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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ミラージュエンド編:第5章-泉の源泉に潜む魔物-
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3rdステージ39:癒しの源

起源泉。

オールドアを直すために必要なアイテムにして、世界最高峰の魔導士ミコトの涙。

とある神話には、神様の涙で海ができたなんてのもあった気がする。

その神話通りではないが、ある意味では世界を行き来できる究極のアイテムを生み出したと言う意味合いでは等しいのかもしれない。

目の前に広がる水。

そして、幻想的な結晶から流れ落ちる水。

これが、起源泉……。


「じゃあ、ひとすくいだけ持って帰りましょうか」


と、私は小瓶を手にする。

その瞬間に、ミコトが舞い降りた。

というか、泉の中心の結晶の上に立っている。


「あ……あれは……ミコトさん?」

「やっほー、時の娘ッ子ちゃん。 どうやら、私の放った試練に合格できたようだね~おめでとうさん♪」

「試練? いったい何を……!?」


と、いいかけたところでミコトが手に持っている人形を見て分かった。

だって、あの人形は……


「あー、これ? これは、ドッペルゲンガーだよ♪ 私の可愛い操り人形ちゃん。 自我を植え付けてたんだけど……変なことしそうだったから、記憶も能力も全部ゼロにしちゃった♪」


と、ミコトは可愛らしい顔で恐ろしいことを言うのだった。

つまりは、私たちは人形に踊らされていたということなのだろうか?

いやいや、この場合はミコトに操られていたのだな。

彼女の手のひらで操られる、哀れな道化師の人形の1体として……。


「全くもって、ご都合主義にもほどがあるわよね……時の娘ッ子ちゃん。 あんた、1度人殺しになってるのに時間を巻き戻してその未来を回避しちゃうとか……時間を舐めすぎてないかしら?」

「……」

「だんまり……全く。 最近の娘はこれだから……」

「それで? あなたがここにいるってことは、あなたと戦わないと泉の水は手に入らないんですか?」

「うむ……? 誰も戦闘するって言ってはいないんだけど……どうしてもって言うなら戦ってあげてもいいわよ?」

「いや……いいです。 とてもじゃないけど、そういう気分じゃないので……」

「あらあら? 人殺しの時の娘ッ子ちゃん。 なんで、そんなに機嫌悪いのかしら? 人殺し。 え? 人殺し。 やーいやーい、人殺し」

「おちょくってんのか!」


あー、この感じ……。

ご先祖に似てる。

ムカつく。

なんか、人の優しさを踏みにじって更にダメにしてこようとするこの悪魔のような感じが、ますます……。


「ふぅ……さーてと……私はそろそろ、仕事に戻るよん」

「なにしに来たんだよ!」

「え? あー……試練そろそろ終わったかな~って様子見に来ただけ」

「試練のために、パラノイアなんて設定まで用意して……もう、師匠はあざといと言うか、イヤらしいですね……」

「え? パラノイア? いや……私はドッペルゲンガーを配置しただけで、パラノイアなんて設定してないけど?」

「「「え?」」」


え?


「いや、そもそも……パラノイアって、始まりの神が命がけで封印した化け物よ? 私ですら勝てない化け物を真似するなんて、到底考えないんだけど」

「じゃあ、パラノイアって設定は誰が……」


と、話をしているとドッペルゲンガーの人形が動き始める。

怪しげなダンスを踊ったのち、人間サイズの大きさになった。


「それは、おいらがやったんだぞ」


と、ドッペルゲンガーは語りかけた。

ドッペルゲンガーの姿は、犬耳に短い白い髪。

そして、僧侶のような格好になっている。

誰だ?

いや、それにしても顔が翔琉に似てるけど……。

でも別人なんだよな。

近いけど。

しかしながら、ミコトだけは反応が違った。

先程までの雰囲気とは違い、かなり焦っている。

そして、何より涙目だ。


「そんな……まさか……パラノイア……!?」


と、ミコトはかすれた声で言った。

もう、死にそうなくらいの勢いだ。


「違うって……おいらの名前はドッペルゲンガー。 他人の記憶を読み取ってその者が一番強いと思う者に変身する人形ダゾ☆」


と、言った。

つまりは、今この姿のドッペルゲンガーが神話より昔の童話の時代の化け物【パラノイア】の姿と言うわけだ。

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