3rdステージ41:誰なの?
はじめましてこんにちは?
私は、名前がありません。
私には過去がありません。
私には語る物語もありません。
数日前に、とある人が洞窟で助けてくれなかったら私は死んでいました。
という話らしいです。
私はその人の元で今働いているんですけどね。
いやいや、本当に心が広い方ですよ。
「おーい、娘ちゃん♪ 今日もよろしくね♪」
「はぁーい♪」
私はとある酒場で働く娘。
格好は、白いワンピースに黒のレースのあるエプロンをした服装に、赤いバンダナをした女の子。
それが私。
雇い主のお兄さんはとてもいい人。
だけどなんだろう?
たまに、変な躍りを踊るんだよね。
でも、それがすごく頭の片隅から離れられなくなるんだ。
これが、中毒ってやつかな?
「おーい、娘ちゃん! 早く!」
「はーい、ご主人。 ただいま!」
私には名前がない。
だけどなんでかな。
時々頭の中によぎる言葉があるんだ。
すごく大切な思いだった気がするけど。
「誰なんだっけ……あの人……背は小さめ……白い服を着た……中性的な顔立ちの優しい男の子……名前は確か……」
と、いいかけたところでどうやら私の仕事が来てしまったようだ。
「じゃあ、娘ちゃん。 今日もよろしくね♪」
「はい、マスター……いえ、ドッペルゲンガー店長って言えばいいんですか?」
「長いから、マスターでいいよ♪ ほら、今日もお仕事の時間だよ……頑張ってね」
「はい」
バサリと、服を脱いで私は舞台に上る。
そこで私は踊るのだ。
私は踊り子。
とある酒場の看板娘。
記憶を無くした、哀れな女。
惨めな女は今日も踊るのだ。
見せしめのように、変態なオヤジどもがいる
なんか、有名人も来てるらしいよ。
なんでも、世界魔法連合ってところの儀長ってのが5人……。




