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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ミラージュエンド編:第5章-泉の源泉に潜む魔物-
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3rdステージ36:洞窟内部へ

「よし! こんだけ、ぐるぐる巻きにしておけば出られないね♪」


フルートが、どこからか取り出したロープでドッペルゲンガーはぐるぐる巻きにされている。

このロープには、魔法効果無効化と物理効果無効化能力を持ったこっちの世界の警察が持っている特殊なロープ。

なぜそんなものを彼女が持っているのかと言えば、フルートの守る森の侵入者に使うものらしい。


「さてさて、ドッペルゲンガーの正体がこれで……」


と、思ったん瞬間にドッペルゲンガーの額に何かが当たった。

そして、ドッペルゲンガーは消滅した。

まるで、粉くずみたいに。


「そんな……せっかく殺人の未来を回避したのに……どのみちこの男は殺される予定だったの?」


私は虚しくなった。

せっかく殺人せずに済んだのに……。

せっかく生き残れる方法だったのに……。


「後味悪すぎ! 攻撃は……洞窟内からか……」


フルートは防御魔法を展開した。

念のため。


「うう……みんな?」


と、その時ヒョウが目を覚ました。


「ヒョウ! よかった! 目が覚めたのね!」


そういって、みんなが近寄ってくる。

本当によかった。


「あれ? リュウは? まだ、あいつに!? こうしちゃいられない! 助けなきゃ!」


そういって再び洞窟内へと向かおうとするヒョウ。


「ワタクシは、行かなければ……リュウを助けなきゃ!」

「待ってヒョウ! 洞窟内に何がいるの?」

「怪物……たしか、パラノイアって名乗ってましたわ」

「「「パラノイア!?」」」


私たちは声を揃えて言ってしまった。

パラノイア……古き歴史の怪物。


「もしも、本当にパラノイアだったら……リュウの命が危ない!」

「ヒョウ……案内してくれる?」

「急ぎますよ!」


そういって私たちは洞窟内へ急いで向かうのだった。



洞窟内部は光る苔だらけだった。

そして何より、ひんやりとした空気と生臭い匂い。

なんだろう。


「あの奥の泉です!」


と、ヒョウは奥の大穴を指差す。

確かに水の音がする。


「ところで、ヒョウたちって……なんでここにいるの?」

「え?」

「いやいや、だってフルートの家に居なかったから……」

「あー……なんでも、オールドアの修復するにはこの奥の泉が必要でしたということだったので、リュウさんに連れてきて貰ったんですよ」

「なんで、それを知ってるの?」

「え? ディルさんが手紙をくれたんじゃないんですか?」

「手紙? 私そんなもの出した覚えないわ……」

「え? じゃあ、これは誰の?」


と、懐から手紙を取り出す。

あれ?

確かに私の字だ……。


「え? でも、私こんなの出した覚えないわ……」

「??? じゃあ、誰が?」


そんなことをいってる間に、大穴の前に来ていた。

そして、大穴に入るとそこには洞窟の天井から伸びる触手に吊るされたリュウと、1匹の獣がいた。

その獣の風貌は、まるで犬。

しかしながら、ボロボロの服を身に纏っている。

そして、リュウの身体を仕切りに触り、舐めている。


「やめなさい!」


と、フルートが声を張ると、獣はこちらに振り向いた。

その顔は、まるでリュウの弟子のウールのようだった。


「お前が……パラノイア!」


と、私は問うと獣はその穢らわしい口を開く。


「そうだ……俺様こそパラノイア……女をむさぶり回すパラノイア様だ」

「うわー、見た目通りのゲスな野郎だな……」


と、アニオンが言うと。


「俺様をゲスと呼ぶそこの小娘には、褒美をやらぬとな」


そういってアニオンに、向かって指をはじく。

すると、アニオンの身体が一瞬ピンク色に光った。

そして、次の瞬間に。


「あはぁぁぁ……パラノイア様ぁん」


と、言ってパラノイアの方へ走ってそのまま捕まった。


「え? どういう事だ?」


と、ジンライが首をかしげている。

すると、パラノイアはゲスな笑いをした。


「その娘には、魅力(チャーム)を使ったまでよ……」

「魅力ですって!?」

「なんだ?魅力って?」

「魅力は、異性にしか使えない洗脳魔法なんだけど……限定されている分、能力が強いのよ……半ば呪いに近いほどの能力を秘めているんだけど……問題はその魔法を使う代償。 魅力を使うには人間であれば人間性が、獣系の種族ならば獣性が無くなるの。 つまり、【何でもない者】になってしまうの。 恐らくあいつは、元は人間だったんじゃないかしら?」

「違うねぇ……俺様は獣だぜ……性欲に飢えた獣だぜ……」

「気持ち悪い……」


と、フルートが言うと今度はフルートに向かって指をはじく。

また、ピンク色の光がフルートを包み。


「あはぁぁぁん! パラノイア様ぁぁぁぁぁぁぁ!」


と、フルートはパラノイアに捕まってしまった。

捕まったフルート達はリュウと同様に触手に捕らえられている。

その捕まった3人の足を舐め回しながら、パラノイアは言う。


「俺様こそ、無敵にして最強の生命体だ……さてさて……躾をしなければな……」


といって手より鞭を取り出す。

そして、3人をぶち始める。


「おらおら、気持ちいいだろ? 下僕!」


と、罵声を浴びせるパラノイアに対してうっとり顔で3人は。


「「「はぁぁぁぁぁい! ご主人様ぁぁぁぁぁぁ!! 至福の喜びをありがとうございますぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」」」


「こりゃぁ、地獄絵図だな……」


と、ジンライはほほを赤めながら見つめている。

興奮してんじゃねーよ。

足を踏み、にらめつけた私にジンライはぎょっとしていた。

さてさて、どうやって倒そうかな。


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