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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ミラージュエンド編:第4章-聖霊の掟と時の枝-
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3rdステージ28:運命という言葉

俺は白虎様の生まれ変わり?

前回の物語で明らかになった事実。

いや、事実かどうかは分からない。

でも、御神木とまで呼ばれる【時年樹】が、そう簡単に冗談を言うだろうか?

そもそも、この場所は精霊族ですら聖地として崇めてる場所だというし……そんな場所に見ず知らずの俺たちが導かれたって言うのがどうにも事実を裏付けしているようで気味が悪い。


「俺が白虎の生まれ変わりだとして、それであなたは俺に何を望むんだ?」

「む? いやいや、僕は別に君に対して何かをしようとかそういうことは考えていないよ。 白虎の生まれ変わりである君に会いたかったってのが事実だし……それに、そこにいる愚昧な姫君のかけた呪いを解いてあげようと思っただけだしね……」


ギロリ、と表情が伺えないがフィリの方を睨みつけた発光体に、フィリは腰を抜かしてしまう。

恐怖心からか、汗がだらだらと彼女の頬を伝っている。


「僕の親友の生まれ変わりにひどい仕打ちをした君には、罰を受けてもらうかな……」


と、発光体はふふっと笑っている。


「ごめんなさい、ごめんなさい……もうしませんから、2度としませんから、堪忍してください……」


姫が土下座で謝る姿なんて早々見れたものじゃない。

ある意味で凄い場面に遭遇した俺たちだった。


「どうしようかな~どうしようかな~」


と発光体は輝く。

何を考えているのやら、俺には分からないが少なくとも良心的である神木はそんなにひどいことはしないと思う。


「まあ、じゃあお前ライの弟子になれ」

「え?」

「そして、少し世界を見てこい。 どうも、お前は偏見で小さい世界にしか居たがらないから……この際ライと一緒に世界をめぐってこい」

「ねぇ、聞いた? 私世界を知るためにこの森から出なきゃいけなくなったみたいなの……だから、結婚は取り消しにしといてくれる?」


と、フィリは嬉しそうに親衛隊に声をかけていた。

なるほど、偏見でワガママな子には旅させろってな。


「御神木様のご命令とあらば、王や女王陛下も納得されましょうが……皇子がなんというか……」

「御神木様のご命令で通しておいて……ね?」

「はぁ……またわたくしが怒られますね……ですがこれも御神木様の命でございましょう。 取り急ぎ申し付けてきます」


と、親衛隊はスッと消えた。


「あ! そうだ! 時年樹さん!」

「む? なんだい? ライ」

「実は、折り入って相談が……」

「ふむ……僕の一部が欲しいって話でしょ?」

「ええ……え? なぜ? そのことを?」

「僕の能力って、精霊族とほぼ等しいからこの森にいる限りは全部筒抜けなんだよ」



すげぇ能力だな……。


「ほれ、やるよ」


と、発光体は枝を俺に差し出した。

その枝には美しい一輪の花と、緑色に発光している葉がついている。


「それが、オールドアを修繕するために必要な【時年樹】。 イミナにあったらよろしく伝えておいてくれな」

「え? イミナをご存じなんですか?」

「当たり前だよ……だって、僕も扉を作った一人だからね」

「え? あぁ……なるほど……何となく納得しました」

「ふふっ……じゃあ、気を付けていくんだよライ。 フィリ……ライの言うことをちゃんと聞くんだぞ」

「は、はい!」


発光体は俺の頭を軽く撫でてから消えた。

そして、いつのまにか元の切り株のところに俺たちはいた。

手にはしっかりと枝が握られている。


「それじゃあ、よろしくね師匠様(ライさま)


そういって、フィリは俺たちの仲間に加わった。

なんというか、物語をかき回してくれそうなジョーカーがまた一人増えてしまった感じがした。

とりあえず、俺たちは森を抜けてオールドアへと向かうのだった。

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