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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ミラージュエンド編:第5章-泉の源泉に潜む魔物-
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3rdステージ35:運命をねじ曲げた女

「お前は……ドッペルゲンガー!」


と、私はまだ名前すら名乗らずに天野翔琉の姿をしたやつに叫んだ。

ドッペルゲンガーは、驚いていた。

それと同時に、姿を見破られたことに対して動揺した。

しかしながら、これは私とドッペルゲンガーにしか分からないこと。

他のフルートだったり、アニオンだったり、ジンライはこの事態を全くといっていいほど理解していなかった。

というか、理解するほどの情報がなかったのだ。


「え? あれって……天野翔琉くんじゃないの? ディル……」


そういって、フルートはやつを見る。

確かに、姿形は天野翔琉そのものだ。


「そ……そうだよ! 俺は天野翔琉だぜ! 何言ってるんだよディル!」


声も同じだ。

だけど……


「「でもこいつ、匂いが違うよ」」


と、私とジンライは声を揃えて言った。

ジンライは、えっと言うような顔をしている。


「天野翔琉の匂いは、ハーブとシャンプーの甘い香……それに引き換え、やつはタバコとヒョウの血の匂いがベットリとしている……でしょ? ジンライ」

「あ……あぁ……そうだ!」


ジンライは未だにきょとんとしている。


「でも、なんでディルがそんなこと知ってるんだ? これって、鼻のいい種族しか分からないはずなのに……」

「私は1度、この光景を目撃してるのよ……」

「え?」

「私は1度こいつを殺した……だけど、死ななかった。 天野翔琉の能力を持つこいつは死ななかった……私はこいつに人殺しのレッテルを貼られた……そのショックで無意識に過去に遡ってしまった。 だから、私にとってこれから起こることはデジャヴなのよ……」


くくくっと、ドッペルゲンガーは笑っている。


「あはぁぁぁあはぁぁぁ……なるほどね……それなら俺の正体や能力知ってても違和感ねーや……で? どうする? 魔法耐性の強い身体と能力……そして、不死身に近い主人公スキルまで会得してしまっている俺に……どう対応するのかな?」

「簡単よ……あなたが天野翔琉に近いものならば、天野翔琉が何に弱いのか……それを知ってるはずよ……」

「なに?」

「じゃあ、ジンライ……あのね……」


と、私は堂々と耳打ちをする。


「……! 確かに……翔琉(ママ)なら、それに引っかかるけど……」

「うん、やってやって!」

「まあ、それであいつ倒せるなら……行くぞ! うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


ジンライの身体が光に包まれて行く。

そして、眩い光が消えた瞬間に彼は変身していた。

幼児の姿に。

そして、うるっとした目でドッペルゲンガーの方に向かって言った。


翔琉(ママ)は、俺の事嫌いなの? じゃあ、俺も嫌い! だいっ嫌いだよぉ!」


その瞬間に、翔琉の姿をしたドッペルゲンガーは鼻血を吹き出して倒れてしまった。

天野翔琉最大の弱点。

それは、自身の息子であるジンライである。

あの男は、幼児に極端に甘い。

更に言えば、ロリやショタにはかなり。

もっといえば、自身の息子には特に甘い。

子供の【おねだり】に、本気で取り組むんだから、子供から言われる罵倒なんてものには耐性があるわけない。

天野翔琉破り、ここにあり!

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