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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
パラノイアクライシス編:第3章~愚かな獣の鎮魂歌~
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4thステージ20:安全地帯へ

現状として言わせてもらえば、非常にぶが悪い。それどころか、ピンチとも言えるこの状況……。さてどうする?


「おや? まさか、また逃げようとしてない?」


と、パラノイアの頭の中を読んだような問いにあたしは一瞬戸惑ってしまう。戦うという選択肢も存在する……今のあたしは、前回のような不純物が溜まっている状態ではないし、【あの魔法】が安全に使えることは確かだ。だがどうだろうか。果たして、あれを使ったところでこいつを倒せるとは到底思えない。むしろ、エネルギーとして蓄積されてしまうのが目に見えているのではないか。

だとすれば、こいつを倒すための打開策を探すためにも……今は逃げるしかない……って考えていたんだよな……。


「じゃあこうしようぜ、リュウ。 おいらに蘚琉を返してくれたら、イミナと翔琉以外は殺さないであげるよ♪ 渡さないなら、蘚琉以外の全ての生物は皆殺しだ……さて、どうする?」

「あなた……一人の少女と世界を天秤にかけてるわけ?」

「まあね♪ それくらいの価値があるんだよ、天野蘚琉(マイマスター)にはね……むしろ、それだけ愛しているんだよ」

「ストーカー野郎め……」

「なんとでも言えばいいさ♪ でも、これだけは知っておいてくれ……おいらには全世界の生物を皆殺しにできる力があるってことをね……」


笑顔でそういう獣に、あたしは恐怖した。正直言ってビビってる。足はふらふらするし、口がからから、手や身体が小刻みに震えている。そして、選択を誤ればあたしのせいで、世界は終わる……。


「ちょっと考えさせてもらえないかしら? 大事なことだし、直ぐには……」

「ーーーんじゃ、10秒あげるよ」

「それでいいわ……」

「10……9……」


(なにかないのか!)


「8……7……」


(こいつからみんなを守って、誰も死なずにすむ方法……)


「6……5……」


(そういえば……‼ あそこだ!あそこなら、全員を避難させて尚且つ安全だ!)


「4……3……」


(よし、そうと決まれば……)


「2……1……」


(呪文詠唱完了まで時間を稼がなきゃ!)


「……0……さあて、答えを聞かせてもらおうか……」

「……分かった……その前に1つだけあたしの質問に答えてくれないかしら?(千載一遇の灯火をあげる戦乙女(ヴァルキリー)の涙よ……)」

「ん?ん?ん? 今さらって感じがするけど……なになに?聞いてあげるよん?」

「……あなたさ……(遠吠えの咆哮に冴えなまれ……)」

「うん」

「……結果としてなにがしたいわけ?(幾億もの魂を方舟(ノア)へと送り……)」

「うーん……あーあ、最終目標ってこと?」

「……そうそう(永久(とわ)の守護で全てを包み込め‼)」

「おいらの目標はね……天野蘚琉と永遠に生きること……どんなに嫌われても、どんなに愛されてなくても、どんなに不幸でも、どんなに泣こうが喚こうが……とにかくおいらの命つきるまで、永遠に一緒にいてほしい……だから、それを邪魔するやつは全員殺す」


と言い終わった瞬間、あたしはバッと腕を天井に向かって突き上げた。そして、奥の手を使うことにする。もしもの時にってディルに教えてもらっていた最終手段にして、最大回避行動。


最終回避魔法(ラストエスケープ)発動!」


そう言った瞬間、あたしとパラノイアを除いた全世界の生物はある場所に転送された。

それは、神さえも領域をおかすことが許されない絶対的な断絶空間。


【時空図書館】


ここは時の監視者ディルが、世界にもしもの事があったときのために、別途でシェルターを作っている。それも全世界の生物を避難できるほどの巨大な空間。

別名【空想空間(マキシマムシェルター)】。ディルはあたしにその場所へ移動するための魔法を教えてくれていた。だけど、これは発動者と敵以外にしか適用が効かない魔法……だから、あたしは犠牲になるのを覚悟でこの魔法を使った。

この先どうなるか分からないけど、あたし以外のみんなは助かる……。

さて、眉間にシワをよせ、もはや言葉が通じそうにない騙された憐れな獣とあたしは戦うことにしよう……。

翔琉……あなたが戻るまで……なんとか持ちこたえるから……早く助けに来てよね……。



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