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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ミラージュエンド編:最終章-幻想の終わりは目覚めの予感-
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3rdステージ52:鷹、直す

ゴゴゴっと、すさまじい炎でみるみる焼かれていくオールドア。本当にこれで扉が修繕されてるのか?

それにしても、何故イミナはにやけているのか?

いや、私の勘違いかもしれないんだけど、イミナ=ファルコンが扉の修復中……つまり今この状況において、何故にやけているのか……それを考えてしまうと、奴は扉を破壊しようとしてるのではないだろうか、という考えにたどり着いてしまう。

もしも、そんなことをされてしまえばーーー私たちは天野翔琉を助けに行くことは不可能になる。

まあ、もしもの時はタイムリープでもして食い止めるんだけど……。成り行きをそのまま見ているだけというのは、どうにも危なっかしいと思ってしまう。

先の戦闘で記憶を失ったせいか、疑心暗鬼になってしまっているのだろうか?


「もうすぐ、直るぞ!」


と、イミナは笑顔を私たちに送る。

それはまるで、天野翔琉本人のような笑みだった。

それと同時に、イミナの身体が透け始めている。


「あれ? イミナ……その身体……」

「あぁ、これ? オールドアの修繕には文字通り命をかける必要があるんだよね……今まで旧オールドアに固定していた僕の魂を、新オールドアに固定させるためにね……でもそれには、その前に【成仏(じょうぶつ)】してしまうってリスクがあるのさ……所詮僕は死人……魂を固定していなければ、理に沿って循環しなければならないからね……」

「え? じゃあ、急がないと! 私たちになにかできることある?」

「うーん……僕に魔力を送ってくれ。 そうすれば、早く仕事が終わって魂を固定できる!」


と、イミナは言った。

だから、私たちは天野翔琉を救うために……そして、イミナを信頼できる存在にしたいために、あえて魔力を彼に与えた。

精神の器の中にある、私たちの魔法エネルギーを魔力として、イミナ=ファルコンに与える。

その合計量は、天野翔琉の究極神魔法発動時に匹敵するほどの量だ。ちなみに、ジンライはまだ究極神魔法を扱うには修行しなきゃいけない(本当は翔琉もそのはずだったけど、いつの間にか使えるようになってて気持ち悪い)ので、天野翔琉の究極神魔法には及ばずながら、神魔法レベルの力をイミナに与えることはできた。

ジンライも、数年努力すれば翔琉を追い抜かせそうだけど……その頃の天野翔琉はまた強くなってるのかな……。


あいつ、どこまで強くなるのよ……。



「いいねぇ! これなら、時間内に間に合いそうだ!」


イミナは命をかけて、全身全霊の力を扉に与える。

次第にその姿は薄れていくが、ようやく扉が出現し始めた。


「おぉ……あれが、新たな【オールドア】」


その姿は、まるで天使が祝福を与えているかのような造形のした扉……。

異界へ繋がると言うより、天界に繋がるのではないかというほどの神々しく、美しい扉だった。

扉はみるみる完成していく……。

これで、ようやく天野翔琉を救うことができる……。


「よっしゃぁ!ラストスパート!」


そういって、イミナの足が消えかけたとき……ようやくそれは出来た。

新オールドア……。

その瞬間、イミナの身体は元に戻った。新たな扉に魂を固定させることが叶ったようだ。

これにて一件落着。

さあ、いよいよ天野翔琉を救いに行くときだ!



「人選は、私とフルート、ジンライ、ライ、ヒョウ、エンの6人で翔琉を助けに行くね」


と、私は皆に言う。

人選的に、回復役のリュウも同行してほしいのだが、そうなってしまうとこちらの世界が手薄になってしまい、危険だ。

だから、必要最低限としてどのみちジンライを連れていくのだから、勘弁してほしいところだ。

そして、この人数にプラスしてエンの嫁ファイと、ライの弟子フィリを連れていく。

本当は龍族の女王と精霊族の王女を連れ回してはいけないのだが……この二人は、エンの場合だとイチャイチャしすぎたし、ライの場合だと半分強迫みたいな感じなのだよな。

まあ、二人とも実力者ではあるから心強い。


「それじゃあ、みんないってらっしゃい!」


と、イミナの声を合図に扉がガチャリと、開く。

そして、私たちは天野翔琉を救いに翔琉の世界へ赴く。

待っててね翔琉……今助けてあげるから!

もう、惑わされない。

幻想終了(ミラージュエンド)……これで全てを終わらせるんだ。

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