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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ミラージュエンド編:第5章-泉の源泉に潜む魔物-
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3rdステージ32:予期せぬ再会

こうして、氷となっていた泉は、元の水に戻ることに成功したわけだ。

どういう意図でヒョウが封印凍結していたのかは分からないけど、とにかく今は先を急がねばなるまい。


「さてさてさーて、急ぐとしますか」


フルートとアニオンはおもむろに、風魔法を身体に纏う。

そして、勢いよく泉へダイブした。

激しい水しぶきが吹き荒れる中、泉の中心には大きな渦ができており、その中心部は陸の部分が見えていた。

その近くに、洞窟の入り口があった。


「じゃあ、私たちも」


と、ジンライと共に飛び下りた。

風が舞うなか、洞窟の入り口へとたたずむ私たち。

そこに、ふらふらと何者かが洞窟より近づいてきた。

私たちは、戦闘モードに切り替わって、すぐに臨戦態勢に入った。

しかしながら、姿が完全に見えてそれは無くなった。

なぜならば、その人物は私たちが見知った相手だったからだ。

世界最高峰の封印魔法の達人にして、氷の眷族である氷の大魔導士ヒョウだったからだ。


「あ……うぐ……」


と、呻き声をあげてその場に彼女は眠るように倒れこんだ。

よくみれば、ひどい怪我だ。

全身から血が流れ出ている。

普通ならば、死んでもおかしくない量だぞ。


「ジンライ、急いで治療を……」

「うん! 分かってるよ! 光治!」


と、光天神状態のジンライは彼女を素早く治す。

しかしながら、光治はあくまでも傷の完全回復のみ。

流れ出た血を完全に修復するには、またジンライでは未熟すぎる。

ちなみに翔琉は、平然とそれをやってのけていた。

本当に、バケモノみたいなやつだよ。翔琉は。


「いったい何があったらこんなことになるんだ?」


と、目を見開いてジンライは震える拳を必死に押さえながら言った。

ヒョウの傷は、思っていた以上に深いようで未だに彼女は目を覚まさない。

光天神での光治で治したのにも関わらずに、未だに眠っている。


「まるで、何かにいたぶられた跡みたいだったわよね……さっきの傷……」


と、フルートは口元に手を置き洞窟の方を見つめた。

何かおぞましくて、恐ろしい気配が漂う洞窟内部。

いったいなにがいるのだろう?


「とりあえず、ヒョウが意識を覚ますまでここで……‼」


と、私が言いかけた瞬間殺気を全員感じた。

そして、次の瞬間爆発が起きた。

目の前が真っ白になるほどの、大きな爆発が……。

しかしながら、その時にアニオンとフルートが防御魔法を展開していたので私たちは無傷で済んだ。

危機一髪ってやつか?


「おいおい、防御したらトドメさせなくなっちゃうじゃないか……やめろよ……興が冷めるだろ?」


そういって、洞窟より出てきたのは……翔琉!?


「嘘……翔琉?」

「翔琉!?」


「いやいや、俺は翔琉だけど?」


「嘘だ! 本物の翔琉ならば、こんな不意討ちするような事はしないはず!」


「いやいや、だから俺の名前は天野翔琉だって……」


「騙されないぞ! お前からは、翔琉(ママ)の匂いがしない。 翔琉(ママ)の匂いはハーブとシャンプーのような匂いだけど、お前からはタバコとヒョウの血の匂いがするぞ!」


「おやおや、まあ所詮は身体と能力がコピー出来るだけで、匂いまでは流石に無理か……ばれちゃあ仕方がないね」


そういって、翔琉の偽物は全身黒く染まった。

目もなければ口もない。

人間としての輪郭はしているものの、黒い何かが人間の形をしているだけの者だった。

さながら、全身黒タイツのマッチョ野郎ってところかしら。

キン肉マ○のブラックホー○みたい。

名探偵コナ○の犯人みたいなやつだった。


「改めまして、俺の名前はドッペルゲンガー。 他者として生きることに性的興奮と快楽を感じる男だ!」


と、堂々と言った。

なんか、トルネと似たような気持ち悪さが見えるな……。

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