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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
パラノイアクライシス編:第3章~愚かな獣の鎮魂歌~
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4thステージ28:想い深き男へ

「おい、リュウ!探させたな~おいらに、探させたな!!!」


感情の起伏が激しいパラノイアは、怒った声だが顔は笑っている。感情がもう崩壊してる?


「もう、探したんだからね♪リュウの事、ずっと殺したくてウズウズしてたんだゾ♪」


ヤンデレ通り越して、気持ち悪い生物になり果てた残念なイケメン野郎だな。なんで、こう顔はいいのに性格残念なやつ多いのかしらね?イケメンはイケメンらしくしてればいいのに……まあ、それは所詮あたしたち女子の意見だけど。


「パラノイア……いえ、狼牙と呼ぶべきかしら?」

「来やすく俺の本名よんでんじゃねーよ、ブス。殺すぞ?」


おっと、小学生みたいな返し方だな……バカ丸だし。


「おいらの本名で呼んでいいのは、蘚琉だけだよ~うへへへ、蘚琉~足の指から髪の先まで、ペロペロキャンディーみたいにしてやりてーなー♪」

「気持ち悪い獣……」


なんか、考え方がジンライちゃんとおんなじ思想な気がする……まあ、蘚琉の話を信じるなら似たような生まれ方をしてるから……まあ順当なのかな?


「さてさて、リュウ……いや、おいらの携帯永久食料(ジャンクフード)……おいらの蘚琉(マスター)はどこだ?出さねーと殺すぞ?」

「もう、すぐ殺す殺すって……あたしは殺せないわよ治療女王魔法(ヒーリングマジック)があるしね」

「だが、永遠に発動出来る訳じゃないだろ?」

「……まあね」


でも、今は幻想詩(これ)がある。このチートアイテムさえあれば、永遠に治療女王魔法を発動出来る……。同時にもちろん、身体を浄化させながらね。


「いくわよ、パラノイア!治療女王魔法発動!」


こうしてあたしの最後の戦いが幕を開けた。負ければ世界を滅ぼされる運命……全世界と一人の愛する男のために……あたしはこの世界を守り抜いて見せる!



「水の魔法:湖底概念!」


そういって、あたしとパラノイアを囲む水の檻が出来上がる。以前翔琉ちゃんと始めて会って、始めて戦ったときの戦闘空間。なんだか懐かしいわね。


「そして、水の魔法:水龍波音(すいりゅうはおん)!」


檻の中に、渦巻く水の塊は、獣めがけてその波を撃ち果てる。水属性最強系の攻撃魔法……決まったか?


ゴクゴクゴク……


と、不気味な音をたてて、水は跡形もなく消え去った。


「え?……なにこれ……」

「プハァ……良い水だねぇ~魔力がかなり込められていて素晴らしいね。御馳走様でした……」

「まさか……あんた、あたしの水を?」

「そうだにょん。全部飲み干してやったよ……お陰で水っぱらだぜ!パラノイアだけに……へへっ」


どや顔うぜぇ……。


「まあいいや……もう、終わりだし……」

「終わり?それはどういう……あれ?」


と、パラノイアは自身の身体を見た。既に半分近く凍りついている。というか、自身の吐く息が白いことにも今気づいたみたいだった。まあ、当然と言えば当然か……。かつて、翔琉ちゃんが奇策で行った魔法の組み合わせだし……各言うあたしもこれに1度やられている。


「どう?パラノイア……-273度の世界は……」

「-273度……そ……うか……これは、絶対零度……って……やつ……だな……」

「かつて、あなたの殺そうとしている最後の天野翔琉があたしと始めて戦ったときに使った奇策でね……気がつかなかったことに関して言えば、そう落胆するものではないわね……戦闘大好きなあたしも気がつかなかったことだし……」

「天野……翔琉……おいらの知る天野翔琉より……凶悪性の高い……やつだな……」

「いいえ、むしろ彼は誰よりも優しいわよ。 凶悪というよりは、小悪魔的な天使と言う方が良いのかもしれないわね」

「小悪魔的な天使ね……な……る……ほど……な……」

「じゃあ、おやすみパラノイア……永遠にね」


愚かな獣は氷結の檻の中で眠る……永久に……。

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