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4thステージ0:扉を直した代償

ディルたちがオールドアをくぐった直後から始まるこの物語……。

物語を語らせてもらうのは、あたしこと水の大魔導士リュウ。

戦闘狂(バトルマニア)の女……。世界最高峰の治療魔導士……。それがあたし。


「さて……オールドアは翔琉たちの帰還まで暫し閉じさせてもらうね」


そういって、一人の少年が扉を閉じた。

彼の名前は、イミナ=ファルコン。

扉を創りしもの……。旧天野翔琉……。色々呼び方はあると思う。今言えるのは、あたしたちの敵では無いということだ。

イミナが扉を閉め終えたその瞬間……私たちは【それ】が出てくるのを目撃した。

扉が燃え尽きた場所より【それ】は現れた。


「お……お前は……」


そういって、あたしやイミナ、ヒョウも動揺していた。

そして、ドッペルゲンガーでさえも……。心無き人形でさえも、動揺していた。

だって、あれは前にドッペルゲンガーが変身した姿の【それ】だったからだ。


「お前は……パラノイア……‼」


犬耳に短い白い髪……そして、僧侶のような格好……なにより、天野翔琉に似てるあの顔立ち……間違いない。

あれは、パラノイア。

伝説の【生命を喰らう魔物】。


「ん? なんだよ! じろじろ見るなよ! 数千年ぶりにシャバの空気楽しんでるんだよ、おいらは」


ふぅ……と深呼吸と伸びをしたのち、彼が軽く腕を降り下ろすと、遠くの山が崩れ去った。


「ふぅ……どうやら、身体が鈍っちゃってるな……まあ、でも(マスター)と、一緒に寝ていられたのは幸せだったな……えへへへ……あの寝顔たまんねぇ……」


だらだらと、よだれを垂れ流して気持ち悪い笑みを浮かべるパラノイアにあたしが思った事はただひとつ。


こいつも、変態なんだな……。


なんか、個性的な変態多くて困るわ……。


「ふぅ……さてと……久しぶり、お兄ちゃん♪」


そういって、パラノイアはイミナ=ファルコンの方を見ている。

え?

お兄ちゃん?


「お兄ちゃん……なんて、呼ぶ気なんて無いくせに……よくも、そんな風に言えるな……パラノイア……」

「だって、お兄ちゃんはお兄ちゃんでしょ? ほら、(マスター)とおいらが結婚したら翔琉お兄ちゃんは、お兄ちゃんでしょ?」

「よくもまあ、そんなこと言えるな! 俺を殺しておいて、よくもまあそんなこと言えたな!」

「えー、だって……(マスター)があまりにも「翔琉お兄ちゃん♪ 翔琉お兄ちゃん♪」って、おいらにかまってくれなくなったから、その対象物を消すしかおいらは、(マスター)に可愛がられないじゃないか!」


イミナを殺した?

こいつが?


「あとさ……ひとつ聞くけど……また、別の天野翔琉くんが誕生しちゃったんだね……また殺さなきゃいけないじゃないか……(マスター)は、天野翔琉という存在がいとおしいから、せっかく色んな異世界巡って天野翔琉を皆殺しにしたのに……お兄ちゃんが生きてるって聞いて、もう一回殺そうと思ってここに来たら、むちゃくちゃ強い【始まりの神】ってのに、邪魔されて封印されちゃうし……参っちゃうよね……」


こいつの目的は天野翔琉という存在の抹消……。

つまり、ディルたちが助けに行った私たちの【天野翔琉】もその対象ってこと?


「まあ、全世界で二人しか残ってない【天野翔琉】を殺せば、おいらは永遠に主と一緒にいられるんだ……おいらが愛して愛して愛して愛して愛してやまない、天野蘚琉(あまのこける)と……」


そういうと、パラノイアは上着をはだけさせる。

そこには眠りにつく一人の少女がいた。

パラノイアの体内で、眠りにつく彼女。天野蘚琉。つまり、彼女が死者復活の研究を完成させた、天野翔琉の妹……。

つまりは、イミナ=ファルコンの実の妹というわけか。

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