?


「それってどういう事?」


 と聞くと、ボルが答えた。


「ああ、精神の器は、完成させるために自分自身と戦うんだけどさ、もしその勝負に負けた場合は、2度と目覚めない。 もし目覚めたとしても、もう2度と魔法は使えなくなっていたんだ―――」


 え?

 そんなリスクがあるの?


「だからさ、そういう危険な事は、最初から説明してくれよ―――」


 とほほ……。


「さて、翔琉も目覚めたことだし―――全員で、乱戦でもして実戦経験を増やしましょうか♪」


 寝起きで、乱戦?

 出たよ……ディルの鬼教官ぶり―――




 全ての魔導士と全力で戦う実戦修業が始まった。

 炎・水・雷・闇・氷・・そして光の属性の攻撃が飛び交う。


「おら!炎の魔法:陽炎星かげろう!」


 エンの攻撃。

 溶岩の雨が降り注ぐ。

 さながら噴火のような勢いだった。

 それを見たリュウがすかさず


「水の魔法:水滝流かわながれ


 水が新体操のリボンのようになり、リュウの動きに合わせて華麗に舞い、陽炎星をはじく。

 そして溶岩は水流と共に、流れて消えていった。

 安心したのも束の間―――


「雷の魔法:落雷稲妻いなび


 とライがいうと、雷の雨が降る。

 スーパーセルより、酷いこの大嵐。

 雷が、激しい音と共に流れ落ちる。

 みんな各属性でこの攻撃をガードをするが、ガードするだけで精一杯だった。

 しかし、ここでボルが大きく出た。


「隙あり、空間の魔法:断罪だんざい


 そういうとボルの上空に、これまでのみんなの攻撃が苦手とする属性の攻撃となって、ボル以外の全員に襲い掛かる。

 弱点属性―――という事で、みんなはガードをせずに、回避に専念していたが、ディルがその魔法に向かって


「時の魔法:逆時さかのぼり!」


 と言うと、魔法攻撃が、時間を巻き戻して、ボルの攻撃は消え去ってしまった。

 完全に巻き戻されてしまったようだ。


「やるな!」

「あんたもね」


 何やら通じ合ったような顔をして、ディルとボルは睨みあっている。

 さて、そろそろ。

 俺がここで、魔法を繰り出す事にしよう。

 精神の器を完成させた状態の今―――あの魔法を。


「神魔法:光天神!」


 そういって、俺は光天神を発動させる。

 神々しく輝く翼と、全身を覆う光―――光天神の発動した証拠である。

 発動と同時に、全員が1か所に集まってしまっている。

 どうやら、彼らは結託して、俺だけを狙うようだった。


「やべえのが来たな!」

「翔琉ちゃんを集中攻撃した方がいいわね!」


 そう言って、リュウ達は、四方八方から、俺に向かって攻撃をしてきた。

 舞うように、鮮やかに躱していたのだが、空間の隅まで、追いやられてしまった。

 そして全員からの一斉攻撃が来た。

 大人げないな―――


「光の魔法:輝天鏡こうてんきょう!」


 といい、俺は自身の周りに光の鏡を発生させた。

 輝天鏡は、全ての攻撃を光属性に変換して、10倍に威力を上げて、全員に攻撃する魔法だ。

 攻撃は全員にあたり、空中に浮かぶ俺以外は地に伏せていた。


「まじかよ・・うち、あんなの見たことなかった」

「翔琉……強すぎるだろ―――」

「流石は、俺の運命の人……」

「ここまで、神魔法を扱えるだなんて――――気持ち悪い才能」

「翔琉ちゃん、さすがね―――――」

「翔琉君、これほどとは……」

「儂の魔法でも吸収しきれんとは―――末恐ろしい小僧じゃのう」


 と全員が愚痴をこぼす。

 またディルが、気持ち悪いって言いやがったな。

 もうこうなったら、あの魔法を使ってやる。

 とっておきの切り札。

 最終奥義を――――


「我―――千載一遇を運命の籠へといざなうとき――――」


 呪文詠唱を開始と同時に、ディルが慌てふためく。


「その魔法は! いつの間に! みんな、翔琉の詠唱を止めさせて! あれは光属性最強の攻撃魔法の発動させるものよ!」

「「何!」」


 全員が俺に向かって攻撃を仕掛けるが、一歩遅かった。

 攻撃はかき消され、神々しく生える翼が広がった。

 そして―――


「―――東西を照らす太陽となる! 光の魔法:神之憤怒かみのいかり!」


 その瞬間、俺の背中の翼から光の波動が出て、周囲を攻撃する。

 さながら、ビームのような光弾が、俺以外の全員に襲い掛かった。

 そして、光が止む頃には全員倒れていた。

 俺は、全員に状態異常回復魔法と体力・傷の治療魔法をかけた。

 しかし、いまだに全員倒れこんでいる。

 傷は取りあえず癒した。

 そして、回復魔法を使用した後、光天神が切れた――――器が出来ていたので、気絶どころか、息切れも無かった。

 器が完成していると、ここまで違うものなのか。

 凄いな、精神の器―――凄いな、神魔法――――

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