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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
パラノイアクライシス編:第3章~愚かな獣の鎮魂歌~
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4thステージ18:小休止

「ふぅ……」


っと、長い語りを終えた蘚琉(かのじょ)は一息つくかのように深く息をはいたのだった。


「いやー、本当はこれからなんだけど……ちゃっと、疲れちゃったから休憩しない?」


と、にこやかに彼女は言った。まあ、確かに……長い間眠りについていた人物が身体を動かせること事態が奇跡なのだし、ましてや喋れること事態奇跡なのだな。

あれ?でもまてよ?


「ねぇ、蘚琉ちゃん。 あなた不老不死にさせられたってことは、別にパラノイア……いえ、狼牙があなたの為にエネルギーを集める必要は無かったんじゃないの?」


とあたしが言うと、周りのみんなも「なるほど……」と言わんばかりに頷いている。


「まあ……それは確かにそうだよな……もし、不老不死になったんだったら、別に何も接種する必要性はないもんね……」


だが、イミナと蘚琉だけはこの発言に対して顔を曇らせた。あ、もしかしてヤバイこと聞いちゃったのかな?


「うん……まあ、確かに……普通の不老不死ならばそうなったんだろうね……」

「そうねお兄ちゃん……普通の不老不死ならね……」


普通の不老不死……とは、あたしたちの考えているところの【なにもしなくてもいい状態】の不老不死なのだが……もしかして、蘚琉は【普通じゃない不老不死】なのかな?

いやまあ、考えてみれば蘚琉が不老不死になったのって、夜弥の作った試作の不老不死の薬なのだよな……。

試作品ってことは、まさか副作用が?


「まあ、とりあえず……その辺の謎は休憩後に全てを語ることするわね……」


そういって蘚琉はその場で眠りについてしまった。イミナは、そんな彼女をよそに外の様子を気にしているせいか、水晶の方へと向かった。なんか、この二人の関係……暖かいのか冷たいのかよそよそしいのか分かんないな……。



あたしはイミナと共に、水晶の前に来ていた。現在のパラノイアの状況を目視して確認するためだ。


「ふむむ……現状パラノイアは沈黙しているな……」


と、水晶に目をやっているイミナは言った。確かに……あの場所で目を閉じたまま動いてはいなさそうだ。何かを企んでいるのか?または、なにかを探っているのか……そんな不安を感じさせるほど、少し不気味に見えた。


「あいつ……何をしようとしているのかしら?」というあたしの問いにたいして、イミナは淡々と次のように述べた。


「わかんねー」


そりゃそうだけども……もう少し言い方を考えろよ、と思わず言ってしまうほどの簡略化された答えだった。だが、イミナはなにか思い当たるような顔をしている。一瞬誤魔化されてしまったが、明らかになにか知っているような顔をしていた。彼が何を隠しているか……それが分かるのは案外すぐだった。


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